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変えるのは数字ではなく「人」
息子は小学校3年生の時に不登校になり、徐々に行けるようになったものの不安定な日々が続いていた。ただ中学校はこのまま公立には行きたくない。それは息子自身、もう環境を変えたかったのだろう。
登校も不安定なまま、中学受験のため塾へ行くようになった。メンバーが変わるためか、学校よりは前向きに通ってはいたものの、やはり受験から来るプレッシャーは相当なものだった。成績的にはそんなに厳しい状況ではなかったものの、本人の気持ちがネガティブすぎてついていけていない感じ。
出来ていても「こんなんじゃ受かるわけない」「どうせ僕はできない」「やっても無駄」…そんなネガティブワードのオンパレード。とは言っても、公立に行きたくないという意志だけは強く、塾の先生に恵まれたこともあって、中学受験を乗り切りることができた。
元々、私立にどうしても行きたい志望校があったわけでもなく始めた中学受験だった。まあ偏差値的にここくらいかな…そんな感じで受験校を決めるしかなかったが、受験直前でメンタルがダダ落ちして、急遽練習に受験することにした学校で奇跡的に素敵な先生に巡り合うことができ、一気にその学校が志望校となった。
私自身もどれだけ偏差値の高い学校に合格しようとも、ここの学校、そしてこの先生に息子を育てて頂きたい!!そんな学校に出会えたのだった。
もちろん偏差値の高い学校に合格したら、それは息子の自信に繋がったかもしれない。でも、私はそれが息子の自信になり続けるとはどうしても思えなかった。もちろんその学校にも素敵な先生方はたくさんおみえになるだろう。ただそれが受験前の学校説明会で感じることはできなかった。進学実績など数字的なものに息子も私もワクワクしなかったのだ。
結果的その第一志望校になった学校を受験することを決めたのが遅すぎて(入試1ヶ月前)、学校説明会に参加することができなかったので、個人的に案内して頂いた。説明も終わり、学校の門を出て最初に息子が発した言葉は「あの先生、僕が入学してもみえるかな?」。この言葉を聞いた瞬間に「ここしかない!!」と思った。
そんな入学前、何なら受験前から「また会いたい!」と思える先生に出会えるなんて奇跡でしかない。しかも学校という場所に不信感すら抱いていた息子が学校に行くことを楽しみとさえ思える場所になるなら。
他にも偏差値的には高い学校にも何校か合格を頂いた息子だったが、その中からの学校選びに迷いはなかった。ぶっちゃけ塾の先生にも、周りからも「どうしてそこに入学?」なんて反応を頂いたりもしたが、そこでぶれることもなかった。
そうして入学した中学校生活で息子は180度といっても過言ではないほど別人となった。先生方にも小学校の時に不登校だったこと、ここの学校に入学することになった経緯などもお伝えしていたが、先生方にも「この子が不登校だったとは思えない」と言って頂けるほどに息子は変化を見せていた。
あの時、数字ではなく、人で選んだ学校選び。そこに間違いはなかった。
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