喫茶店は、人間観察の楽園だった。
最近、喫茶店巡りにはまっている。
家の近くに喫茶店が多いこともあり、
時折行くようになったことがきっかけ。
メロンソーダを頼んで100枚以上写真を撮り続ける的な行為は興味がなくて、その喫茶店にただいることが好きで、要は、なんとなく好きなのだ。
もちろんスターバックスやドトールなどチェーン店にも行く。
毛嫌いしているわけでもないし、悪だ!とももちろん思っていない。
で、ちょっと考えてみたが、
喫茶店とチェーン店の違いって何なのか。
その場の大きな違いは有機性があるかないかだと感じる。
誰かがいることで生まれる会話や空気感が、
圧倒的に喫茶店にはある。
要は紋切り型的な一瞬がない。
オンリーワンの空間が目の前に広がっている。奇跡だ。
で、そのおかげもあり、
いるだけでめちゃくちゃに面白い。
ひとりっこだった私は人間観察がいつの間にか趣味になっていて、
親にもよく「そんなみちゃダメ!」と良く叱られたものだ。(今も)
先日訪れた喫茶ドレミ。
インスタではとても有名なお店。
家からほどほどに近いという事もあり行ってみた。
まず、おっちゃん二人がマスターという変わったお店。
なにがかわいいって、常に喧嘩してるのだ。(喧嘩というかなんというか)
多分忘れっぽいからかわからないが、ウェイターおっちゃんが常にキッチンおっちゃんに注文のリマインドをかける。10秒に1回くらい。
リアルAlexaだ。
「フルーツアラモード入ってるからな!」
「えっ???アラモードちゃうん????」
「ちゃう。ホット2入ってるからな!」
「はいはい」
普通の会話なのに、漫才みたいな勢いを感じる。
ふたりの間には見えないスタンドマイクがそびえたっていた。
そして、注文したコーヒーがまず到着。
コーヒーカップがなぜか洪水後のようなカップがでてくる。
コップの外観にコーヒーがえらくこぼれた跡があった。
いったい、なにがあった。水浴びしたのかおまえは。
そしてホットケーキを頼んだ。どうやら名物らしい。
20分かかるけどええか?と、親切な事前確認が入り、
水浴び後のコーヒーカップを持って、すすりながら、来るのを待つ。
ようやく到着。
私の中のホットケーキの概念を覆すつわものだった。岩肌。ごつい。
ホットケーキ界のニューカマーいや重鎮の面影さえ漂う。
味は、多分普通にいえばパサパサ。
パサパサなんだが。ただならぬ旨味。バターが合う。
ホットケーキにスコーンの遺伝子が入っている、革命児爆誕。
ホットケーキ革命がおこった。ひとり感動してむさぼる。
店内には、ストリート系の男女グループと、
近所のおば様3名勢、常連のいかついお兄さんやらと、
いる人たちの統一感があまりにもとれていなくて、
広大な公園のような器の深さを感じた。
で、私は、とっても楽しかったのです。
この空間の景色の一部になっている自分、同じ時間を過ごしている紛れもない事実、ホットケーキの革命児をほおばって、ひとりつっこんでいる私。
とてつもなく楽しかった。
結局世界は自分のまなざしでしか捉えられなくて、
どうやったって誰かのたのしいはそのままインストールもできるはずなくて。
だから、どうかみんなが自分のたのしいを、
たった一人の自分でお手入れできる時間を大切にしてほしいと願いたい。
それは世間でいう楽しいと言われることじゃないかもしれない。
近所をぼんやり散歩すること、コンビニの陳列棚の配置が換わっていることに気づくこと。なんでもいい、でもどこに自分のたのしいが眠っているか気づけたら、すごくそれは尊くて幸せなことだと思う。
今日も私は、たのしむ自分を迎えに、
喫茶店へコーヒーをすすりに行くのです。
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