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PhrasePlus!企画4

⭐️⭐️⭐️
(星の数でこの記事のオススメ度を
5段階で評価しています)


皆さんこんばんは
フリックフラックの髙橋壱歩です。


今回は約2ヶ月前から行っている
ショートショート企画の第4弾です。


ちなみに企画について説明記事がこちら
        ↓
        ↓
        ↓





僕のスマホに入っている
アプリを使って出てきた、

この世には存在しない言葉

で何かしらの物語を考えると言う企画です。


ちなみにこんな感じで出てきます。
      ↓
      ↓
      ↓

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最初はその出てきた単語をそのまま
記事のタイトルにして
投稿しようと考えていたのですが

隠したまま投稿し、
最後にその単語を発表した方が
いいのではないかと考え、
その方式を
採用させていただくことにしました。


ほとんどネットなどで何も調べず、
完全に僕の知識と偏見、イメージだけで
書いていくので


何言うてんねんそんなんあり得へんやろ



などのご意見は一切受け付けません





よければ今までの記事を
ここにまとめているので
是非読んでみてください。
     ↓
     ↓




それではスタートです









それは突然の出来事だった。


つい3分ほど前、
映画を見終わった僕は
出口に向かって歩いていた。


鑑賞前に購入したコーラのサイズを
Lにしてしまった事を少し後悔していた。



映画が終わる20分ほど前から
強烈な尿意をもよおしている。



トイレは比較的わかりやすい場所に
あるはずなのだが
かなり端っこのシアターで
鑑賞したせいか
なかなか見つからないのだ。


限界というわけではないが
出来る限りはやく
トイレに駆け込みたい。



少し焦りつつも
人混みが邪魔で小走りをする事ができない。



そんな状況下での
突然の出来事だった。






目の前で人が倒れたのだ。





何かにつまづいた様子ではなく、
真っ直ぐに崩れ落ちた。



近くにいた女性が
キャーと声を上げる。


当然のことだ。


すぐ近くにいる人が
急に倒れるかもしれないなんて
誰も予想しているはずがない。



倒れた男性の方を皆が見る。


しかし、誰もが反応できずにいた。



助けないといけないことは
わかっているのだが
どうしたらいいのかわからず、
立ち尽くしてしまっているのだろう。



しかし、僕だけは違った。




まさかこんなタイミングで
僕の目の前で
こんな出来事が起きるなんて
ある意味ラッキーかもしれない。

僕だけがそう思っていた。


つい1週間ほど前の休日


僕は会社の同僚に、
あるイベントに一緒に
参加しないかと誘われたのだ。



そのイベントは一般市民向けの
AED講習会だった。



「週末に奈良で
AEDの講習会があるんだけど
良かったらお前も一緒に行かないか?」



はじめはせっかくの休日を

なぜそのようなイベントに
わざわざ奈良まで行って
時間を消費しなければならないのだと
乗り気ではなかったのだが


特に用事も無く、
もしもの時のために渋々
講習を受ける事を決意した。



45分ほどの講習の中で
受けておかなければ
知らなかった事をたくさん学び、
終わった後には
かなりいい休日の過ごし方をしたという
充実感に包まれていた。


こんなにはやく
あの経験を活かすイベントが訪れるとは



僕は一瞬硬直してしまった体を
半ば無理やり動かし、
倒れた男性のそばに座り込んだ。


「どなたか!どなたかAEDを
探してきてもらえませんか!」



講習の中で言っていた。


AEDは病院だけではなく
学校や公共施設、映画館などにも
設置されている。



ここにも必ずあるはずだ。


近くにいた
行動力のありそうな
少し年下の青年が声を出した。



「は、はい!僕、探してきます!」





「わ、私救急車に電話します。」



更に近くにいた中年女性が
スマホを取り出しながら言った。



よし、
これで僕の仕事は
半分終わったようなもんだ。


あとはAEDが来るのを待ち、
それを音声ガイダンスにしたがって
操作し、救急車が来るのを待つだけだ。



良かった


あの時、講習を受けておいて
良かった。



本当に気まぐれで参加したイベントだったが
こんなにもはやく成果が
現れるとは思いもしなかった。


もしあの時、
講習を受けていなかったらと思うと
ゾッとする。


今の時点で
まだ誰も何も
動き出せていなかったかもしれない。



「ありました!AEDありました!
でも僕こういうのはじめてで…
使い方とか全然わかんなくて…」




「もう大丈夫です。
僕は先週、AED講習を受けていますので」



あまりのタイミングの良さに
不謹慎ながら少し格好つけてしまった。



さあ、はじめようか



青年からAEDを受け取る。


先週教わったばかりなので
大体の操作方法は把握している。


しかし、受け取ったAEDには
ある表記があった。



あれ?


なんだこれは


「AED」と書かれた横に
カッコしてある単語が書かれているのだ。


ん?


もしかしてAEDの使い方って
地域によって違うのか?


急に不安が襲いかかってきた。



まずい


はやくしないと


こんな状況では、一分一秒が
命取りになる。



なんとかしないと



しかし、引っかかる



AEDは全国共通なのか?


それとも地域によって
使い方が違うのだろうか


僕が講習を受けたのは奈良だ。

もし、全国共通なら

なぜこんな表記があるんだ?



遠くの方から
救急車のサイレンの音が聞こえてくる。


急がないと


「あのー
何してるんですか?
はやくしないと」

忘れかけた尿意が再び襲いかかってくる。


どうしよう


いいのか?


奈良のAEDの知識で



(完)


タイトル
『AED(三重県)』






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