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神々の島…はじめてのバリ島の思い出

インドネシアの東に浮かぶ
神々が住む島…バリ島

イスラム教徒が大半を占める
インドネシアにあって
ヒンズー教が信仰されている島は

独特な文化をもつ魅惑の世界

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そんなバリ島に
はじめて行ったのは大学4年生の冬だった

12月のあたまに卒論を提出した翌日
ワープロとのにらめっこから解放されて
旅立った仲良し6人組

当時のバリ島は
まだ島のあちこちが舗装されておらず
ガイドブックに出ている寺院の周りは
まだジャングルみたいなところも多かった

観光用のお土産屋さんよりも
ローカルな雑貨屋や屋台が並ぶ町

今でこそ大人のリゾートホテルが並ぶ
ジンバラン地区はほとんどただの砂浜で

ヌサドゥア地区は
リゾートホテルの建築ラッシュ

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そんな建てかけのホテルの
いずれはプライベートビーチになるであろう
自分たち以外観光客などいない砂浜で

屋台で買った?売りつけられた?
トロピカルフルーツを食べながら
バナナボートやパラセイリングを

今じゃ考えられないような
安い値段で存分に楽しめたんだから
なんともいい時代だったと思う

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4泊6日の旅はあっという間

いくつかのスリリングな体験もしつつ
優秀な?ガイドさんたちのおかげで
新聞沙汰になるようなこともなく
楽しい想い出満載で笑顔で帰路についた…

その帰りの飛行機の中で
最後に待っていた大失態!?

バリ島からガルーダインドネシア航空で
ジャカルタへ飛びトランジット

JALだったかANAだったか???
とにかく日本の飛行機に乗り換えた

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6人の中で私ひとりが
仲間と離れた座席へ…

隣の窓側に座っているのは
飛行機の中なのにサングラスをかけた
浅黒くて鼻の下にヒゲを蓄えた男性

CAさんとの会話は
流暢な英語とインドネシア語

「あ~ぁ…最後の最後に
なんで私だけ座席が離れちゃったんだろ…
しかもコノ人なんか怖そうだし…
ヤバい人じゃ…ないよね???」(心の声)

そんな私の気持ちを察してか
通路を挟んだ座席に2人と3人で
2列に分かれて座っていた友人たちが

「ねぇ、もし何かあったらいつでも声かけなよ」
「嫌なことされたらすぐ言ってね」
「機内が消灯してからは要注意だよ」

などなど声をかけてくれたわけで
もちろん私も

「サンキュ~♪
大丈夫!何かあったら大声出すわよ(笑)」

冗談半分・本気半分で返事をしていた

機内食が運ばれたときも
彼がトイレへ立った時も
隣の男性が話していたのは外国語

「見かけはちょっと怖いけど
英語も流暢だし身なりもちゃんとしてるし
何より日本の飛行機で移動してるってことは
悪い人じゃないよね???大丈夫…」(心の声)

そう自分に言い聞かせながらの
約8時間のフライトは
緊張のあまりほとんど寝られず

気づけば窓から朝陽が射しこみ
朝食が配られる時間になっていた

と…

飛行機の高度が徐々に下がり始めた頃
突然隣の男性が話しかけてきた!?

「学生さんの卒業旅行ですか?」

!?!?!?!?!?

とてもとてもお上手な日本語

「あ…はい。そうです…」

ここで初めてサングラスを外す男性

「僕、現地の人間に見えました?(笑)」

私の頭の中で
昨夜の友人たちとの会話がグルグルしていた

「ヤバい…夕べのウチらの会話
全部この人に通じてたんだ…(汗)」(心の声)

聞けばこのオジ様
当時ジンバラン地区に建設中だった
インターコンチネンタルホテルの関係者

ジンバラン地区の開発の先駆けとして
大人のリゾートエリアのきっかけになる
大型ホテルを作っているとのこと

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このホテルが完成するまでは
生活の拠点がバリ島になっているため
すっかり日に焼けて現地化してしまった…

と真っ白い歯を見せて笑っていた

「あの…私も友人たちも
すっかりインドネシア人のビジネスマンだと
思ってしまっていて…あの失礼なことを…」

まるでそれを聞いて楽しんでいたかのように
ゲラゲラ笑って「気にしなくていい」と
言ってくれたその人は

恐らく40代ぐらいの
なかなかイケメンなオジ様だった
(安心したとたんに
人の印象ってこんなにも変わるものか!?)


「社会人になったらまたバリに来て
インターコンチネンタルに泊まりにおいで」

といって手渡された名刺には
シッカリ日本人の名前が書かれていて

世間を知らないおバカな学生の私でも
この人偉いんだ…と分かる肩書だった

それから4年後

私は結婚して
夫の仕事でインドネシアのジャカルタで
3年間生活することに

ジャカルタから1時間半で飛べるバリ島は
短い休暇でも行きやすい国内旅行の地

たった数年ですっかり観光地化されて
ホテルの件数もお店の雰囲気も
ずいぶん変わったバリ島

あの時もらった名刺はもう無かったけれど
インターコンチネンタルホテルは
家族でバリに行ったときの常宿になった

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インターコンチネンタルに続き
フォーシーズンやリッツカールトンも完成して

オジ様の言ったとおり
ジンバランは大人のリゾートになっていた

あの時のオジ様…
きっともうご退職されてるんだろうな…

もしもまた会えるなら
あらためてお礼を伝えたい

「素敵なホテルにご縁を繋いでくださって
本当にありがとうございました…」

人は見かけで判断しちゃいけない

そんな基本中の基本を学んだ?
ちょっと恥ずかしい卒業旅行
神々の島…はじめてのバリ島の思い出


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