2023年学習院大学文学部日本史論述答案

答案例
 空海は主に弘仁・貞観文化期に活躍した密教僧である。讃岐国出身の空海は大学などに学び、『三教指帰』の中で、儒教・仏教・道教における仏教の優位を論じた。遣唐使で留学して密教を学んで帰国し、紀伊の高野山に金剛峰寺を建てたほか、嵯峨天皇から平安京に教王護国寺を賜り、真言宗を広め、加持祈祷により現世利益を願う貴族の欲求にこたえた。文化面では、漢詩文に優れ、漢詩文集の『性霊集』や評論の『文鏡秘府論』が残っているほか、唐様の書にも優れ、嵯峨天皇・橘逸勢とともに三筆と称された。(233字)
 
設問要求…平安時代初期の僧である空海の生涯や業績について説明する。

文化からの出題で面食らった受験生もいただろう。弘仁・貞観文化期に活躍した人物であることを書き、密教僧としての側面と、文化人としての側面を分けて記述すればよい。
 

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