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通勤ラッシュがストレスになる科学的理由

私たちが当たり前に受け入れている「通勤ラッシュ」。これがいかに「生物学的にも異常なこと」であるか。どうやら人間にも「縄張り」があり、科学的にも説明できるようです。

動物にも「縄張り」があります。同じ種の動物であっても、一定の距離を保ちます。この距離が侵されると、動物といえどもストレスにさらされ、場合によっては「ストレスによる動物の大量死」という現象すら確認されています。
同じ動物である人間においても、以下の4つの距離帯があります。言葉としては知らなくても、日ごろの生活の中でなんとなくこれらの距離を取っていると思います。

公衆距離・・・約3.5メートルを超える距離。
この距離以上離れると、脅かされたときに逃げるか防ぐことが可能。

社会距離・・・約1.2メートル以上、かつ約3.5メートル以内。
お互いが手を伸ばしても相手に触れられない距離。

個体距離・・・約76センチ以上、かつ約1.2メートル以内。
片方、もしくはお互いが手を伸ばせば触れられる距離。
お互い、匂いも体温も感じないで済む距離。

密接距離・・・45センチ以下。
この距離に「侵入する/される」ことは「他人と密接に関係している」という明確な信号になるといわれている。互いに許しあう関係でない限り、通常この距離は取らない。同時に「威嚇、攻撃をしている」距離ともいえる。

この通りであれば、バスや地下鉄、電車といった公共交通機関の空間は
ほぼ「密接距離」であり、全く知らない他人に「侵入されている」と感じているわけで、それが長時間、かつ毎日続くのであれば相当のストレスです。
果たして「我慢しろ」で済む話なのでしょうか?

私は、このお話を知るずっと前から、通勤に公共の交通機関を利用することはやめ、歩いて出社しています。1時間近く歩きますが、満員電車に乗るよりずっとマシです。同じ理由で会社のエレベーターにも乗りません。たとえ10階に職場があっても歩いて昇ります。
会社の同僚には変わりモノ扱いされますが、この話を知って「やっぱり自分の感覚は正しい」と確信しました。自分で取り除けるストレスは可能な限り取り除きましょう。

このお話は、岩本茂樹さんが書かれた「自分を知るための社会学入門」という書籍を参考にしております。私たちの生活に根差してる社会学をわかりやすく知ることができる大変良い本でした。

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