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組織には多様性が必要だ

みなさん、こんにちは。
わたしはとある日本企業のサラリーマンです。所属する部署で、2年前まで管理職に就いていましたが、メンタル不全に陥り管理職を降りました。
気力と体力が回復したら、また管理職に復帰してバリバリと仕事に励もうと志してきましたが、最近自分が就いていた仕事を第三者視点で見ているうちに、「なんて非生産的で、非効率な仕事をしていた、もしくはやらされていたのだろう」と考えるようになりました。果たして自分の仕事のどのくらいに意味があるのか、もしくは自分の働き方が効率的なのか、という視点で日々考え、本を読んで勉強するようになりました。まだまだ勉強中ですが、自分の頭を整理する意味も込めて、noteを使ってアウトプットしていきたいと考え、この記事を書いています。


今回参考にした書籍はマシュー・サイドの「多様性の科学」です。
CIAが同時多発テロを予測できなかった事例など「組織が多様性を欠くと盲点を見抜けなくなる」ことを解き明かした名著です。

同じものを見ているはずなのに・・・

本書には世界の学者が行った社会実験が多数取り上げられています。
2001年に行われたミシガン大学の実験では非常に興味深い結果が得られました。日本人とアメリカ人をそれぞれのグループに分けて「水中の様子を描いたアニメーション」を見せました。その後にそれぞれに何が見えたかを質問します。二つのグループはそれぞれ以下のように回答したのです。

アメリカ人グループ・・・水中にいる魚について細部まで語った。
            ※魚の数や模様等
日本人グループ・・・  水中の背景を細部まで語った。
            ※水の色や底にある石や貝等

本書は、「これにはそれぞれの文化の違いが影響している」と結論付けています。

アメリカ・・・個人社会。手前や中心にある「モノ」に重点を置く傾向。
日本・・・相互依存的。「背景」に着目する傾向。

この実験には続きがあります。
次に別の場所の水中を見せました。前回と違う水中なのですが・・・

日本人・・・前回と違うモノに気づかない。
アメリカ人・・・背景が変わっていることに気づかない。

どちらのグループも、一方が気づいた点を見落としており
全体を把握できていないがわかりました。

人の物事の捉え方には、ただ「モノを見る」という行動でさえ文化に基づく違いがあるという事実が明らかになりました。
アメリカ人と日本人は、異なる枠組みで物事をとらえています。

アメリカ人・・・個人主義的
日本人・・・  背景や状況を考慮する

どちらの枠組みにも盲点があり、全体像を描き切れていません。
本書では次のような提案をしています。
日本人とアメリカ人がチームを組んだらどうだろう?
現実を包括的に理解できる。

私もまったく同感です。人は不完全なものの見方をするが、違うものの見方をする者同士が協力し合えば、多くの発見ができることを証明しています。
組織には多様なものの見方=多様性が必要です。

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