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独創的な解決策を生み出すためのヒント

みなさん、こんにちは。
わたしはとある日本企業のサラリーマンです。所属する部署で、2年前まで管理職に就いていましたが、メンタル不全に陥り管理職を降りました。
気力と体力が回復したら、また管理職に復帰してバリバリと仕事に励もうと志してきましたが、最近自分が就いていた仕事を第三者視点で見ているうちに、「なんて非生産的で、非効率な仕事をしていた、もしくはやらされていたのだろう」と考えるようになりました。果たして自分の仕事のどのくらいに意味があるのか、もしくは自分の働き方が効率的なのか、という視点で日々考え、本を読んで勉強するようになりました。まだまだ勉強中ですが、自分の頭を整理する意味も込めて、noteを使ってアウトプットしていきたいと考え、この記事を書いています。


今回参考にした書籍は篠原 信氏の「ひらめかない人のためのイノベーションの技法」です。本書はイノベーションを起こすための様々な技法や考え方を
わかりやすく取り上げた良書です。

手術がいつもいっぱいなら手術室を常に一つ開けておけ

本書では、ミズーリ州の救急病院を例に、手術室不足という課題に対して、経営コンサルタントが提案した「常に一つ手術室を開けておく」という解決策を紹介しています。一見無茶な提案にも思えますが、これが大成功したのです。

ミズーリ州の救急病院は数多くの手術が行われ、手術室はいつもいっぱいだった。予定通りに進まず、連日深夜まで手術が終わらないなど医師もスタッフもすっかり疲れ切っていた。そこで、「予定通り手術を行えるようにするために手術室をあと何室増やせばいいのか、コストはいくらになるのか」、経営コンサルタントに調査を依頼した。
ところが、経営コンサルタントの答えは超意外にも「手術室を常に一つ開けておけ」というもの。
手術室が足りなくて困っているのに!この無茶な提案に多くの現場スタッフが反対したが、とりあえず進められた通りにやってみることになった。すると、手術が夜中までずれ込むことがなくなり、医師もスタッフも負担が軽くなった。それどころか1日にこなせる手術数はさらに増えた。いったいどんなマジックが起きたのだろう。
じつは、経営コンサルタントは「空けた手術室は救急患者専用とし、入院患者には使用しないように」とアドバイスしたのだった。
それまでこの病院では、全ての手術室を常時使用していたため、重篤な救急患者が運び込まれると、予定していた手術を後回しにしていた。
それまでの準備は無駄になるし、新たに手術道具を用意し直さなきゃいけない。スケジュールを組み直したり、医師を交代させたり患者の状態を確認し直したり、その業務量は膨大。
これが手術を予定以上に遅らせる原因となっていた。しかし、救急患者用の手術室を一つ開けておくことで入院患者の手術は予定通り行われるようになった。これで大幅に無駄がなくなり、救急患者にも速やかに対応できるようになった。
経営コンサルタントは当初の「手術室を増やす」という提案に囚われることなく、病院の様子を虚心坦懐に観察したのだろう。
すると、入院患者の手術予定を変更して救急患者を優先し、大慌てで準備をやり直している様子を観察できた。「そもそも、入院患者の手術を予定通りに進められないことの方が課題として大きいのではないか?」と問いを再設定したのだろう。
その結果、救急患者用に手術室を開けておく、という解決策を思い浮かべることができたのだと思われる。
私たちは問いを発せられると問いの裏に暗黙のうちに当然視されている「価値基準」を受け入れてしまうことが多い。
だから、独創的な解決策を求めるとき、問いの背後にある価値基準を問い直すほうが良い場合がある。
焦って解決策を早く見つけようとせず、課題をよく観察することでそもそも を問い直してみる。すると、独創的なひらめきが湧きやすくなる。自分が暗黙のうちに受けられてしまっている価値基準を問い直してみよう 。

ひらめかない人のためのイノベーションの技法

この解決策は、以下の2つの重要なポイントを突いています。

  1. 問題の本質を見極める

手術室不足という表層的な問題ではなく、救急患者の受け入れ体制不足という本質的な問題を見抜いています。

 2.思い込みを捨てる

常に手術室を稼働させるという固定観念を捨て、救急患者用の手術室を確保するという柔軟な発想を生み出しています。

物事の本質を見極めるというと、難しく聞こえてきますが、「課題をよく観察することでそもそもを問い直してみる。」ことから始めてはいかがでしょうか?


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