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南国のメリークリスマス(後編)

⒈前回までのあらすじ

前回、いっせーはギターを購入するため、車で30分(ハイウェイで)ほどの所にあるギター店へその後参加する予定だった父の友人の息子へのプレゼントを持って向かった…しかし、昼を食べ、次の目的地へ向かう頃には予定よりも1時間ほど遅れていたのだった…

⒉存在しないギター店

昼に食べた肉骨茶(バクテー)屋の軒先で次に乗るGRAB(タクシーのようなもの。専用アプリで呼べる)の車を待つこと1時間半、やっとこさ捕まった車でSNS上のやり取りで指定された住所へ。着いた先は閑静な住宅街の中にあるちょっとした店の集まりみたいなところ。しかも、飲食店がほとんどでギター屋なんて存在しない。これ読んでる人も思っただろう。
「は?」
オンラインのみでのやり取りだけだったし、まさか実店舗がないとは聞いてないなあと思いながら、先方へ連絡し待つこと30分。店員さんらしき人物が車から愛しのギターちゅわんを抱え、降りてきた。しばらく試奏して後、購入を決意。無事、購入。この時点で既に5時前。既に約束の時間が後10分ほどにせまっていた。

⒊二軒目へ

ギターを無事購入後、もう一軒行くことが決まっていたので、あらかじめ父の友人へ予定よりも大幅に到着が遅れることを伝えた。そこから再びGRABを使って二軒目へ。二軒目では、アンプなどの周辺機器を購入した。店員さん(中華系マレーシア人のカップル)の対応もとても丁寧かつ親切で(営業日でないにも関わらず、店に出勤し応対してくれた、アンプの説明や試奏を丁寧にしてくれた)日本で感じることの少なかった人情を感じた。

⒋いざパーチィ

無事購入を終え、残る予定はクリスマスパーティへの参加を残すのみとなった。しかし、6時過ぎても全くタクシーが捕まらない。このままではパーティどころではないと半パニックになっていたら、店員さんが一言。
「家までなら送っていこうか?僕たちもこれから帰るし」
その時のいっせーはひどく滑稽に見えていただろう。思わず日本語に戻るくらいには気が抜けていた。彼曰く、「クリスマスの夜だし、運転手も遠くまで行きたがらない。ならば、ここより目的地により近い自分の家に一旦戻ってから捕まえてみてはどうか」ということだった。その理屈なら彼らであろうと外出はしたくないはず…もうこの時点で聖人に他ならない。彼らの車に乗り、雑談などしつつ車で30分ほど。無事に自宅へ到着。半泣きになりつつ、感謝とこれでクリスマスのディナーに何か美味いもん食ってくれとチップを渡した。リュックを背負い、ギターケースを持ち、アンプをケースに入れ肩から下げ、手提げバッグを持つという重装備でなんとか自室まで戻ったいっせーは30分ほどタクシーを捕まえようとしたものの、不発に終わり、最終的には父の友人家族に車で迎えに来てもらい、無事、パーティに参加。息子さんにプレゼントを渡し、挙句一泊したのだった。こうしていっせー史上最も長いクリスマスは幕を閉じた。

⒌最後に

こうして振り返ると、人に助けられて生きていること、物事はそう予定通りに運ぶことの方が少ないことを痛感した1日だった。まさか年末にその年1濃い出来事があるとは予想だにもしなかった…初めての海外でのクリスマス(夏)にしたこの貴重な経験を僕は忘れないだろう。

おまけ

さあて、次回のいっせーさんはぁ?
好きなアーティストを語り尽くす
自宅(日本)へ置いてきたいとしの機材特集
の二本立てでおおくりしまあす!
来週もまたみてくださいね!
ジャン
ケン
ぽん!
🤏


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