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「旅」を味あわせるゲーム『DEATH STRANDING』

#全力で推したいゲーム

※余談ですが味わわせるは文法的正解らしいです。

一人もいない荒野に長時間走らせるゲーム『DEATH STRANDING』、評判が両極化になっているらしいですが、私は好評をあげたいほうです。なぜといえば、「旅」を味わうことが出来たんです。

荒廃の世界に、生きる意味はあまりなく、ぼーとしながら、なんとなく前に進む感覚が、リアル世界自分の状況とある程度重なったでしょう。

生まれて、楽しい青春(=文明の繁盛)を過ごし、毎日出勤を繰り返す、いずれ死ぬ生活(=行き先を失った廃土)を始まりました。人混みと一緒に信号を渡るとき、こんなに近いのに、こんなに遠く感じる、まるで『DEATH STRANDING』の中の地形みたい無機質に感じます。

その孤独感をLow Roarさんの優しい声にほどよく増幅させました。希望はあるけど、「無」に包まれた感覚です。簡単にまとめると、徒労感でしょうか。

初めて同じような感覚を味わったのは、村上春樹さんの「海辺のカフカ」を読んだ時でした。少年も同じように旅をしていました。まさかゲームの世界でもう一度体験できるとは思わなかったです。

なので、『DEATH STRANDING』を「芸術品」とする評価が耳に入った時、とても共感できました。消費、ストレス解消のためではなく、フィーリングを伝わる、考えさせる作品だと思いました。

私たちは生きている、
美と愛と幸せを見付けようとしている。
全部徒労だけど、生きていた。

Gore-Texのジャケットを着て、『DEATH STRANDING』のBGMを聞きながら、秋雨を浴びっていました。しみじみでした。

#初note記念

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