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vol.16:あなたも私もバーサーカー

障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。

今日はまず、この記事の無料部分だけでもいいから読んで頂いて、私がこれから書く事を読んでほしいのです。私が書く文章があらぬ誤解を与えないように、必読です。無料部分だけでも。でも有料部分もチャリンして読むと、よりわかりみがマシマシになると思います。

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↑ 岸田奈美さん、去年あたりから少し調子を崩しているらしい。
表題のサイン会には、私も本持参でお邪魔した。12時~17時までの間、水分補給はされていたけれど、ほぼ休むことなくおよそ300人近くの、ほぼ初めましてな300人に気さくに明るく対応する。やってるときは気付かないかもしれないけど、終わってぐったりした事でしょう。加えて奈美さんは人見知りだと過去のnoteにも書いてあった気がするので、そりゃもう心拍数は爆上がりに違いない。

その、サイン会がトリガーとなり、精神的な不調が表れ始めたのだという。サイン会は私がお邪魔した「文学フリマ東京」以外にも行われ、奈美さん曰く「1回あたり50人から400人くらい…それを二ヶ月で5回」あったそう。二ヶ月の間に初めましての人と1000人近く会い、言葉を交わす事なんてそうそうない。それは人疲れするなんてもんじゃない。

しかし、本を買ってくれた人に、ありがとうと感謝を伝えられる場。奈美さんは止めたくない、と話す。先生はこう言いました。

「大切なのは、人に会わないことではなくて、人に会うことで消耗するという自覚。その消耗の分だけ回復できるように準備すればいい。」

出典:奈美さんのnoteに登場する心理カウンセラー下園壮太先生の言葉


それよーーーー!!それなのよーーーーーーー!!!
あああもっと字おっきくして言いたいーーーー!!←

かくいう私も前回のエッセイの序盤に
「いや~~~~~~~~~書けなかった~~~~~~~~~!!」
と言ったクチ。

去年から「noteやんべ!がしがし書くべ!」と意気込んでいましたが、職場移転の情報を公に解禁したのが8月半ば。移転の告知動画の編集が完パケしてご満悦だったのか、8月後半は平均週1ペースで更新できてた。
併せて職場では、ご挨拶だったりおもてなしだったり、とにかく駆けずり回っていた。くたくただった。

なんとかその間に思いついた言葉やテーマをメモ帳や下書きに残すクセはついたものの、時間が経つと言葉の発酵が始まってしまう。メモした時のテンションとは違う気持ちになってしまって、腐って溶けてしまうのだ。ああ、生かす事が出来なかった、と落ち込む。花に水をあげるのを怠ってしまって、枯らしてしまう時の虚しさに似ている。

10月頭から2週間ほど、引っ越し作業で荷物の梱包やら運び出し、移転先での動線確認などのシミュレーション。今までとは違う頭を使った作業で、くたくただった。滑り込むようにリニューアルオープンした頃にはご時世的な措置も解除になっており、とにかく色んな方が祝福モードでお店に来てくださった。弊社の構造をおわかりの方には通ずるかどうか定かではないが、絵本「ちびくろサンボ」でいうところの虎が木の周りをぐるぐる回ってバターになるぐらい、駆けずり回っていた。

自覚的には、12月の頭ぐらいに、バターになっていたと思う。

私も奈美さんに会いに「文学フリマ東京」に行く頃、丸一日休みがあっても、とにかく寝る。体力回復に努める。スーパー銭湯に行く。明日以降の仕事に備えて、体力の回復…とにかく体力の回復……!!

それしか、考えられなかった。でも、それを考えられていたから、今はトンネルを抜けて(多分)、ここまで来れたのかもしれない。

でも、エッセイは書きたかった。書きたい気持ちはあった。でも、今実際にお金が発生している仕事と、弟との生活が優先なのだ。仕事で頭を使っているからか、エッセイを書くという脳みそのスイッチが切り替えられなかった。
先述した “ 12月にバターになった ” というのを自覚し始めたのは、年末恒例行事になっていた余興的バンド演奏。

「出たくない」と思ってしまったのだ。

ドラムの練習に時間を割くぐらいなら、エッセイ書く時間に充てたい。

体力的にも精神的にも余裕があったら、多分こうなっていないだろう。バターにも、毎年ご一緒して下さる面々にも本当に申し訳ないけれど、私の脳みそはバターになって溶けていた。
(余興は諸々考慮して頂き、結果超オーライだった)

奈美さんのnoteを読んで、溜飲が下がった。下がりまくった。もう、下がったって言うかサーーーーーーッと音を立てて、自分がパソコンに向かえなかった理由を断定できた事が、はっきりわかってスッキリしている。

私もバーサーカー状態で、ここまでたどり着いたんだ。

とにかく目の前のタスクをクリアしていく事にがむしゃらになっていた。どうしたらスムーズに事を運べるかを考えながら動いていた。私なんかよりも大変な上司たちが体調を崩さないかどうか、負担にならないように自分がどう動いたらいいか、そんな事ばかり考えていたら、あれっ私めっちゃ今ダメじゃん?と気づく。昔から “ 自己犠牲型 ” だという自覚はあった。ここでもそれを遺憾なく発揮していたかもしれない。

加えて、過去に自分が思っていた事もここに書き落としていこうと思う。

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前述した昨今の移転には全く関係なく、接客業に従事してトータルキャリア20年以上は経つ私の、接客業に従事しておきながらあるまじきことを今から言います。

私は、時々 “ 人疲れ ”を発動します。

これは仕事以外でも、多くの人に会ったあとに、ごくたまに
「ちょっと、人に会うの疲れちゃったな…」
「今日は家でのんびりしたいな…」
と思う事、個人差や体感はもちろん違いがあると思いますが、皆さんありませんか?

おもてなしをする立場の人間なので、こういう弱音を全世界に発信できるツールで言うのもアレなんですが、まあ私自身のスタミナの問題もあるんだと思います。だから人に疲れてしまうと居た堪れないというか

「は~~~~~、もっと自分のキャパが広ければなぁ~~~~!鋼のメンタルが欲しいなぁ~~~~!!」

と渇望いたします。

とはいえ、ないものをねだっても手に入りません。それは過去に私がエッセイでも書いたけど、普通の人と同じことができなくても現状をいかに楽しめるか、が大事なわけで。ダメな時はダメなのよ。しかたない。
おもてなしする立場の人間も “ 人間 ” なんですよねぇ。

でもこれは奈美さんが書いていたように、相手がどうという話ではない事を私も強く言いたい。あくまでも私のキャパシティの問題ですし、人生はタイミングなので。

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と、自分でまとめて考えて書けるようになったからこそ、今はだいぶ持ち直したんですよ。という話でした。

皆さんも色んな仕事や人間関係に、時々疲れたりしませんか?
それって本当に相田みつを先生様様だけれど、人間だものねぇ。
疲れていない人間なんていないし、自覚の有無の問題もあるけど、ちょっとぐらい疲れたっていいじゃない。皆、人生を戦うバーサーカーなんですよ。来る時まで、なるべく笑顔で、時々ひとりになってゆっくり深呼吸して、またそれぞれの持ち場に戻って、サバイブしていきましょう。

<完>

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最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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ハードルがあるのは障害者だけじゃない。「私たちは健常者だから」と言うそこのあなただって、職場や家族間での対人関係だったり病気したり大変な事(ハードル)が沢山あるでしょ?という意味で、エッセイのタイトルは「世の中全員、障害者。」と言います。おススメ&サポートして頂けたら嬉しいです。