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vol.14:今年いちばん会いたかった人に会えた話(いよいよ本編です)

障害者家族エッセイストの川島田ユミヲです。

前回までのあらすじです(表題通り、めたくそ長いです)

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さて、意思表示マークを実装した我が八百屋さん、いや我が弟とともに、文学フリマ東京の会場、流通センターへ。

検温&アルコール消毒以外にも、受付で接触確認アプリの画面を見せてください、と言われ

「あの、同居する家族なのですが…(スマホ持ってません)」

と途中まで言いかけて、受付の方が

「大丈夫ですよー」

と通してくれた。帽子につけていた意思表示マークにも目線がいっていたと思う。ありがたい。

奈美さんのブースを探している途中、色んなジャンルの本を皆さん作っているんだなあ…と眺めた。ゆっくり観たいが、キヨは私の買い物に長くは付き合ってくれない。みんなそんなもんだよね。

奈美さんの販売ブースには人が並んでいた。長蛇の列と言うほどではないが、

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最後尾の人はこれを持って並び、あとに来た人に渡してください、というものだった。なんて画期的な…!!

そしていよいよ、私の番がやってきた。

キヨ、速攻で握手。

奈美さん「握手めっちゃしてくれる〜〜〜!ありがとうございます!あっ、だからハンドパワーなんですね〜〜〜〜!!」

すみませんホント…ご時世にそぐわぬご挨拶を…パーカーのワッペンのハンドパワーは偶然ですが、拾って頂いて嬉しいです…!

奈美さん「へ〜〜〜!弟さんなんですね〜〜〜!めっちゃ仲良しなんですね〜〜〜〜!!」

そうなんです…電車で色々出掛けたり、今日もついてきてもらったりしてます…あっこれ、私がいちばん好きな奈美さんの本、サインお願いします…

奈美さん「ありがとうございます!お名前、なんて書きましょうか?」

えっと、ふたりぶん書いて頂いても良いですか…?平仮名で "きよはる“ と…私の方は片仮名で "ユミヲ“ と…あっ、ヲは “わをん” の方のヲで…

「あっ、こっちでしたか!」

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いやもうこっちがごめんですよ…私ったら、何で名刺のひとつも…なんなら事前にお手紙でも書いてお渡しすれば良かったのに…(むしろ前回のまくらの話なんてもはや奈美さん宛のラブレターだし…)

字面の主張が強い名前を、口頭で言うからこうなるねん…

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最後に写真をパチリ。キヨは相変わらず、カメラを見ない。笑

別れ際にキヨは奈美さんと、写真を撮って頂いた奈美さんブースのスタッフさまに握手をしまくる。くっそ〜〜!ずっち〜〜な〜〜〜〜〜!!世が世ならワシかて奈美さんや奈美さんのスタッフさんと、握手したいんじゃ〜〜〜〜!!!

そうだ、奈美さんから、サインして頂いた本と今回買った冊子とともに

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飴ちゃんもらった。

これは奈美さんが関西の人だからいつでも飴ちゃんを持っている、わけではなく、9月頭にNHKパラリンピック中継のスタジオゲストに出る直前、

このような事態になり、龍角散のツイートをしたところバズって

その後ネットニュースになり、

9月の文学フリマ大阪から、来場者にお配りしているらしい。2ヶ月経った今も尚、あげられるほどアホな量の龍角散…それは喉に龍棲むよね…。美味しかったです…ありがとう奈美さん、ありがとう龍角散さん…。

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そそくさと会場を後にして、は~~~~~もう後悔がすごい。後悔のビッグウェーブ。大後悔時代。まじでこんな機会またとないんだから、手紙でも名刺でも記憶に残るようなものを渡すべきじゃなかったんか…。本当に、お会いできてお話しできて一緒に写真を撮って頂けたのはまじで嬉しいけれど、それだけが本当に、後悔。

また諦めずになにかしらイベントに行こう…だってお近づきになりたいもん。

同じ姉として、ではなく、同じように言葉を扱う作家として。

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今回奈美さんが販売した冊子「言ったことのない名言」、文学フリマ東京の事前取り置き予約分が200冊+予約なし当日販売分が30冊あったらしいが、それらはすべて完売だそう(パチパチパチパチ)。

ということは奈美さん、230人もの人と会話を交わし、必要とあらばサインを書き、記念写真に応じていた、という事になる。さぞお疲れになった事でしょう…。ありがたや…。

まじで今はただのファンですが、私も自分の書く文章で少しでもお金を稼げるようになって、いつか対談とかしたいです、奈美さん(結局本編もラブレターじゃんか)。

おわり

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<追記>

ヘッダー画像は流通センター駅付近なのですが、これは私が

「は~~~~もう、けぇるけぇのぉ~~~~~」(帰ろうかな、の意)

と意気消沈気味で駅に向かったところ、キヨが

「電車はまだ乗らん!あっち行く!」

と言わんばかりに手を引っ張る。流通センター駅周辺は道路が広くて車もバンバン通るから、どうやら車を眺めながら歩きたかったみたい。このコロナ禍では、ずっとそれを楽しみにやってきたんだもんね。大きいトラックもたくさん通ってるのを見て、大変ご満悦な顔をパチリしました。

羽田空港が近いから、地元ではありえない高さで頭上を飛行機が通過して行くのが新鮮だったのだけど、キヨは飛行機にはまったく興味を示さず。笑

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最後まで(そして前回から)お読み頂き、ありがとうございました。




ハードルがあるのは障害者だけじゃない。「私たちは健常者だから」と言うそこのあなただって、職場や家族間での対人関係だったり病気したり大変な事(ハードル)が沢山あるでしょ?という意味で、エッセイのタイトルは「世の中全員、障害者。」と言います。おススメ&サポートして頂けたら嬉しいです。