【自己啓発講座①】現状維持メカニズム


こんにちは、Ryotaです。
僕の専門は教育学・心理学です。

今回から自己啓発講座というものをお伝えしていきたいと思います。
僕自身これまで自己啓発を多く学んできましたが、伝える場所があまりありませんでした。

昨今の影響により対面でのセミナーも難しい状況なので、講座という形で自己啓発関連の話を書き残しておきたいと思います。

以前、Youtubeではメンタリズム講座というものを行っていますが、そちらのような感じで行っていきたいと思います。

では、さっそく始めていきましょう。
今回は第1回「現状維持」という話をしていきたいと思います。

前置きなんですけど、自己啓発というのは基本的にエビデンスがありません。

自己啓発には科学的根拠がないと言われていて、行動経済学でも研究されています。

誤解をおそれずに言うと、科学的には自己啓発は学んでも無駄だということです。

ただ、科学的なエビデンスというのは統計上の話で、わかりやすく言うと平均集団に対して効果があるかどうかという話です。

なので、自己啓発の効果がないというのは大多数の人にとってという意味であり、全ての人に効果がないというわけではありません。

よって、大多数の人に効果がなくても自分には効果があるという場合もあります。

そのようなマッチしたものが見つけられたら自己啓発であっても日常生活に活かせることでしょう。

今回お話しするのはこのような内容です。
エビデンスがどうとかっていうよりかは、僕自身が自分で実践する中で役立ったか?という基準でお伝えしています。

その点はご了承ください。

※エビデンスありの内容だけ知りたいという方はカテゴリー「心理学」の記事をご覧ください。

前置きが長くなりましたが、改めて現状維持についてお伝えしていきたいと思います。

現状維持って何かというと、要するに「自分を変えたくない」という心の性質です。

そういう性質を人間はそもそも持っていますよという話なんですけど。

たとえば、体温もある程度、恒温動物であれば一定なわけですよ。
私たちは外が寒くても外が暖かくても体温は一定です。

今日36度なのに明日39度、明後日は34度みたいな人はいないわけですね。

多少の誤差はあっても大体同じくらいの体温でずっと維持している。
それが恒温動物なんですよね。

心にもこういう性質があります。
要するに昨日の自分と全く一緒の自分の方が安心っていう話です。

だから、何かを変えようとかあるいは習慣をつけていこうとすると心の方がブレーキをかけてきます。

たとえば、ダイエットを始めてこれからダイエットをしようという意気込みはすごくあるんだけど、続かないことがありますよね。

これは昨日までは太ってる自分ですから、急に痩せた自分になると心は「変化だ!」と感じるわけです。

心の性質である現状維持メカニズムは変化が大嫌いですから、いそいで元の太った自分に戻ろうとするんですね。

それで結果的にダイエットに失敗してしまいます。

私たちからするとおせっかいでやってほしくないことなんですけど、心にはそんなこと関係ないわけでとにかくずっと変わらないことが大切なのです。

変化がない一定の状態が安心なのです。

先ほどダイエットを例に出しましたが、これはあらゆることに言えることです。

たとえば、勉強が苦手で勉強しようというやる気が出ないという問題も、勉強のやる気が出てバリバリ勉強した方がもちろん良いわけです。

でも、心はそんなことはわかりません。
勉強ができなくて成績が悪い昨日までの自分が安心なのです。

だから1日はりきって勉強しようものなら疲れてしまって、次の日からはやる気が起きないということになります。

では、どうすればこの現状維持メカニズムを乗り越えて自分を変化させていくことができるのでしょうか?

まず思考では無理です。
考え方を変えるとか思考で無理矢理変えようとしても通用しません。

現状維持メカニズムは生命維持に直結する強力なメカニズムなので。

どうすれば良いかというと、行動から変えていく必要があります。

たとえば、ダイエットができないという問題を解決したいとします。

頭の中で「何日目にはこれだけ運動して・・・」とダイエットの計画を立てる人は多いでしょうが、それでは上手くいきません。

ダイエットしたいと思った瞬間に自分のモチベーションに関わらず、いきなり走り出したり、ウォーキングしたりします。

ダイエットに関連する行動をいきなり始めるということですね。

これが行動から変化させるということです。

もう一つ重要なポイントがあります。

現状維持メカニズムを潜り抜けるには、「大きな行動を取らない」ということが大切になります。

たとえば、ダイエットをしたいと思っている人がいきなりフルマラソンに挑戦するということは辞めておいた方が良いです。

そういうことをすると現状から極端な変化が起きることになります。
心はこのような大きな変化を敏感に察知します。

僕が心と言っているのは無意識のことです。

この無意識に気づかれてしまうと、元の自分に強い力で揺り戻されてしまいます。

今まで太っていた自分が急にフルマラソンを始めようものなら、無意識は「やばい!変化が起きている!」と危険を察知して元の太った自分に急いで戻そうとするのです。

勘の良い方はもうお気づきかもしれませんが、自分を変えるにはこの無意識に気づかれないというのが絶対条件になります。

無意識に気づかれることなく自分を変化させる。
そんな都合の良い方法はあるのか?と疑問に思われるかもしれませんが、ちゃんとあります。

それは少しの変化を積み重ねることです。

ダイエットの例でいうと、いきなりフルマラソンは無意識に気づかれてしまいますが、毎日5分ずつの運動であれば無意識は気づきません。

しかし、長期的に見るとその運動は確実に積み重なっていき、体重を落としていきます。

1週間程度、1日5分の運動を継続したら次の週は10分、その次の週は15分と徐々に5分ずつ運動量を増やしていきます。

この程度の微細な変化であれば無意識は捉えることはできません。

たとえば、体温でも厳密には「今日は36.2度、明日は36.5度・・・」というように微妙に変化しています。

しかし、この程度の変化であれば無意識は「体温は一定だ」と判断を下します。

5分ずつ運動量を1週間毎に増やしていくという方法はこのような無意識の性質を上手く利用したものです。

例にはダイエットを挙げましたが、あらゆることにこの法則は通用します。

もしあなたが何らかの目標があり、そのための行動が継続できないと感じているなら現状維持メカニズムに配慮した行動を積み重ねてみてください。

きっと楽に自分を変化させていくことができるはずです。

というわけで、今回は以上です。

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