うつ病の真実

こんにちは、現役心理士のりょうたです。
今日はうつ病の真実についてお伝えします。

あなたは精神疾患と聞くとどのようなイメージがあるでしょうか?心の病気というのが一般的ではないでしょうか?

たとえば、うつ病患者は100万人以上おり、不安障害も三人に一人という有病率です。うつ病はネガティブ思考や考え方の歪みが原因だと考えられています。また、セロトニンという精神バランスを取るホルモンが減少しているとも考えられています。

そのため、認知行動療法という心理療法でネガティブ思考を改善したり、抗うつ剤で脳内のセロトニン量を増やす治療法が行われています。しかし、不思議なことに心理療法で治らなかったり、抗うつ剤を服用しても改善されないケースも多いです。

もしうつ病の原因がネガティブ思考やセロトニン不足なら誰しもこれらの治療法で改善されるはずですが、現実はそうではありません。実際、健常者からセロトニンを抜き取ってみるという興味深い研究がありますが、多くの人はうつ病にはなりませんでした。

一方、健常者を8週間以上運動させずに過ごさせるという研究では多くの人がうつ病の症状を示しました。また、精神疾患の診断基準であるICD-11ではうつ病の治療法として運動療法が記載されています。これは運動療法が無視するには改善効果があまりに大きすぎたからです。

これらのことを総合するとネガティブ思考やセロトニン不足は確かにうつ病の原因となるものの、そういう人たちが一定の割合いるということにすぎません。ですが身体を動かさない、運動を全くしないというのはほぼ確実にうつ病と関連してくるのです。

うつ病と確実に関連があるのは体内の慢性炎症の度合いです。生活習慣が乱れ、特に体を動かさない人は体内の慢性炎症度が高いことがわかっています。アフリカなどの地域でうつ病患者が圧倒的に少ないのも日々体を動かす生活を送っているからだと考えられます。

僕たち現代人は昔の人たちに比べて圧倒的に体を動かす機会が減少しています。少なくともうつ病の原因は精神面だけではなく、身体面の影響が大きいのです。

研究によると1週間に150分以上の有酸素運動をするとうつ傾向は激減します。服薬をしても心理療法を受けてもうつ病が改善されない人はまずはこの基準を守って1週間に150分以上の有酸素運動を始めてみてください。

運動はウォーキングやランニング、エアロバイクなんでも構いません。取り組みやすいものから始めてみてください。体を整えることで精神に大きな変化が起こるでしょう。

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