2019年3月の記事一覧
「わたしは嬉しい時も、悲しい時もカレーを食べたくなる」
ある夜、旅先で、九十四歳になる田舎のばあちゃんが亡くなったと連絡がくる。年の瀬の出来事だった。小学生のころ、ばあちゃんちの近くの田んぼで見つけた夏の蛍、毎朝、唱えた日蓮宗のお経。じいちゃんの亡くなった日のこと。たくさんのことが笑顔で横たわるばあちゃんの姿から走馬灯のように蘇る。
納骨の儀で墓地へ続く舗装されていない小道を歩くたびに、パンプスのヒールが土に埋もれてしまう。その道を、追い
ある夜、旅先で、九十四歳になる田舎のばあちゃんが亡くなったと連絡がくる。年の瀬の出来事だった。小学生のころ、ばあちゃんちの近くの田んぼで見つけた夏の蛍、毎朝、唱えた日蓮宗のお経。じいちゃんの亡くなった日のこと。たくさんのことが笑顔で横たわるばあちゃんの姿から走馬灯のように蘇る。
納骨の儀で墓地へ続く舗装されていない小道を歩くたびに、パンプスのヒールが土に埋もれてしまう。その道を、追い