リノベーションと断熱
リノベーションするときに、断熱性能についても考えましょう。
断熱性能向上工事をするとどんなメリットがあるのでしょうか?
既存住宅の断熱性能の指標は?
断熱性能が見える化するとわかりやすいですよね。
数値化したものが、UA値です。
UA値とは、外皮平均熱還流率のことです。
室内から外皮(基礎・外壁・屋根・開口部など)を通して外へ逃げる熱量(w/k)を外皮の全体面積で割ったものです。
【UA値 = 熱損失量(w/k)÷ 外皮面積(㎡)】
値が小さいほど、熱が逃げにくく、断熱性能が高いということになります。
既存住宅のUA値はいくつ?
築30~40年前の住宅では、UA値はだいたい1.69程度です。
そのころの窓は、結露もひどく、窓ガラスが1枚の仕様になっている場合が多いです。
なぜか、住宅のメンテナンスをするときに、キッチンなどの設備機器や外装については考えますが、窓サッシや壁断熱などについては、見落としがちです。
断熱性能向上工事をすることによって、新築住宅並みのUA値0.6を目指すことが可能です。
断熱性能が悪い住宅に住んでいるとどんなデメリットがあるのでしょうか?
断熱性能向上工事のメリット
では、断熱性能向上工事をするメリットはなんでしょうか?
①光熱費の節約
熱の出入りは、開口部が一番多いです。
夏は74%の熱が開口部から入り、冬は50%の熱が逃げていきます。
断熱性能向上工事をすると、ガス・電気などの暖房・冷房費用の節約になります。
②CO2削減につながる
ガス・電気などの光熱費を節約するということは、CO2削減になり、脱炭素に協力できます。
③室内の上下の温度差が減る
同じ室内の温度差が減るので、人のいない天井付近だけが温かく、床付近が寒いという現象を軽減できます。快適な室内温度を保てます。
④ヒートショックを防げる
住居全体の断熱性能がよくなるので、一部の場所だけが寒いという現象を軽減します。
急激な温度差によって引き起こされる心臓麻痺などの疾患であるヒートショックで亡くなる人は、交通事故でなくなる人の4倍以上です。入浴中の死亡が約19,000人となっています。
⑤カビをなくして、ぜんそくなどの予防となる
断熱性能が向上すると結露がなくなり、カビ発生の予防となります。
カビで発症したぜんそくなどが減り、クリーンな空気のお部屋になります。
⑥間取りが自由になる
住居全体の断熱性能の向上により、間取りが自由になります。
個室の間仕切りを減らせるため、デッドスペースを居場所に変えられ、同じ床面積でも広々とした感覚を得られます。
今、流行りの回遊動線も可能になります。
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