トレンドは追わずに、産む時代
最近プロダクトづくりのワークショップサービスを始めました。
この取り組みは、IoTNEWSが電通と共に始めたサービスで、「未来のあたりまえをつくる」というタグラインで行っております。
クライアントは、B2Cビジネスの大企業が中心で、ヒット商品を生み出すのが難しいとされる中、デジタル技術に活路を見出そうとされる方も多いというのが背景になります。
このプロジェクト、はじめてみると予想通りのところと、そうでないところがあります。
まず、予想通りだったところは、「打ち出の小槌」が欲しいと思われていることです。なにか、新しいキーワードがでてきて、それを取り込めば画期的なものが生まれるという発想がそうさせるのでしょう。
そして、予想通りでなかったことは、新しいモノを生み出すアプローチが「顧客起点」であったことです。
今の生活者をつぶさに眺めていて、これがあったら一気に生活が変わる、というモノをうみだすのは、もはや無理なのではないかとあきらめております。
というのも、そんなこと、当然のごとく世界中の人がやっているはずだからです。
昨今「イノベーション」というと、現状、シリコンバレーなどで主に生まれた、見たことのないクラウドソリューション群(GoogleやFaceboook, Uberなど)を指すことが多いわけですが、これは、そもそもインターネットというインフラが一人一人にいつでも使える状態に整備されていなかったから、衝撃的な新しさを生み、その普及とともに発展していったといえます。
つまり、これから新しいモノを生み出したいという人は、顧客起点だけでなく、これまでなかった生活者にとってのインフラを生み出さなければならなくなったのだといえます。
通常、新商品開発というと、生活者のトレンド、ライフスタイルの変化などを追いかけていくものですが、これは細分化された欲求への対応となり、ニッチマーケットを取りに行くこととなるのです。
一方で、生活者にとっての「新しいインフラ」を生み出し、その上に全く新しい体験を生み出すことは、新しい欲求の発掘をすることとなります。
例えば、「新しいインフラ」として、宇宙ビジネスに注目して投資する人が最近増えてきたということなどがあげられます。
宇宙ビジネスが「突拍子もないことだ」「自分には関係ない」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際、現実になっているクルマビジネスだって、石油プラントビジネスだって、鉄鋼ビジネスだって、初めは突拍子もないアイデアだったはずです。
着想したアイデアを突拍子もないと捨てないで、自社にとっての宇宙ビジネスに相当することを見つけ、追いかけることが、まったく新しいトレンドを生み出す第一歩となるのです。
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