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「失恋は新しい恋で癒やす」の嘘(シン・時事恋愛)

普段、大学生とよく遊んでいます。

大学時代に所属していたサークルの学生のみなさんと、テニスに麻雀に脱出ゲームにと、なにくれとなく遊んでもらっています。実にありがたいことです。

彼ら・彼女たちと話していると、自然と話は恋の話になります。

(僕が好きなので、そういう話を聞きたがるというフシはありますが。ハラスメントにならないよう気をつけています)

気になる人がいる、デートはしたけど感触が悪い、最近つきあい始めた、最初は普通だったけど今ははぞっこん、などなど。。。

話し方のプロとして、コミュニケーションの専門家として、常々言っているのが「恋愛こそが最も高度なコミュニケーション」ということ。まさに、何十年たっても、聞き飽きることがありません。

3月は環境の変化に伴う別れが多い季節。今回のコラムは「別れ」をテーマにしたものです。

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 みなさん、こんにちは! 働き女子の”恋愛救急外来”を受け付ける「時事恋愛」、今回のテーマは「失恋」です。
 
 「恋と仕事のキャリアカフェ」には、毎日のように失恋で傷ついた女性からの相談が舞い込みます。
 
 「何年もつきあっていた人と、ついこの間別れてしまった」
 
 「私のほうは結婚も意識していたのに、あっけなく振られてしまった」
 
 「久しぶりに心がときめいたから、おつきあいしてみたらとんでもない男だった」etc.・・・
 
 失恋からどうやって立ち直るかについてはさまざまな意見がありますが、よく言われるのが「一番の特効薬は新しい恋を見つけること」というもの。ですが10代のころならいざ知らず、オトナ女子の失恋には、この方法は正直オススメできません。
 
 オトナ女子の恋愛は、学生のころに比べてなにかと複雑で、これからの生き方・働き方や人生設計などと密接に結びついているもの。「色恋」というよりはむしろ「関係性」に近いものでしょう。それだけの大きなものが、突然失われたとして、その代わりがすぐに見つかるとはとうてい思えません。
 
 さらにその喪失感たるや若いころとは比べものになりません。これからどうやって生きていけばいいか、途方に暮れてしまう人もいるはずです。深くて大きな怪我は、当然治るまでに長い長い時間を必要とします。そのリハビリ期間中に無理して新たな恋を求めても、判断力が鈍っていて変な男に引っかかってしまい、「合併症」を引き起こしてしまいがちです。
 
 また、なにかを埋めるように、すがるようにして始める恋は相手に依存する気持ちが通常より強く、これまた危険。そうやって弱っている女子を専門につけ狙うハイエナのような男子も、オトナの世界にはウジャウジャしているので、一層気をつける必要があります。
 
 まずは失恋した自分を責めないこと。自分の受けたダメージを過小評価せず、大けがを負ったことを認めること。
 
 交通事故に遭って入院した友人が、「なんでこんな大事な時期にっ!」と怪我した脚をバンバン叩いたり、「仕事が溜まっててこんなことしてられない」と病院を抜け出そうとしたら、「こらこら」と止めますよね。それと同じです。
 
 じっくりと時間をかけて癒しながら、少し余裕が出てきたら、改めてこれからの人生を考え直すことも大事。
 
 もし相手に依存するような気持ちがあったら少し反省し、自分の足で生きていく覚悟をちょっぴり固め、支えてくれる友達や家族のありがたみをかみしめ、幸運な自分を実感する。
 
 そうやって徐々に、心身共に健康な状態を取り戻し、幸せに笑うことができるようになれば、新しい恋は向こうからわんさかやってくるはずです。
 
 焦らないのはとても難しいこと。でもまずは、怪我をきちんと治す。すべてはそこからです。
 
 みなさんの健闘と幸せを心より祈ってます!!

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3月24日(火)、文章ワークショップ開催! 「物語」の話法を使ってエッセイを書くということに挑戦します。

https://peatix.com/event/1441164/



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