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夜、家に帰ったら、「あれ」のふたが開いていてびっくりした。これはただごとではない。なに…
「お母さん? うん、いま着いた。これから帰るから。え? うまくいったよ。あー、まあ、後…
なぜ男は、自分よりもお金を持っている女が嫌いなんだろう。以前、友達のオカマのユミにそう…
あなたにこうやって手紙を書くのは、初めてですね。緊張もするし、なにをどんな風に書けばい…
婿を買いに行く前の日、私は美容院に行った。 いつも担当してもらうミナさんが休みだっ…
ナオはさっきから30分ばかり、延々と子どもができないことを嘆いている。結婚をしてみたら子…
片桐はリスクというものが大嫌いだった。 危ないこと、よくないことが起きる可能性をことのほか怖れ、自らを「危険恐怖症」と笑うこともしばしばだった。 学生のころから、川のほとりを歩かなかった。一緒にいた友人から理由を問われると真顔で「だって、いつ氾濫するか分からない。危ない」と答えたものだ。 電車も先頭車両には絶対乗らない。万が一衝突事故が起きたときに、危ないからだ。「景色がいい」とか「乗り換えに便利」とかそういったことは、リスクの前にはささいなことだった。
うちの彼女はどうもヤバい。そう思い始めたのは、なにも最近のことではない。 だいたい初…
弁護士の夫が「お前、浮気してるだろう」と言ってきたのは朝食の席だった。 よく晴れた夏…
え? ストーカー? いつから始めたかって? そうだなぁ、彼女にふられてすぐだから、4ヵ…
「で? いい加減決まった?」 ミユキさんから声をかけられて、私は弱りきった顔を鏡に…
だいたい初めてデートに誘ったときだって、ナオコさんは寝てたんだ。 女の人を、しかも好きに…
たくさんたくさん前置きと言い訳を重ねて、傷つけまい傷つけまいとしながら、結局は思いついた…
夜、流しで皿をうまく割ろうと思ったら、それにはやはりコツが必要で、ただやみくもに叩きつけたり、おそるおそる高いところから落っことしても、ステンレスが「べぐん」という衝撃を吸収してしまい、うまく割れない。 だから私はいつも、最初に割れやすいガラスのコップを2つ3つ割って、土台というか地面をつくることにしている。 ビールを買うとついてくるロゴ入りの景品のグラスなんて、割れやすいし破片も大きいので最適だ。そうしておいてから、その上にメインの食器を落としていく。固いガラスの破片と