アゲイン、アンドアゲイン。〜真夏のアンダルシアに行ったら、気温46度の炎天下の中でバスケをやることになって死にかけた話〜〈4〉
西日の差し込むリビング。窓を開けてベランダへ出てみる。20階だての11階のマンションは、近くに建物はなく眺めがいい。
窓を閉めてキッチンのほうへ戻り、改めて部屋全体を眺める。
間取りは2LDK。流しの上の申込書にははんこが押してある。
男は一緒にベランダに出てこず、所在なさそうに立っていた。スキニーのデニムに、フレッドペリーのポロシャツ。
「いよいよだね」と私は声をかけただろうか。男の唇が動く。なんと言っているかよく聞き取れない。「え? 聞こえない」……。
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