VRChatで2つの「壁」を乗り越えようとした話

はじめに

この記事は、mstdn.maud.io Advent Calendar 2022の12月1日の記事ですが、見事に遅刻しました。

今回の記事では、VRChatでツールを使って2つの「壁」を乗り越えようとした話です。

VRChatでの私

VRChatでは、「るいざ・しゃーろっと」として、様々なイベントを開いたりフレンドさんたちといろいろ楽しんだりと活動しています。

実にすごいツールを見つけた

で、ここ最近、画期的なツールを発見し、そのことをブログに書きました。

このツールは音声認識でしゃべっている内容をテキスト化し、さらに翻訳した上でOSCを経由してChatboxに出力するというものです。

しかも、開発したのはれらさんという韓国在住の韓国人高校生(受験生)なのです。

しかも、チェンジログを見ると11月25日(金)から急なペースで開発が進んでおり、本人曰くテスト期間だそうですが、大事な時期なのにがんばっているということに驚きを隠せません。

翻訳で国境やことばの「壁」を越える

このツールの意義は2つあります。これは、れらさんがこのツールを開発した本来の目的なのですが、機械による同時翻訳です。

このツールを使った場合、音声認識の時点でおかしい結果になることもたまにありますが、音声認識と翻訳を使ってだいたい読める内容と思われる文章を表示してくれます。

ブログ記事にも書いたとおり、ソーシャルバグで日本人のフレンドがいると思ったワールドに遊びに行こうと思ったところ、飛び込んでみたのはベラルーシ人やロシア人のフレンドのいるワールドだったということもありました。また、海外の方は仲間内で話していても突然Joinしてくることがあります。そんな際に、会話ができなくてコミュニケーションに「壁」ができてしまうのはあまりにも悲しいことです。私がこのツールを使っておけば、一方通行になりますが「伝える」ことはできたわけです。

もう一つの「壁」も……?

そして、私の方こそ注目しているのが「Chatbox」に表示するという点です。

このツールは「日本語から日本語」など、翻訳ツールを介さずに話した内容をChatboxに表示させることができますが、実は邦画など日本語の音声がついたコンテンツでも日本語による字幕を表示させてほしいという要望があったことを思いだしたのです。

この邦画に字幕を付けてほしいという要望を出したのは、聴覚障がい者の方々でした。日本人がみるのであれば、健聴者に対しては字幕は映画の画面を隠してしまうものですが、耳が聞こえにくかったり、聞こえなかったりする聴覚障害の方にとっては、内容を知る生命線であると言えます。このツールを使うと、日本語でしゃべった言葉に日本語の字幕を付けることによって、聴覚障がい者にも手話以外にコミュニケーションの幅を広げることができるわけです。

新しい遊びも考えてみました

そして、このOSC-SRTCは「遊び」にも使うことができるでしょう。驚くべきは、その対応言語の幅広さです。

これ、VRChat側のマイクを切った状態でこのツールをONにし、認識する言語を日本語以外の言語に設定し、出力する言語を日本語に設定した状態で日本語の言葉をしゃべれば、「さて日本語でなんといったでしょうか?」をあてるゲームができそうです。

このように、可能性の広いツールなのです。

ゆる募)開発者を支援する方法

しかし、このこんなに便利なツールですが、作者さんに支援をする方法が現状見当たらないのです。

作者さんは、韓国在住の韓国人高校生です。ということは、支援サイトで支援を行う際には収益を得る方法が現状ないに等しいということです。

現在、BOOTHで無料配布または100円で有償配布しています。しかし、この100円の収益を韓国人の高校生である作者さんが受け取れる方法が現状ないのです。

BOOTHで作者さんが売上を回収する方法は日本国内の銀行口座かPayPal経由に限られてしまいます。ですが、韓国在住の韓国人ということは日本の銀行口座を作ることができません。そうなると、BOOTHでの収益は必然的にPayPalに絞られてしまいますが、PayPalは未成年の利用を禁じています。なので、韓国在住の韓国人高校生の作者さんが収益を受け取れないのです。同様の理由で、Fanboxを開設することもできません。

高校生ということで経済的な余裕もありません。そして受験生なので時間的な余裕もありません。こんな有用なツールを貴重な時間を削ってくれたれら氏には開発を続けられるように何らかの支援を行いたいと考えていますが、その手段がないことがあまりにも悲しいのです。いち早く、若い開発者を支援できるしくみが整うことを心から祈っております。

みんなで使おう!

そんな夢の多いOSC-SRTCはこちらからダウンロードできます。

皆さんで使って、よりよいVRChatライフを!!

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