お風呂に入れない子供

 こんにちはちゅーるい。いおりです。

 私は小学生時代、お風呂に入れない子供でした。

 親には叱られ、同級生には臭いと言われ、それでも中々お風呂に入れませんでした。

 これは触覚過敏が関係しています。

 現在私はお風呂程度なら平気になっていますが、当時は「水に浸かる」行為そのものが不快感を伴いました。

 全身触覚過敏だったのです。

 濡れた肌が浴槽に触れるだけで絶叫したくなるほどの不快感。加えてお風呂は「体を洗う」「頭を洗う」という地獄がついています。

 シャンプーでぬめぬめの頭に、一番過敏がひどい指先を押しつけてこする。黒板をクラス全員で引っ掻き続けるような気持ち悪さ。耐えろというのが無理な話。

 みんなが当たり前にやっていることが、私にとっては苦痛を伴うものでした。

 当時感覚過敏という言葉を知っていたら、どれほど楽だったかと思います。不快感を訴えても当然伝わることはなく、私は「お風呂嫌いの怠惰な子供」として結構な目に遭いました。

 お風呂に入ってないやつが近くにいるのは同級生も相当嫌だったろうな、と今になって思います。

 けれど、今は当事者じゃないからそう思えるだけ。周りの目とお風呂の不快感に挟まれたあの頃の私には、きっと何を言っても届かないでしょう。

 今日もお風呂に入れない子供がどこかで泣いています。願わくば、周囲の人間に理解がありますように。


 では、また次回。

あなたのサポートで、うちの爬虫類が元気にご飯を食べます。 更新頻度が増えるかも。