23.3.18 第5節 川崎対C大阪
背番号2の存在
先発の田邉くんはこの日がJ1デビュー戦。
つい先日千葉へのレンタルから戻ってきたばかりで、連携面などいろいろ難しい部分もあるだろうなと正直思っていた。しかしそんな思いを一蹴するかのように彼は安定したプレーを見せ、まだ合流して数日とは思えないほどチームに溶け込んでいた。
そしてそんな田邉くんの隣にいたのは、ノボリ。
田邉くんがこの試合ノボリの隣でプレーできたことはすごく大きかったと思う。
ノボリは普段から周囲へのコーチングを積極的に行っている選手。しかしこの日は田邉くんへの声掛けを中心にいつもより意識して周りに指示を与えていた気がする。こういった部分はまさにノボリの強みだと思う。
少し話はそれるけど、ノボリって最高に「フロンターレな選手」だと思う。サッカーにもおふざけにも全力で、本当にピッチ内外で大きな存在なんだろうなって。
以前アキさんがノボリのことを「第2のバンディエラ」と言っていたけど、そうなってほしいと強く思う。
いつも通りの山根
今日も安定の山根。
前から思ってたんだけど、フロンターレの右サイドバックってめちゃくちゃ難しそう。具体的に説明はできないけど、きっと相当やるべきことがあるんだろうなって。
19年のときはいろいろな選手が右サイドバックをやったけど、絶対的な存在になれた選手はいなかったのもそういうことなんだろう。
そして今年フロンターレが「新しいこと」に取り組む中で、さらにこのポジションの仕事は増えているんだけど、それでも山根はいつも通りだった。
個人的に山根って、川崎に来てから「すごく調子悪いな」って思ったことがほとんどない。もちろん本人がそう感じてたときも少なからずあったんだろうけど、基本的にずっと安定してるイメージ。
体も頭もどっと疲れるあのポジションであれだけ安定したパフォーマンスをし続けるのって、簡単なことじゃない。
だからこそW杯メンバーに選ばれたときは本当に嬉しかったし、これからも代表でプレーする姿をたくさん見たい。
「らしさ」全開
31分。
シミッチ→ノボリ→マルシーニョ→橘田→ノボリ→アキさん→ノボリの流れで崩していったシーン。
この間、たった6秒。フロンターレらしさ全開の、細かいパスワークでの崩しだった。
やっぱりこれだよな、って思った。
ああやって少ないタッチでボールをつないで攻め込んでいくサッカー。
状況に合わせていろいろな戦い方をしなければならないこともわかってる。
でもやっぱりフロンターレはパスにこだわり抜いてほしい、なんて思ったりもする。
なぜならそこがフロンターレの好きなところのひとつだから。
フロサポになって5年目。
今でこそ少し慣れたけど、最初あのパスサッカーにはずっと驚かされっぱなしだった。「何でこんなにポンポンパスがつながっていくんだろ」って、試合中びっくりしてばかりいた。
これからも少しでも多く「フロンターレらしいサッカー」を見られたら、って思う。
気持ちの強さ
後半立ち上がり、橘田が奪って新が自分でシュートしたシーン。
アキさんは前に走り込んでボールを受けたがっていて、シュートの後「くれよ!」というポーズをしていた。このシーン、個人的にはすごく好き。
ここからは勝手な想像だけど、新のこの試合にかける思いは相当なものだったと思う。リーグ戦での初スタメン、そして相手は去年あと一歩でゴールを決められなかったセレッソ。きっと燃えていたはず。
結果勝てなかったけど、あの気持ちの強さがいつか絶対チームを勝利に導くときが来るって信じてる。山田新はまだまだこんなもんじゃないってことを、きっと見せてくれる。これから先何度も「シンゴール」でサポーターを沸かせてくれる。
がんばれ、新!
帰ってきたエース
76分。
小林悠が交代でピッチに投入された。
よくサッカーでは、「流れを変えられる選手」という言葉が使われたりする。
そして小林悠は、試合の流れだけでなくスタジアムの流れまで変えられる選手だと思う。
この日もゴールこそなかったけど、本当にキレキレのプレーだった。
さらに小林悠が入った後、等々力の応援のボルテージがグッと上がった。
本当に最高の雰囲気だった。
次の試合は札幌戦。
そう、小林悠があの「フロンターレは死んでない」の名言を残した相手。
きっと、この苦しい流れもエースが断ち切ってくれる。
成長の時
以前、小林悠はブログにこんなことを書いていた。
(以下引用)
僕の好きな言葉で高校の時の恩師の言葉があります。
『うまくいかない時、悩んでいる時が1番成長している時だ』
今、フロンターレは「うまくいかない時、悩んでいる時」だと思う。
でもここを乗り越えたらもっと強いフロンターレが見られると信じてる。
今は、フロンターレが「1番成長している時」。
その成長を、精一杯の応援で後押しし続けたい。