ぱんだ歌劇団「アラジン」VR演劇 第1回公演劇評「clusterによってVR演劇が加速する?」

演劇と相性の良いパーティクル

舞台は魔法を使える世界なので演出としてのパーティクルを使用。
一瞬で宮殿から砂漠へ舞台をきりかえるなどVRの強みを生かしている。
歌の導入としてもパーティクルは有効だ。

VR演技の課題

リアルの演者が指先や視線の表情を生かした繊細な演技と比べてしまうと
やや見劣りするが、フルトラを使用してある程度の大ぶりな演技が可能だ。

アレンジされた歌劇

シナリオに関しては、アラジンの基本的な筋書きをなぞっている。
くわえて観客が感情移入しやすいように近代的な要素、
例えば税金の話題やレッテルなどの表現を工夫している。
コミカルな名脇役としての悪役の配置。
リアルの演劇にも見受けられる客席からの登場演出など見どころも多い。

主催側がプラットフォームとしてclusterを選ぶメリット

clusterはVRMアバターを標準としたプラットフォームなので、
VRoidStudioからアバターをとって出しできる。
さらにVRoidはきせかえのコストが低いのでなにかと衣装持ちな演劇向きと言える。

また、スマホフレンドリーということもあり、
観客側が高価なデバイスを持たなくても気軽にVR演劇を楽しめる。
同時に、リアルを主戦場とした演者もVRに移行しやすいVRSNSと言える。
clusterの仕様上、観客からエモーションをリアルタイムに受け取れるのも励みになるだろう。

舞台装置もワールド作成の際、CCK(Cluster Creator Kitの略。cluster社独自のワールド作成コンテンツ)が導入されている。
クリエイターガイドと呼ばれるワールドで表現したいコンテンツの索引が設けられており、
unityの最低限の知識があれば、舞台であるワールド作りが容易だ。
さらに近年ではワールドクラフトというcluster独自のワールドクリエイト手法により、
unity不要で舞台が作れる手軽さがある。

主催側がプラットフォームとしてclusterを選ぶデメリット

ただし、VRMアバターやCCK主体のワールドには表現の限界があり、
よりリッチな表現を求めてVRChatなどの他のプラットフォームへ観客が流出する恐れもある。
しかし、上記のメリットから
現在リアルで演劇活動をメインとした演劇団体が
VRへコンテンツ展開をしたい場合はclusterが狙い目だと言えよう。

まとめ

座長ききょうぱんだ氏が自らの公演を、
おゆうぎ会=観客に成長を見せる会として説明していたが、
ぱんだ歌劇団がclusterとともに成長する姿を追っていきたい。

いおだいお

https://www.youtube.com/watch?v=kMnZs3x7Nw4&t=16s

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