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八尺様向けキーボードを開発しよう!

はじめに

皆さんは「八尺様」を知っていますか?

八尺様とはインターネットを中心に語り継がれる怪異の名前です。

初出は2ちゃんねるのオカルト板で紹介された怪談で、のちに漫画家やイラストレーターによる二次創作で広く知られるようになりました。

八尺様

八尺様の特徴は作品によって多少の差異がありますが、一般的に知られている特徴としては以下のようなものが挙げられます。

さて、これらの特徴を見て皆さん気になった部分があるでしょう。わかります。私も気になりました。

おそらく八尺様の話を聞いた人全員が1番最初に気になる部分だと思います。

ズバリ言っちゃいますね。

気になりますよね!

「ぽぽぽぽぽ」としか声を発しない八尺様。きっとキーボード入力するときは「P」と「O」しか打たないはずです。

しかし、一般的なキーボードは「P」と「O」以外にもたくさんのキーがあってあまりにもオーバースペック。

過ぎたるは及ばざるが如し。これでは八尺様には不便で仕方ないことでしょう。

そこで本記事では、「ぽぽぽ」としか打たない八尺様にも使いやすいミニマムなキーボードを作ってみようと思います。

キーボードを作ろう!

早速キーボード制作に取り掛かろうと思います。

まず材料を用意します。
はいドン!

金属・石油・その他

これらの材料をミキサーでよく混ぜて型に流し込み、250度に熱したオーブンで30分焼きます。焼き上がったら粗熱をとって冷蔵庫で二時間冷やし、型から外してキーボードの完成です。

出来上がったものがこちら。

キーボード完成!
こんがりきれいに焼けてます

名前もつけちゃいましょう。

「PO-8」

スターウォーズに出てきそうな名前ですね。

ローマ字がわからない八尺様もいるかもしれないので、かな入力用に「ほ」と「゜」のキーも搭載しました。

ではモノも出来たので、次は製品試験に取り掛かろうと思います。

モニターテスト

新製品を作った時、まずやるべきことはモニターテストです。
八尺様向けに作ったので、そのテストはやはり八尺様にしてもらうべきでしょう。

ということで、モニターテストをしていただくべく、数少ない友人のツテを辿って八尺様を我が家にお呼びしました。

ドアをくぐる八尺様

やはり実物は独特の迫力があります。

モニターテストは以下の写真のようなセットアップで行いました。

窮屈そうに椅子に座る八尺様(ご本人の希望で顔にモザイク処理を施しています)

本テストでは、全国の八尺様が利用している「八尺.com」という掲示板サイトを利用します。

「ぽ」のゲシュタルト崩壊を起こしそうな
八尺.comの画面

この掲示板で従来のキーボードと私が提案した新型キーボードをそれぞれ使って他の八尺様とレスバしていただき、その勝敗を見て製品の優劣を見極めようと思います。

無駄を極限まで削ったキーボードPO-8なら、他のキーボードと比べて素早い返答が可能で絶対レスバに勝てるはずです。

それではテスト開始。まずは普通のキーボードから

議題は「取り憑くなら男の子か女の子か」
八尺様は男の子サイドで議論を進めました。

普通のキーボードを打つ八尺様

序盤はやや優勢に見えた八尺様でしたが、キーボードのキーの多さゆえか、レスバ中に「P」キーの場所を見失ってしまい、レスを返せなくなってしまいました。

「P」を探しているうちにも相手のレスはどんどん積み重なっていきます。
結局「P」が見つかった頃には時すでに遅し。相手は勝利宣言をして、八尺様はその勢いに圧倒されちょっぴり涙ぐんでしまいました。八尺様の完敗です。

八尺様が泣き止むのを待ち、今度は八尺様専用キーボードPO-8を使ってレスバをしてもらいました。

議題は「取り憑くなら何歳くらいの子か」です。
八尺様は8歳と主張しています。

専用キーボードを打つ八尺様

速い!

目にも止まらぬ早さで八尺様の指がキーボード上を滑ります。

序盤中盤終盤、一部の隙もなく「ぽ」を連打しまくった八尺様は見事レスバに勝利。

右手を天高く掲げてガッツポーズを決めました。

ガッツポーズをする八尺様

結論

テストの結果、八尺様専用キーボードPO-8の方が従来のキーの多いキーボードよりも使いやすいということが証明されました。
今後はPO-8の量産体制を整え、大量生産して全国の八尺様に売り込んでいこうと思います。

今回製作した試作品のキーボードはテストに参加してくれた八尺様に謝礼と一緒にプレゼントしました。
彼女は大変嬉しかったらしく、その場でぴょんぴょんと跳ねて私の住むアパートの床をぶち抜きました。
気に入っていただけたようで何よりです。

最後におまけ

八尺様向けに作ったPO-8ですが、実は開発途中でとある別の人物にも使えることが判明しました。

懐かしきギロッポンの響き

次はこの人物に向けても販売してみようと思います。



この記事はオモコロ杯2022で銅賞をいただきました。

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