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水道橋博士と元オウム上祐氏の対談動画が実に興味深い

筆者はかねてから水道橋博士の著書・動画をチェックしていますが、今回紹介する動画はかなり高カロリーです。なにせ、対談相手が90年代の日本を震撼させたあのオウムの上祐史浩氏なのですから。一般的にはちょっとコワい動画なんですが、なかなか含蓄に富む内容です。少しでも興味があれば観てみることをおすすめします。

動画は博士の独壇場かと思いきや、さすが「ああ言えば上祐」。上祐さんの話術が本当に上手で、思わず引き込まれます(引き込まれたらダメなんですが)。この2人、つまりビートたけしという"教祖"を追って入信した博士と、麻原を追って入信した上祐氏には、実は同じような共通点があるようで…。

時は80年代。世の中がバブルに向かっていく時代に、その波に乗れずに葛藤に苦しんだ若者たちがいました。水道橋博士もその1人だったそう。そのような若者たちの居場所の受け皿になったのが、たけし軍団なりオウム真理教だったというのです。「何者にもなれない」人々が輝ける組織が、そういう集団だったのでしょう。なお、たけし軍団もフライデー事件を起こし、オウム真理教も凄惨な事件を起こしますが、主君のためなら暴力も厭わないという点も、この2つの集団の似ている点だと話しています。

共通点を巡る話はそこで終わりますが、個人的には新卒でベンチャー企業に行った人の中にも、同じような感情を持っている者もいるかもしれないと感じました。ベンチャーがある意味、何者かになりたい人の受け皿になっているわけですね。そういう人は、20代のうちは結構大きな仕事を任されて、自己承認欲求が満たされている。しかし、気が付けば大手企業に行った同級生との収入格差が開いていた…。そんな話をよく耳にします。そして仕方なく同じベンチャー社員同士で固まって交友していく…。ベンチャーには社内表彰制度のようなものがありますが、あれも一種の宗教のようなものに見えなくもなく。

もちろんベンチャーにいる方のほとんどは、全力で働いて結果を出している人だとは思いますが、なかにはそういう人もいるような気がしてなりません。上祐氏の話の数百倍コワい話です。

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動画では、上で触れた内容以外にも興味深い点がいくつもありました。芸能界随一のルポライターである水道橋博士と、おしゃべりの達人・上祐氏の対談を、じっくりと堪能しましょう。

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