MUP LIVE ~マーケティングデザイン~
もし皆さんが
「もっとお客様が欲しい!」
と思っていても、なかなか来ませんよね。
コロナウイルスの影響もあって、集客はさらに難しくなっていきます。
人を呼びたいしモノも売りたいけど、なかなかそれができない。
じゃあ、どうしたらいいんでしょうか?
現在では、実店舗、AmazonなどのECサイト、メルカリなど、モノの購入手段が多岐にわたる中で、何のマーケティングをやったらいいのかという話です。
いちいちすべてに対応しないと集客が上がらないんでしょうか?
それは違います。
本質的な部分を見る力があれば大丈夫なんです。
ジャム理論
例えば、ジャムのお店を皆さんがやっているとしましょう。
ジャムを売上を上げるためにはどうしたらいいか、ちょっと考えてみてください。
品質を上げる?
品ぞろえをよくする?
などを考える方が多いと思います。
しかし、これらはカスタマーアクション(顧客の行動)を見ると間違っているんです。
ジャム理論と呼ばれる法則があります。
お店にジャムを24種類並べたところ、購入率は3%でした。
ジャムを6種類に減らしてみたところ、購入率は30%になりました。
ジャムの種類を4分の1にすると、購入率が10倍になったのです。
これはなぜかというと、顧客は多すぎる選択肢を提示されると、ストレスを感じ、いくらそのジャムが良いものでも、ジャムを楽しむ前に終わってしまうのです。
これはカスタマーアクションをしっかり観察することで見えてきます。
商品の特徴を知ってもらい購買につなげるには、広げるのではなく、深めることが大切です。
カスタマーアクションを見る
・カスタマーとは?
皆さんがジャム屋さんなら、顧客は「朝食にパンを食べる人」ですよね。
多くの人は、お店に来るこの人たちしか見ません。
カスタマーの中には、顧客だけでなく、非顧客も含まれることを知らないのです。
非顧客とは、この場合、朝食にパン以外を食べる人のことを指します。
そもそも朝食を食べないという人はこの場合断固たる非顧客といい、カスタマーから除外されます。
キーポイントは非顧客への施策
ほとんどの人は、顧客層への施策しか考えません。
だから、ジャムの品ぞろえを増やしてしまうのです。
非顧客層にリーチをするには、新しいアイデアを出すことが必要になってきます。
例えば、「ごはん用ジャム」、「お弁当用ジャム」なんてあったら、ちょっとは気になりますよね。
顧客層にしかリーチしないのと、新しいアイデアで非顧客層にリーチしていくのとでは、見えてくる世界が断然違ってきます。
皆さんが自分のお店の売り上げを上げたいというときに、他社や業界常識を一回頭からとり、ただ1度だけ顧客に目を向け、顧客体験をすることが大切です。
あるアメリカの大手ドラッグチェーンは、業績悪化に悩まされていました。
そこで社長は役員を集め、売り上げが上がらないのは、どうしてだと思うかたずねました。
すると役員は他社より品ぞろえが悪いのではないかといいました。
社長は、役員の中の1人を指名して、明日休日をとって、インフルエンザになったと仮定して、薬を買いに行き、ほかの役員には、同行するように命じました。
次の日、指名された役員は朝起きて、30分かけて病院に行き、3時間待って診察を受け、1時間待って診断書をもらい、診断書を持って30分かけてドラッグストアに行きました。
結局薬を手に入れるのに5時間かかりました。
その次の日、再び社長は役員に同じ質問をしました。
すると役員は全員が口をそろえて
「薬を手に入れるまでに時間がかかりすぎだ」
と答えました。
カスタマーアクションを見る前までは、業績悪化の理由が、他社に比べて品ぞろえが劣っているからだと言って、他社を意識したり、業界常識にとらわれていたのに対して、
カスタマーアクションに目を向けてみたとたんに、時間がかかりすぎなのが原因だと気づけたのです。
「じゃあ、この時間を短縮するにはどうしたらいいか?」
「医者をドラッグストアに置くことはできないから、処方箋を出すことができる上級看護師をおこう!」
こうして時間を3分の1まで短縮することができ、業績が回復しました。
この例でポイントとなるところは、すでにお店に来ていた顧客ではなく、今まで薬を買いに来なかった非顧客がなぜ買わないのかを、カスタマーアクションを見ることで特定し、施策を打ったということです。
マーケティングデザイン
既存概念が頭にあると、業界風習や既存顧客にとらわれ、新たな施策を打てなくなってしまいます。
なので、既存概念を破壊して新しいものを定義しましょう。
そうです。デザインです。
既存概念では「どうやったらもっと商品が売れるのか」「もっとサービスを使ってもらいたい」など、商品を中心にして物事を考える思考法でしたが、これを破壊して再定義しましょう。
人々の行動を中心に物事を考えましょう。
例えば、映画館での売り物は映画ですよね。ですが、映画館に本当に映画が見たくて行く人は実はあまり多くないんです。
映画館はデートを楽しむための場所になってきています。
突然ですが、
衰退している映画産業を立て直してくださいと言われたら、皆さんならどうしますか?
マーケティングデザインが分かればこれができてしまいます。
話題を変えて、日本酒市場を見てみましょう。
日本酒市場も、縮小傾向にあります。
この主な原因は食の欧米化で、ワインが多く嗜まれるようになったことです。
どうやって日本酒市場を復活させますか?
こう聞かれたときに、ほとんどの人はこう答えます。
・ラベルを変えて若い層にもターゲットしよう
・PRを強めよう
・値段を安くしよう
このように、物自体に改善をもたらそうとする思考を持っていては、日本酒市場が拡大することにはつながりません。
モノ思考を破壊して再定義しましょう。
ワインは洋食にあう、日本酒は和食にあうという思考を破壊し、
ワイン市場と日本酒市場を、
さっぱりした料理に合う酒市場、こってりした料理にあう酒市場
と再定義しましょう。
お酒を飲むために人はレストランに行くのではありません。
料理に1番合うお酒を人は頼みます。
だったら、メニューの表記を
このように変えてしまえばよいのです。
洋食を食べるならワイン、和食なら日本酒を飲むという、狭まった選択肢を破壊し、
日本酒、ワインのどちらも選べるようにしてあげるのが肝です。
ここでジャムに戻ります。
モノ思考ではなく行動思考でジャムの売り上げを上げる施策を考えたとき、
ジャムと一緒に何を売ればいいでしょうか。
モノ思考で考えると、ジャムとセットになるのはパンになります。
行動思考で考えましょう。
ジャムを必要とする人の行動は、食事ですよね。それも、朝が多いです。
すると、ジャムと一緒に売るべきなのは、朝食となります。
ジャムを売るために、ジャム屋ではなく、朝食屋という事業の展開もできるわけです。
これを、どうやって自分の事業に落とし込んでいくんでしょうか?
ここで使うのが、VOTというフレームワークです。
Value :自社の提供している価値は何か?
Obstacle :その価値を何が下げているのか
True-Reason :下げているものを選ぶ真実の理由
例えば、さがっているデジタルカメラの売り上げを回復させたいとしましょう。
Value :📷
Obstacle :スマートフォン(スマホのカメラの性能が上がったから?)
True-Reason :自撮りなどによる内カメラ需要の増加
このように、本当の理由は、スマホのカメラ性能の向上ではなく、自撮りのために内カメラが必要であるということでしたね。
つまり、自撮り市場に対して施策を行えばよいのです。
既存価値と代替価値を戦わせてしまうと価格競争に巻き込まれ、利益率が低下してしまいます。
先ほどの映画館の話をVOTに当てはめて考えてみましょう。
Value :映画の上映
Obstacle :ネットフリックスなどへの視聴者シフト・短編動画の普及
True-Reason :移動時間に見られる・リラックスして見られる・短編動画への慣れ
既存価値である映画館が、代替価値である映画館と戦おうとすると
短編製作・新作映画増加などの施策することになり、利益率が低下します。
では、True-Reasonの中のリラックスの市場を狙ってみましょう。
そうすると、
エステサロン・ラブホテル・ふかふかベッド・においや清潔感
・カフェラテ・温泉サウナ
など、様々な施策が思い浮かびます。
そうすれば、単価を上げることができ、利益率が増加します。
まとめ
・自分の顧客への概念、商品価値破壊
・物事の創造と破壊をデザインという
・今の時代は、モノ競争思考は無意味
・VOTフレームワークで価値の創造
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