2023/2/4 週間マーケットレポート

週間の値動きと概況

アメリカ長期金利(10年):3.526%
アメリカ10年BEI:2.22%
実質金利:1.306%

ニューヨーク市場は前週比でまちまちでした。FOMCでは0.25%利上げが決定されました。また、ECB理事会では0.5%利上げが決定され、3月にも0.5%追加利上げの方針が示されました。アメリカ雇用統計は非常に強く、非農業部門就業者数は前月比51.7万人(予想 18.5万人)の大幅増加、失業率は3.4%(予想 3.6%)に低下しました。

原油価格が下落し、エネルギーセクターが下げています。また、NASDAQが上昇し、コミュニケーションとテクノロジーセクターが堅調でした。

(考察・感想)
FOMC、ECB理事会、ハイテク大手決算、アメリカ雇用統計とイベントの多い一週間でした。市場は期待感を膨らませ、多少の悪材料も楽観的にとらえていたと思います。しかし、想定より大幅に堅調な雇用統計は金融引き締めの継続を想起させ、さすがに楽観的にとらえられなかったようです。堅調な雇用はインフレの低下を鈍らせ、FRBに景気抑制的な姿勢を維持させることになりそうです。

1月FOMCの結果について

1月FOMCでは0.25%利上げが全会一致で決定されました。パウエル議長の会見要旨は以下となります。

・十分に制約的なスタンスとなるために、継続的な利上げが適切
・あと2回ほどの利上げを検討している
・予測通りの経済動向であれば、2023年中の利下げは想定していない
・ディスインフレ(インフレ鈍化)のプロセスが始まった
・深刻な景気後退を起こさずにインフレ率を2%に安定的に戻すことは可能
・多くの指標から見て、労働市場は依然として非常に強い

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN010LJ0R00C23A2000000/
https://jp.reuters.com/article/powel-idJPKBN2UB474

(考察・感想)
インフレが鈍化し始め、利上げ停止までの道筋が見えてきました。市場は楽観的になっていて、「ディスインフレが始まっている」などの発言を好感したようです。しかし、市場の期待通りにインフレが低下し、今年後半に利下げが行われるかどうかは不透明だと思います。3月のFOMCや、年後半に向けてインフレがどこで下げ止まるかに注目していきたいと思います。

来週のポイントと見通し

1.金利動向
アメリカ長期金利(10年)の推移に注目です。以下は日足チャートです。

2.決算発表
主要企業の決算発表予定は以下となります。
2/7(火)デュポン
2/8(水)CVS Health Disney
2/9(木)Paypal

3.ウクライナ情勢とエネルギー関連の制裁
戦況は膠着しています。ドネツク州バフムート周辺で少しずつウクライナ軍が押されている中、欧米からの戦車の供与が決定されました。

見通し
短期では、インフレ指標や利上げペースが株価を左右する状況が続きそうだと思います。エネルギー関連の制裁が強化されたり、景気後退が市場の想定より大きかったりすると、株価の下落リスクがあるかもしれません。インフレのピークアウトとともに、ドル高の巻き戻しがありそうです。

長期では、利上げと景気後退への懸念があるため、安全なポートフォリオとしています。また投資比率を上げれる状況になるか様子を見ていこうと思います。

先進国インデックス 20%
現金(円・ドル)80%

来週の主な予定

2/7(火)オーストラリア中銀政策金利発表

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