2022/12/24 週間マーケットレポート

週間の値動きと概況

アメリカ長期金利(10年):3.751%
アメリカ10年BEI:2.20%
実質金利:1.551%

ニューヨーク市場は前週比でまちまちでした。日銀は長期金利(10年)の変動許容幅を上下0.5%程度に拡大する実質的な利上げを行いました。7-9月のアメリカGDP確定値は前期比年率3.2%増と、改定値の2.9%増から上方修正されました。アメリカ個人消費支出(PCE)価格指数の伸びは鈍化し、インフレのピークアウトが示唆されました

セクターもまちまちでした。エネルギーセクタが上昇し、一般消費財・テクノロジーセクターは下落しています。

(考察・感想)
日銀の実質利上げが突然の発表になった理由は、「点検を口にした途端それからの数ヶ月間、将来の修正を見据えた売りに"無限に"耐えなければならない」(Shenさんブログ)「事前に利上げ観測が広がってしまうとオペに売りが殺到してしまい却って混乱を招いてしまうという事情がある」(藤代さんレポート)などの解説に詳しく書いてあります。日本経済の状況を考えるとさらなる金融引締めは難しそうなので、債券価格の下値は限られていそうだと思います。

今年のS&P500の推移

今年のS&P500の値動きは年始から軟調でした。現時点で年初来-19.33%とここ数十年の中でもかなり低いリターンとなっています。30年ほどの値動きを確認すると、2008年の金融危機以来の下げ幅となりました。

https://www.macrotrends.net/2526/sp-500-historical-annual-returns

ただし、S&P500を円ベースで見ると横ばいに近い動き(下記グラフの黄色線)となりました。円ベースでは円安の効果が株価の下落を相殺しています。

(考察・感想)
インフレ・金融引締め・ウクライナ侵攻・経済減速懸念などがあいまって、今年は難しい相場だったと思います。来年のポイントも引き続きインフレの落ち着きと各国中央銀行の動向となりそうです。一時的に経済は減速するかもしれませんが、長い目で見ると経済は成長し、株価は上昇していくものなので、来年以降のパフォーマンスを楽しみにしていきたいと思います。

来週のポイントと見通し

1.金利動向
アメリカ長期金利(10年)の推移に注目です。以下は日足チャートです。

2.ウクライナ情勢とエネルギー関連の制裁
戦況は膠着しています。ウクライナ東部ハリコフ方面や、ドネツク州バフムート周辺で戦闘が続いています。

見通し
短期では、インフレ指標や利上げペースが株価を左右する状況が続きそうだと思います。エネルギー関連の制裁が強化されたり、景気後退が想定より大きかったりすると、株価の下落リスクがあるかもしれません。インフレのピークアウトとともに、ドル高の巻き戻しがありそうです。

長期では、アメリカのインフレにピークアウトが見られ、利上げペースの緩和とともに株価が上がっていく可能性が出てきたように思います。先進国インデックスで60%の投資比率としています。

先進国インデックス 60%
現金・国内債券 40%

来週の主な予定

12/26(月)ニューヨーク市場休場


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