2023/3/11 週間マーケットレポート
週間の値動きと概況
アメリカ長期金利(10年):3.703%
アメリカ10年BEI:2.26%
実質金利:1.443%
ニューヨーク市場は前週比で大幅に下落しています。パウエル議長が「データ次第で利上げのペースを加速させる用意がある」と述べた影響で株価が下落しました。また、週末の強弱入り混じった内容の雇用統計を受けて長期金利は低下、SVBの破綻の影響も加わってさらに株価が下落しています。
セクター別でもおおむね大きく下落しています。
(考察・感想)
パウエル議長発言で下がったところに週末の下げが加わり、週間では大幅安となりました。雇用統計の内容を受けて長期金利が大幅に低下し、景気後退への懸念が広がったと思います。SVBの破綻については資産内容も良くなかったようで、詳しくは以下一連のツイートを参照ください。
3月FOMCについて
3月21~22日の日程でFOMCが開催されます。利上げについてFOMCメンバーは以下のように発言しています。
パウエル議長「利上げ幅については議論が続いており、今後入手される指標次第」
ボスティック総裁「当面は0.25%の緩やかな利上げ」
バーキン総裁「より慎重に行動する論拠がある」
コリンズ総裁「インフレ抑制に向け一段の利上げが必要」
メスター総裁「0.25ポイントよりも0.5ポイントを支持する可能性を排除しない」
FedWatch Toolによると、現在の市場予想では0.25%利上げされる確率が60%、0.50%利上げされる確率が40%となっています。また、今回のFOMCではドットチャートが発表されます。前回12月FOMCでのドットチャートはこちらです。
(考察・感想)
利上げに幅についてのFOMCメンバーの発言はまちまちです。今週のパウエル議長の発言によって0.5%利上げの織り込みが進みましたが、雇用統計で0.25%利上げの確率が優勢になるなど、決め手を欠いていると思います。データ次第ということで、来週発表されるCPIの結果が注目されます。また、景気減速が懸念される中、FOMCで発表される失業率・GDP予想の変化も見ておきたいと思います。
来週のポイントと見通し
1.金利動向
アメリカ長期金利(10年)の推移に注目です。以下は日足チャートです。
2.指標
アメリカでCPI、PPI、小売売上高が発表されます。
見通し
短期では、インフレ指標や利上げペースが株価を左右する状況が続きそうだと思います。景気後退が市場の想定より大きかったりすると、株価の下落リスクがあるかもしれません。インフレのピークアウトとともに、ドル高の巻き戻しがありそうです。
長期では、利上げと景気後退への懸念があるため、安全なポートフォリオとしています。また投資比率を上げれる状況になるか様子を見ていこうと思います。
来週の主な予定
3/14(火)アメリカ消費者物価指数(CPI)
3/15(水)アメリカ小売売上高、生産者物価指数(PPI)
3/16(木)ECB理事会
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