2023/2/25 週間マーケットレポート
週間の値動きと概況
アメリカ長期金利(10年):3.947%
アメリカ10年BEI:2.38%
実質金利:1.567%
ニューヨーク市場は前週比で下落しています。FOMC議事要旨からは、数人の参加者から0.5%利上げを支持する意見が出たことがわかりました。ECBラガルド総裁は、次回ECB理事会で0.5%利上げを実施する意向をあらためて示しました。また、アメリカPCEデフレーターは予想を上回り、インフレ低下速度の鈍化を示しています。
エネルギー・素材セクター以外は大きく下落しています。
(考察・感想)
インフレ低下速度の鈍化が明確になってきたところで、年初から好調だった株価が下落に転じました。FRBとECBが引締め継続について前向きな姿勢を示していて、年内の利下げ予想の織り込みも剥落してきていると思います。直近では株価の上値は抑えられそうです。
決算とS&P500 PERの動き
S&P500企業の決算は2月24日時点で以下のようになりました。
S&P500 forward EPS(黒線)は2022年後半から下降傾向です。
また、S&P500 forward PERの推移は以下のようになっています。2022年に株価下落とともにPERが低下し、2023年の年始からやや戻しています。
(考察・感想)
EPSや売上が予想を上回った企業が直近4四半期平均より少なく、forward EPSも低下傾向でぱっとしない決算でした。forward PERは昨年の株価下落で10年平均に回帰し、通常の水準に近い位置にあります。インフレ低下速度の鈍化が鮮明になり、引締め継続という環境で大きくEPSやPERが伸びることはなさそうです。良くて横ばいといった相場が続きそうですが、引き続き市場を見ていければと思います。
来週のポイントと見通し
1.金利動向
アメリカ長期金利(10年)の推移に注目です。以下は日足チャートです。
2.決算発表
主要企業の決算発表予定は以下となります。
3/1(水)Salesforce
3/2(木)Costco
3.ウクライナ情勢とエネルギー関連の制裁
戦況は膠着しています。ドネツク州バフムート周辺で少しずつウクライナ軍が押されています。
見通し
短期では、インフレ指標や利上げペースが株価を左右する状況が続きそうだと思います。エネルギー関連の制裁が強化されたり、景気後退が市場の想定より大きかったりすると、株価の下落リスクがあるかもしれません。インフレのピークアウトとともに、ドル高の巻き戻しがありそうです。
長期では、利上げと景気後退への懸念があるため、安全なポートフォリオとしています。また投資比率を上げれる状況になるか様子を見ていこうと思います。
来週の主な予定
3/2(木)アメリカISM製造業景況指数
3/3(金)アメリカISM非製造業景況指数
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?