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【テクニカル指標検証】ゴールデンクロス・デッドクロス編

・テクニカル分析に用いられる指標は様々なものがあり、その指標によってこのタイミング(シグナル)で買い注文、売り注文といった定石のようなものは一般化されており、そのようなテクニカル指標を用いたトレードの方法に関する解説しているサイトや記事、動画教材はたくさん散見されます。しかしそのようなテクニカル指標の定石は本当に相場を分析するのに意味があるものなのでしょうか少なくとも私はその根拠となる検証データを共に公開しているものを見たことがありません。私は何かを前提に論理を展開する際は、その根拠を提示するまでもなく周知の場合を除きその前提となる根拠を示すべきだと考えます。そのような中でテクニカル指標を用いたトレード方法が一般化されていることに疑問を感じます。
・このような疑問を払拭するためテクニカル指標について検証を行うことにしました。また、この記事で検証を行う指標はゴールデンクロス・デッドクロス(※1)とします。

※1 ゴールデンクロス・デッドクロスとは
・ゴールデンクロス・デッドクロスはテクニカル分析で用いられる順張り系(トレンドフォロー系)のテクニカル指標です。
・ゴールデンクロスとは短期移動平均線が中・長期移動平均線を上抜けした際のことを言い、一般的に「買いシグナル」とされています。
・デッドクロスとは短期移動平均線が中・長期移動平均線を下抜けした際のことを言い、一般的に「売りシグナル」とされています。

どのようにして検証を行うか


テクニカル指標の検証にはバックテストを用います(※2)。
・バックテストの方法には過去のチャートと照らし合わせて手動で検証を行うかプログラムを作成して自動で検証を行うかの2種類の方法が考えられるかと思います。
手動で検証を行う方法は速度と正確性の点からテクニカル指標の検証には適していないと思います。速度については手動で行った場合は1度の検証に多くの時間要するため大量の試行回数を試すことが現実的ではありません、試行回数が少ない検証データではトレードの優位性を示す根拠としての信頼度が低いのは明らかでしょう。また正確性については人はミスを犯す生き物ですあるのに対してプログラムを用いて自動で検証を行う方法は正確に大量のデータに対して検証を行うことができます。以上のことからプログラムを用いて自動で検証を行うことにしました。
・また、バックテストを行うツールとしてはMetaTrader5を用いて検証を行いました。

※2
・本来バックテストのみではテクニカル指標のトレードの優位性を証明することはできません。バックテストは過去のデータに対する優位性を示すだけであり、未来のデータ(フォワードデータ)に対しても優位性があることを示していないためです。
・過去のデータに対する優位性を示した検証データは完全な偶然(ランダム)により起きているものではない、かつその必然性の部分は未来にも同様に続くものであるという証明が必要です。
・この記事では私の時間の都合で未来のデータ(フォワードデータ)については一旦考えないこととしました。

検証条件


■ 検証データ
・USDJPY,GBPUSD

■ 時間軸
・1M,1H,4H,1D

■ 検証期間
・2014年1 月1日〜2022年1月1日

■ 売買ロジック
短期単純移動平均線(20SMA)が長期単純移動平均線(50SMA)を上に抜ければ買い。短期移動平均線が長期移動平均線を下に抜ければ売り

Strategy Tester Visualization

・上記のチャートは作成したEAでバックテストを行った際の取引を可視化したものです。
上矢印(青色)は買い注文を行なったことを示し、下矢印(赤色)は売り注文を行なったことを示します。
・上記の図より短期移動平均線が長期移動平均線を上抜きした時には買い注文短期移動平均線が長期移動平均線を下抜きした時には売り注文が行われていることを確認できます
今回のEAのプログラムはこちらの書籍を参考に作成したので今回の記事でプログラムの中身を公開することはできません。プログラムの中身を知りたい場合はこちらの書籍のリンクよりご購入ください🙇‍♂️。

■ MT5設定値
設定値は下記の設定の画像の通りで銘柄と時間軸だけを検証毎に変化させます(銘柄と時間軸以外の数値は変えない)。

設定

パラメータは下記の値で固定とします。
・売買ロット数:0.1(10000通貨)
・短期移動平均の期間:20
・長期移動平均の期間:50

パラメータ

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