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米債券ETFを買う理由と運用方法

私は現状、以下を基本的な運用スタイルとしています

日本株:大型安定株によるセクタローテ、リート運用、信用株スイング
米株:米高配当ETFによるインカム投資、下落耐性の指数投資

しかしこのスタイルを
ずっと継続しているのではなく
求めているものと相場にあわせて
日米の比率やスタイルを
変化させて運用しています
そしてこれを記載している
2022年12月のこの時期より
今後、米国債券ETFを
買い付けする事としました。

『なぜ今なのか?』
『なぜ米債券ETFなのか?』

ご参考までに🙏

理由の説明する際にどうしても
債券とはという
基本部分が必要となり
長くなりますので
結論を先に記載しますが
日本証券側で、米株債券ETFの購入はしません
米株証券側で、売買益や米株高配当ETFのインカムによって
BLVまたはVCLTを買い付けていく
という運用方針が結論となります。

『なぜ今なのか?』

この理由についてですが、
私の中では米債券ETFは株式を運用する上では
常に買い付け候補には上がっています
その目的はポートフォリオの分散
つまり株運用のヘッジ的な役割ですが
そうなってくると、
『なぜ債券ではなく株なのか?』
というところになりますが
それは長期に渡っての
リターンが答えとなります
以下は200年程度のリターン指数ですが
株は長期になれば債券と比較した場合
リターンはとても大きなものとなります
また自身が相場にあわせて
コントロールする事で
パフォーマンスを求めることができる
投資の醍醐味もあると個人的に思っています

ではなぜ今から米債券ETFを買っていくのか?
という事ですが
まず日本国債を買わない理由は
米国債と比較して利回りが低すぎる為です
これは日米10年債利回りです

米10年債利回り
日本10年債利回り

現状(2022/12/05)時点で、
米10年債利回りは、3.526
日本10年債利回りは、0.261
となっており日本国債は投資対象としては
厳しいものがありますし
また格付け会社にもよりますが
米の方がAA+と日本のA+と上となっていますので
米国債の方が投資対象として上とみていますし
また米株のヘッジということを考えた時
短期的には逆相関となる米債券を
選択しています

そして今である理由は、2点です
1.米の高インフレ抑制による金利上昇で、
債券価格が異例の水準まで暴落しているから

2.高インフレと金利上昇局面が落ち着き
横這いとなってきたから

まず一点目ですが
米債券ETFの中でも
長期「米国債20年以上」のTLTを
みてもらうとわかりますが
2014年以来の水準まで暴落しています

TLT

また米国債1~3年の比較的安定と
いわれる短期の米債券ETF:SHYであっても
2007年以来の水準まで下落しています

SHY

つまり債券市場は現状、大暴落相場となっており
これは買い時がいつか?という場面でもあります

それが2つ目となりますが
現状、米は日々の指標により
高インフレ状態は継続中ではあるものの
FRBによる金利上昇ペースは
鈍化する方向とようやくなってきました
0.75ずつ段階的に上げてきた局面から
0.5ずつとなってきた為です
当然にまだ先のことはわからず
あくまで上げるペースが鈍化してきただけで
金利下落となる時期ではありません
しかしながらこれ以上極端な金利上昇も
経済に相当な痛みを伴う為
個人的には、金利上昇ペースは
ある程度のピークアウトに来ているとみています
それはつまり、債券価格の下落のピークアウトでもあり
まだ若干の下げ幅はありつつも
少しずつ買い付けるには最適だなと判断しました

逆に今まで買い付けしてこなかったのは
債券価格の下落の底が見えなかった為です
株投資をした上で、さらに底が見えない債券投資をすれば
両方とも下落していき
安定性を保つどころかリスクが倍増してしまいます
株は金利上昇が止まっても
それ以降もリセッションとなれば
下げていきますが
その際は債券価格は安定してあげることができます
その為、今から買い付けることとしました

『なぜ米債券ETFなのか?』

まず、債券投資となると
真っ先に考えられるものは
ETFではなく
普通の「米ドル建ての債券」
の方も多いと思います
ちなみにSBIで現状取り扱っている
新発債券は以下となっています

新発債券

そして既に発行済みの債券は以下があります

既発債券1
既発債券2

もちろん、これ以外にも各企業が出されている社債など
たくさんありますし
現状の高い利回りはとても魅力的でもあります
ではなぜ個別の債券としないのかですが
それには債券投資の方法と求めているものが
関わっています

『債券投資の方法と求めているもの』
債券に投資をする際は
何を基準に何を求めるものでしょうか
株との違いは、基本的には
債券とは、貸し付けて金利を得るものです
債券は満期まで持っていれば
償還時に額面金額の100%が戻ります
つまり利率が儲かるものですが
しかし既発債の場合は、単価の変動もあり
キャピタルゲインを取ることもできます

債券の説明を細かくすると本1冊分ぐらいになってしまうので
上記の既発債の項目で、必要な部分だけ簡易に記載します

利率:額面価格に対して年間につく金利
利払日:利金が分配される日
参考単価(%):額面金額に対して何パーセントで買えるか
利回り:投資額+金利の差益を含めた率(額面金額が安い場合は高くなる)
償還日:償還日なので、あと何年残っているかが判断材料

そして日本と違い米債券には
「利付債」「ゼロクーポン債」と2つあります
簡単にいうと、利付債は、
もっている間は定期的に利金(分配)が入る
株でいう配当投資にちかいものですが
ゼロクーポン債は、途中では一切、利子を受け取らずに
満期にまとめて受け取るもので
その分、最初に買う際に額面金額より利子分が割引かれた
金額で買う事ができます
つまりお得に買えるので
長期的にお金を使わない方で
例えばですが、20年後に満期になる
超長期の単価50%程度のゼロクーポン債を
今から毎年買っていけば、
20年後に利子つきの満額債券を毎年受け取って
老後の年金のような感じでもらうことができるので
老後の資金を作るにはとてもいい銘柄だと思います

つまり債券投資はとても面白く
自身に多額の資金が既にあれば
運用方法を多角的に計画し
ある程度の期間寝かすつもりで
利回りを定期的にとったり
途中で債券価格が上げ下げすれば売却したり
満期償還時にまとめて利回りをとることもできます

ではこれでいいのではないか?
と思われるかもしれませんが
しかし投資銘柄として
リターンが大きい投資というのは
あくまでも株だと私は思っています

私はまだ投資を継続していて
資金もこれから増加させたい
という希望があります
既に10億程持っていて
株よりも安定した銘柄を
ということであれば
色んな債券を組み合わせ
それをメイン投資に据えても
よいかと思いますが
ある程度リスクをとって
リターンを求めていくのであれば
債券よりは株の方が銘柄も多く
柔軟性があると
私は思っています
債券は利回りがほとんどない銘柄は
魅力ない一方で、株は成長という概念があるからです
しかし様々な債券をうまく使った
債券投資家も多く存在しますので
これは人それぞれかなと思います

ではなぜ債券ETFとしたのかについてですが
私は基本的に株の投資家として
ヘッジとして債券が欲しいというのがあります
その際、個別の債券としてしまうと
満期という概念がある為、
常にその時にあわせた
既発債を探したり定期的に買い付けたりする
手間が発生しますが
ETFの場合は満期という概念はありませんので
分散投資した債券の分配金と
その価格だけ気にすればよくなります

その価格だけ気にするというのは
もう一つの債券のとても大事な要素の
『債券価格は金利と逆相関になる』
という事です
なぜ債券価格が金利に影響されるかについては
長くなるので端的に記載しますが
例えば金利が2%の時に発行した債券が
100万円した場合、
その後、金利が上がって5%になって
発行された債券が
同じ100万であれば
誰しも後の利回りがいい
100万の債券を買います
その為、既発債の金利の低い債券は
価格が下がります
そういったロジックで債券の価格は
金利と逆相関します

そして今は金利高の相場で
その為、新発債は利回りがよく
既発債は価格が下がっています
しかし前段に記載したように
今後、金利上昇がピークアウトし
少しずつ金利が来年、再来年以降に
下がっていく局面では
債券価格はあがっていく
想像ができます

つまり底打った債券価格が上がる
キャピタルゲインだけ取りたいのであれば
ETFで十分ということが言えます
また現状、大きくETFも価格が下がっている為
高利回りとなっています
米債券ETFのその多くが
毎月分配でもあります
例えば、格付けが高い超短期のETFの以下
AGG,BND,SHY,IEF,TLTや
格付けが少し下がった
以下ETFも毎月分配です
BLV,VCLT,LQD,HYG,JNK

しかし、東証で買えるETFの以下では
年4回または2回の分配となっています
1482,1656,1486,1487,2621等
※米国債7~10年,20年の為替ヘッジなしあり等
またこれらの銘柄は
円で買えるので有望そうに見えるのですが
現状は金利上昇ともに
極端な円安の状況にもありました
最近は少し落ち着き、今日時点では135円程度
となっていますがそれでも急激です

ドル円

今後、円安が長期で継続する可能性もありますが
金利がピークアウトし下落する相場となった場合
円高にふれる可能性が高いかと個人的に思っています

外貨建て債券投資を行う場合、
為替の影響は甚大です
なぜなら債券は4%ほどでも大きな利回りで
かつ長期で保有するケースも多いため
長期的に為替が大きく動く場合は
為替差益の方が影響が大きくなる為です

その際、「為替ヘッジなし」の場合は
円高の場合はその影響を食らい損失が膨らみますので
「為替ヘッジあり」のETFが有望となりますが
為替ヘッジありの場合は
運用側で為替の逆売買(為替ヘッジ)を
することで為替の影響を打ち消していますが
そのコストは、日米の金利差が
開くほど高くなります
つまり現状の金利高の状況で
「為替ヘッジあり」の投資信託は
とてもコストが高いのです
また経費率も為替ヘッジなしより高くなります
投資する際には
そのコストを受けても大きく
キャピタルゲインをとれることが
前提となってしまう為、
そうまでして日本側で買うより
シンプルな米債券ETFを選択する方が
戦略が立てやすく
また私の場合
カバコなどを使って、ドル建てのインカムが
定期的に存在しますので
それを使って買う事で
為替の損失なく買い付けができます

そして
なぜ私が、「BLVまたはVCLT」を
買い付ける事としたか

その特徴によるものとなります

米債券ETFには多くの種類があり
その特徴も違います
大きな分類として
「格付け、長期、短期」などがあります

格付けを意識した場合
「AAA」を多く組み込み銘柄にもつETFの
$AGGまたは$BNDが有望です
しかし私がこれを選択しなかったのは
この高利回りの状況においても
利回りはAGG:2.3%、BND:2.42%で
ちなみに金利1%に対してどの程度
値動きするかというものを表す
デュレーションはBNDで6年で
金利1%に対して±6%動くという事で
短期債も多く緩やかです
ちなみに金利上昇時の債券価格下落幅は
(金利上昇幅×残存年数)で粗く計算できます
もちろん過去の同銘柄からすると
高利回りの状況と思いますが
株やその他債券と比較すると
少し物足りないと個人的に思っているからで
これで十分という方は
こちらの方がお勧めです

長期20年以上のETFの
$TLTも、利回り:2.24と同じくですが
デュレーションは18年となっていて
金利の影響が大きく
株と同じぐらい値幅が大きくなります
その為、短期的には
株のヘッジには使えますが
長期的に今年のような株も債券も暴落する
金利相場がやってきた場合は
どちらもリスクが
大きくなってしまいます

またハイイールドETFの
$HYG、$JNKとなると
利回りはHYG:5.06%、JNK:5.75%
ととても高いのですが
格付け的には「BB、B、CCC」といった
低いものが多い為
今回のような経済に大きな
痛みがあるような相場の場合
一番にダメージを追いやすく
また一般的にも
BB以下は投資不適格債とも
いわれる所もあり
株のヘッジとしては
厳しいものがあります

結果、消去法的に
長期債券の$BLVまたは
長期社債の$VCLTとし
それぞれ利回りは
BLV:3.78%、VCLT:4.15%
格付けは共に「A,BBB」が多くなっており
中間的な立場となっている
これらを選択することとしています

基本特徴としては
短期債券は安定的な値動き
長期債権は株と同じく値幅が大きい
という事になりますが
長期であっても
SP500など株と比較すると
短期の要所要所では
株と逆相関となります

SP500とTLT(オレンジ)の相関

下段の青色の相関をみると
今年のような極端な金利上昇で
株も債券も売られるような状況以外では、
逆相関によるヘッジが
うまく機能していることがわかります
これは株の暴落時には
よりリスクが低く安定感のある債券に
投資する人が増えますが
相場が落ち着き、株のリターンの方が
大きいと判断されれば債券から株に
投資をする人が増える為です

『まとめ』

私が想定する先の相場では
少しずつ米高インフレが落ち着き
金利上昇から横這いとともに
リセッションし株価は下落
そして少しずつ金利が
落ち着いていく中で
債券価格は戻り
株の下落を債券価格が支え
その後、株の底打ちにあわせて
少しずつ利回りの下がった債券を利確し
株に資金を戻していく
という流れを想定して
投資をするために
今後、米債券ETFの買い付けと
運用をしていくつもりです

長くなりましたが
私の個人的見解の
買い付けと運用方法についてでした
ご参考までに🙏✨

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