8/14-8/18 相場振り返り・見通し
こんにちは、投資猪です。
今週も引き続き長期実質金利上昇圧や中国リスクで株式市場は軟調な1週間となりました。今週も簡単に振り返っていきましょう!
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@invest_wildboar
経済指標振り返り
特に重要なイベントとして、
アメリカ…小売売上高、FOMC議事録
日本…Q2 GDP、消費者物価指数
を挙げていました。結果まとめです!
引き続き米国経済の一番の肝である民間消費が堅調であり、アトランタ連銀発表のQ3 GDP予測(GDPNow)が実に+5.8%まで上昇するなど、依然として長期金利上昇圧が強いまま経過しており、株式市場には重荷となっています。というわけで実に3週連続の同テーマでのスタートです。
アメリカ超長期金利、実質金利の上昇
基本的に30年債長期金利の上昇は米国経済の強さ、すなわち潜在成長率の上昇を表しているとされます。
株式市場にとって最も重要とされる実質10年債利回りも下のチャートのように上昇しているわけですが、昨年10月はインフレ制圧のための短期金利上昇が要因として大きく、今は経済成長による超長期金利上昇によるところが大きいということです。
とはいえ、成長率から来る超長期金利の上昇には限界があるので、30年債利回りが 4.5%を超えてどんどん上昇することは考えにくいから心配するな、というのが上のツイートになります。
それでも赤字ハイテクグロース企業にとっては実質金利が上昇することは経営の重荷には違いなく、どちらかというとダウの方がナスダックよりは堅調に推移しているというのはその表れと言えるでしょう。
FOMC議事要旨
今回の議事要旨で最も象徴的に感じたのは、
という一文で、今後FRBは政策金利を下げることはあっても、少なくとも現在のGDPの数字や、雇用のタイトさが続く限り、長期金利が積極的に下がるようなオペレーションはしない、というか高金利をなるべく維持すると考えているということです。もちろんこれは今後も景気が保たれているという前提があってこそなので、中国景気リスクなどで世界経済が悪化した場合は話が当然変わってきますが、長期債利回りの低下に全面的に賭けるようなポートフォリオ(レバレッジを利かせた超長期債ロングや小型ハイテクグロース)は少しリスクが高いように考えています。
このあたりを踏まえて、私は円建ての為替ヘッジありアメリカ長期債ロングポジションは一度損切り解消する決断をしました。
日本GDP、消費者物価指数
日本の2023Q2 実質GDPが+6.0%と急上昇したのは話題となりました。
基本的には輸出(クルマ)の拡大による貿易収支の黒字化とインバウンド収入というのが大きな柱であって、肝心の内需、すなわち民間消費はマイナスというのがややネガティブに考えられていますが、それでもトータルの実質で+6.0%(名目 +12.0%)というのはとても良い数字であり、これが賃金上昇→民間消費上昇に繋がっていけば良いわけですから、なんでもかんでも悲観的に考える必要はないでしょう。
消費者物価指数も依然として高い数字で推移しており、食品は軒並み前年比+10%と今までの日本では考えられないような価格転嫁が進んでいます。そこで生み出された利益を労働者、設備投資、株主還元に上手く使っていく経営を求めたいですね。
投資の観点から行くと、やはり上手く価格転嫁ができている業種というのが良いですね。経済産業省が今年の3月時点での価格転嫁率をまとめていますのでシェアします。(この表は「価格転嫁交渉をして、実際に応じてもらえたかどうか」も勘案したものです)
逆になかなか応じてもらえていない業種は、トラック運送、放送、金融・保険となっています。これらの業界については今後の利益には注意ですね。
日米チャート、ボラティリティマップ、見通し
米国株
今週のボラティリティマップでは「左上」への移動となり、特に大きな経済指標も無かったことからセンチメントの悪化は伺えませんでした。原油価も下がっていないところを見ると、中国リスク(恒大集団破産申請など)はある程度織り込まれていたと考えて良さそうです。
来週の注目点としては
1. ジャクソンホール会議(24-26日)などを経ながら、名目30年債利回りが4.5%までに抑えられて、実質10年債利回りの上昇が止まるかどうか
2. NVDA決算
の 2点が重要です。「長期金利の上昇トレンドが止まること」(別に下がらなくて良い)これが調整局面の終了には最も重要なポイントになります。
セクターという意味では、NVDA決算が大きく、大きく左右することでしょう。再び半導体祭りも起きるかもしれませんが、2匹目のドジョウはあくまで2匹目です。1匹目ほどのものを期待するのはややリスキーと考えるのが無難でしょう。製薬は引き続きトレンド良し、中国経済右肩下がり報道が無ければ原油価が一段上で推移し始めたように見えるエネルギーもまだ妙味ありです。
日本株
先週、中国の団体旅行解禁の報を受けて右下へ移動したボラティリティマップは中国の経済失速の可能性が高まってきたことを受けて大きく左に移動しました。やはりアメリカと比較して、中国経済への依存度が高いのは間違いないところです。
4-6月期決算を経てPBRが大きく低下するなど、円安を背景に決して業績は悪くない日本経済ですから(より幅広い業種でトヨタの構成割合の高いTOPIXのチャートがまだ崩れきっていないことが表しています)、過度に悲観はしておらず、上は VI 18で 32,000円、下はVI 21で 2021年高値の 30,750円あたりをターゲットとします。
来週の重要イベント
米国株
8月製造業/サービス業PMI (8/23 22:45)
エヌビディア $NVDA 決算 (8/23 引け後)
ジャクソンホール会議(8/24-26 パウエル議長発言 8/25 23:05)
8月ミシガン大期待インフレ率(8/25 23:00)
日本株
8月東京消費者物価指数(8/25 8:30)
では来週も頑張っていきましょう!
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