イギリスのチャレンジャーバンクを使いこなそう【#3 現金引き出し編】

前回チャレンジャーバンクのマルチカレンシー口座に関する解説を行いましたが、ここからはチャレンジャーバンクをどう使っていくのか？という話をしてみたいと思います。マルチカレンシー口座について詳しく知りたいかたは、こちらの記事をお読みください。

今回は、チャレンジャーバンクに預けた預金を現金で引き出して使いたい、特に預け入れた通貨ではなく、海外旅先や出張先で他の外貨で引き出したい時を想定して考えていきたいと思います。

皆さんは普段海外に行く際に現地通貨を入手するのに、空港などの両替所を利用することが多いと思いますが、実勢レートとの違いに驚いた経験があるのではないでしょうか？これは両替所の儲けにあたる手数料が含まれた結果で、数％実勢レートよりも不利になっています。少しでも有利なレートを探して空港の中を歩き回った経験をお持ちのかたもいるのではないでしょうか。

また、現地のATMでデビットカードやクレジットカードなどでキャッシングをすると両替所よりも良いレートで引き出せることが多いですが、それでもまだ銀行やカード会社の手数料が乗ってきますし、キャッシングによる利息も発生する可能性もあります。

チャレンジャーバンクは海外利用時も便利！

これまで紹介したチャレンジャーバンクは、元々フィンテックを活用してグローバルにユーザーを獲得していくことを狙っているので、そもそも通貨間をまたいだ取引を想定しています。そして、他の金融サービスと比べてもユーザーに有利なサービスが設定されているので、それを利用しない手はありません。

今回は、”海外で現金を引き出す”シーンで、それぞれのチャレンジャーバンクの特徴をまた簡単な絵を用いて説明していきたいと思います。

Transferwiseの特徴

マルチカレンシー口座の説明までは前回しましたが、今回はそこから先にATMで現金を引き出す場合のフローを追加しました。保有している通貨残高は、その通貨が流通している国のATMで月200ポンドまで手数料無しで引き出すことができます。それを超えた分に対しては2%の手数料が乗ってきます。

Revoluteの特徴

Revoluteも同じくマルチカレンシー口座までは前回説明しましたが、Transferwiseと同じく保有している通貨残高は、その通貨が流通している国のATMで30日間に200ポンドまで手数料無しで引き出すことができます。それを超えた分に対しては2%の手数料が乗ってきます。この手数料もTransferwiseと一緒ですね。

Monzoの特徴

マルチカレンシー口座の設定が無いMonzoですが、海外での利用もしっかりとサポートされています。そもそもMonzoはヨーロッパの経済圏EEAでの銀行免許も取得しているので、イギリスだけではなくヨーロッパの銀行というイメージです。よって、ポンド⇔ユーロ間のやり取りに関しては、手数料が無く（2020年10月31日から、現金引き出しに対して月£250の上限が設定され、それ以降は3%の手数料が乗るようになります）、レートもデビットカードのブランドであるマスターカードの実勢レートが適用されます。それ以外の通貨に関しても、同じくマスターカードのレートでATMで30日間に200ポンドまで手数料無しで引き出すことができ、それを超えた分に対しては3%の手数料が乗ってきます。

Starling Bankの特徴

Monzoと似た特徴を持った銀行Starling Bankですが、国や通貨を問わず1日に£300までをマスターカードのレートで手数料無料で引き出せます。これはすごいことです！毎日引き出せば、1か月では£9,000分も枠があることになりますから。イギリスに残した現地通貨を他の国で活用するには非常に価値がありますね。

このように、どのサービスも現金引き出しに関しては大体月200ポンドあたりに制限を設定する中、Starling Bankだけは毎日300ポンドまで引き出すことができます。圧倒的です。

これまでは現金引き出しを考えるなら特にヨーロッパ圏ではMonzoが有利でしたが、2020年10月の手数料改定でStarling Bankが一気にトップに躍り出たという感じですね。ただ他の利用シーンも是非想定した上でサービスを考えてみたいです。次回はカードを使った会計におけるそれぞれの違いを考えてみたいと思います。

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