見出し画像

多文化共生というけれど

  ロンドンですれ違う人たちは、人種も肌の色も背丈もいろいろで、正直ホッとした。日本に暮らす外国人は、大変なのではないだろうか。

 イギリス旅行から帰って来た娘の言葉に、大きくうなずいた。

 私は、アメリカの高校で仕事をしていた頃、5つの学校を回っていたが、学校によって人種構成が違っていた。白人教職員がほとんどの環境では、肩に力が入っていたのだろう。アジア系が多く、人種がミックスした高校を受け持って、初めて心が楽な事に気づいた。人種構成って、こんなにも大切かつ重要なのだと。

 世間では、多文化共生とかいう言葉が流行っているが、真意を理解して使っているだろうか。

 見た目もごちゃごちゃ、考え方もいろいろ。だからこそホッとするし、居場所を見つけて自分らしくいられる。みんな一緒、考え方も一方向。自分がマジョリティ側で、タテ社会の上にいて、権威を振りかざす側だったら楽なのかもしれない。でも、そんな社会に私はいられない。なぜなら、新しい発想が生まれないから、物事が改善されない。だいいち、面白くないし、息苦しくて呼吸ができないではないか。

 四半世紀にわたって多様性の中でもまれ、その中で居場所を見つけて力を発揮する訓練を受けてきた。久しぶりに帰って来た日本で、どのようにふるまったら自分らしくいられるのか。答えを見つけられずにいる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?