2021年によく聴いたカバー曲ベスト10
2021年も12月に入り、残りわずか。
となると、毎年恒例の1年を総括する企画をやらねばなりません。
まずは、私が『2021年によく聴いたカバー曲ベスト10』から発表です。
あくまで私個人がよく聴いた、という主観丸出しの選曲になっております。
まあ、日本レコード大賞ノミネート曲が有力芸能事務所のプロモーションという主観丸出しの選曲になっているのと同じようなものです。
なので、どうぞご容赦ください。
①ASKA「PRIDE」(CHAGE and ASKA)セルフカバー
もはや説明不要のチャゲアス人気ナンバー1曲「PRIDE」。
既にnoteでも2回レビューしてます。
今回は、亀田興毅さんのチャンネルでテーマ曲として使用することになって、急遽シングルとしてのリリースが決まってASKAさんがセルフカバーしました。
若い人たちにこの楽曲を聴いてもらえるのが嬉しいですね。
原曲のメロディー、イントロ、アウトロの良さは残しつつ、ASKAさんの壮絶な体験を重ねた32年分を感じさせる歌唱によって、進化しましたね。
このシングルバージョンのどこが一番気になるかと言えば、Cメロの「両手を広げたー」の「たー」ですね。
ここのメロディーを原曲とは変えてますから。
低く入って高く上げる。
これだけの変化なのに、癒しから、一気に力がみなぎってくる瞬間を、極めて鮮やかに描き上げてくれましたね。
②宇海「ファイト!」(中島みゆき)カバー
宇海さんは、村上啓介さんのライブでコーラスを担当したり、澤近泰輔さんのサポートによりライブをしたり、チャゲアスファンの中では結構有名なアーティスト。
そして、今回、中島みゆきさんの名曲「ファイト!」のカバーが多くの人々に広がり、宇海さんのボーカリストとしての才能が世間に知れ渡ったのではないでしょうか。
苦悩する人々を極めて繊細に表現し、サビではそういった人々を温かく、そして、力強く鼓舞していく。
特に、ラストのサビの絶唱は、圧巻!
③畑中摩美「366日」(HY)カバー
Fellows作詞作曲企画でお馴染み、畑中摩美さんは、今年も多数のカバー曲を発表してくれました。
「魔法の絨毯」「水平線」「君はロックを聴かない」「楓」など、選出したいカバーは多数あるのですが、1曲選ぶとなると「366日」です。
実は、HYさんの原曲は、あまり印象に残っていなかったのですが、畑中さんのカバーはとても印象に残りまして。
畑中さんは、メロディーに心情の機微を乗せて歌う才能がASKAさん級。
別れた男性を365日想い続けるだけでは足りなくて、366日想い続けたい、という締めつけられるような苦しい気持ちが迫真の歌唱で迫ってきます。
カバー曲の魅力は、本家の魅力をさらに高めた作品に出会えること。
畑中さんの「366日」は、まさにカバーの醍醐味です。
④小倉悠吾「水平線」(back number)カバー
こちらもFellows作詞作曲企画でお馴染み、小倉悠吾さんのカバーです。
「水平線」は、昨年、back numberがYouTubeで公開していたのですが、恥ずかしながら再生したのに印象に残っていませんでした。
今年、配信発売となったのも知らなかったのですが、小倉悠吾さんのカバーで聴いて、その魅力に取りつかれました。
小倉さんの歌唱は、「水平線」が伝えようとするメッセージを本家以上に繊細に表現してくれていたからでしょう。
ピアノとドラムによる落ち着いたアレンジになっていて、小倉さんの歌声が極めて切なく響いてきます。
これがきっかけとなって「水平線」のレビューも書かせていただきました。
⑤優里「シャッター」(JUN MIYASAKA)セルフカバー
YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』にアップされた優里さんの「シャッター」。
切なさと迫真が緩急自在に伝わってくる天才的な歌唱と感傷的なメロディーに魅かれました。
優里が自らのカメラマンを務めるJUN MIYASAKAに提供した楽曲。JUNの過去の恋愛を題材にした内容だそうです。
なので、優里さんが歌うバージョンは、セルフカバー作品となります。
⑥まなまる「うっせぇわ」(Ado)カバー
まなまるさんのこの動画は、Twitterのタイムラインに「すばらしい才能を見つけてしまったかもしれない」といった内容のコメントとともに流れてきたのがはじまり。
今年、大きな話題を呼んだ「うっせぇわ」をクレヨンしんちゃんの物真似で歌うという発想。しかも、ピアノが抜群に上手い。
どうやら本業はピアニストだそうで。
ピアニストでありながら、歌が上手く、物真似が上手く、腹話術ができて、トークも面白い。
SNSがない時代なら、この才能が埋もれていたんだろうな、と思うと、時代の恩恵に感謝です。
⑦東亜樹「男と女」(チャゲ&飛鳥)カバー
なぜ東亜樹さんの「男と女」を見つけたか、と言うと、下記のブログ記事を書くため、YouTubeでチャゲ&飛鳥の「男と女」を検索したからです。
中学2年生とは思えない表現力に驚かされました。物思いにふけりたくなる映像にも魅了されます。
歌の内容を考えると、笑顔は見せずに、もう少し神妙な表情で歌って、楽曲の世界に入り込んでほしかったところですが、中学2年生にそこまで求めるのは酷でしょう。
とはいえ、東亜樹さんの歌声は、ふくよかな艶と張りがあって、まるで夏川りみさんのよう。
将来は、夏川さんみたいなボーカリストに成長する予感がありますね。
⑧永田「Rusty Nail」(X JAPAN)カバー
ハードオフの店員としてジャンク品で演奏し、歌唱する動画で人気となり、ネットニュースでもよく取り上げられて、どんどん有名になってます。
1人9役での「YAH YAH YAH」は、チャゲアスファンにも人気ですね。
今年は、X JAPANの「Rusty Nail」をボーカル、ベース、ギター、ドラムス、キーボード、三味線、編集者、カメラマンの1人8役でライブパフォーマンスをやってくれてます。
すべての楽器を演奏できて、ボーカルで高音が出て、お笑いも入れて、編集も巧、という多才な永田さんが堪能できます。
最近、会社で10年後輩の男性から「永田MOVIE面白いですよ」と勧められました。
心の中で「2年前から知ってる」と密かに優越感に浸った私です。
⑨織田哲郎「眠れない夜を抱いて」(ZARD)セルフカバー
この曲は、1990年代のビーイングブームに火をつけたと言っても過言ではない名曲。ZARDという謎のアーティストがこの曲でヒットチャートを駆けあがってきたときの衝撃はビーイングブームの中でも最大でした。
今でもビーイングブームと言えば、真っ先にこの曲が浮かぶほど、印象に残ってます。
そんな名曲を作曲者の織田哲郎さんがセルフカバー。しかも、解説付き。
A'メロでいきなり転調するのは、非常に珍しいのだとか。
これまで、織田さんがこの曲をカバーしたことはなかったはずなので、これもYouTubeの恩恵ですね。
⑩HIPPY「俺たちの明日」(エレファントカシマシ)カバー
HIPPYさんの歌唱は、大きな全身からほとばしる熱気がすさまじく、まるで目の前で歌ってもらっているかのように伝わってきます。
選曲も、HIPPYさんの歌声にぴったりですね。不器用に生きる男性を表現させたらエレカシの宮本さんと双璧なのでは、とさえ思えます。
以上、2021年の犬山レコード大賞カバー曲部門ノミネート作品でした。