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世界への前奏曲のような、小さな音楽たち。Part.8 妖精たちの祝福

この世界は、祝福で満ちあふれているとおもう。

わたしはこの世界には妖精がいて、世界は妖精たちの祝福であふれてるとおもっている。
ほんとうに、そうおもっている。

耳を澄ませば、きらきらしてて、透きとおってて、にぎやかで、しずかで、あたたかいおとが聞こえてくる。

目を凝らせば、たくさんの花や樹や果実のいいにおいにかこまれて、あっちへこっちへ飛びまわっているすがたが見えてくる。

妖精たちはみんな、楽しそうにおしゃべりしている。

近くの八百屋さんのおばあちゃんはお向かいの天ぷら屋さんのおばさんと毎日のんびりお話しているし、さいきん越してきたおとなりさんは夫婦でたまに口喧嘩しているし、総菜屋さんのおじさんは夜になると野球を見ててときどきヨッシャって手を叩いてる。朝には家の前を通る高校生たちのあしおと、そのさきにはバス停があって、運転手のどこどこ行きですアナウンスとプシューッというドアの開くおと。国道をいきかうクルマのおと。公民館からのお知らせピンポンパンポンは音量が大きすぎて、いつも音が割れて何言っているか分からない。

なんてこの世界はにぎやかなんだろう。

妖精はわたしたちだ。八百屋のおばあちゃんも、天ぷら屋のおばさんも、おとなりの夫婦も、総菜屋のおじさんも、高校生たちも、バスの運転手さんも、行き交うクルマのドライバーも、公民館で喋ってるひとも、みんな妖精だ。みんな音楽だ。



今回紹介するのは、ラヴェル作曲「妖精の園」です。
とにかく、聞いてみて。
この世界が祝福で満ちあふれているのを、きっと感じてもらえるとおもっています。


ね。あふれてるでしょ。

もっともっと、あふれていきますように。








今回ご紹介した曲について
作曲家:モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel 1875-1937)
曲名:「マ・メール・ロワ」組曲より「妖精の園」 
演奏:John Axelrod/Orchestre national des Pays de la Loire(spotify)
   Bernard Haitink/Concertgebouw Orchestra(YouTube)

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