見出し画像

DMMバヌーシー 2023年度1歳馬 出資検討会②


出資検討会①はこちら

 出資検討会の1回目では、すでに出資を決めたファイナルドリーム22、即日満口が予想されるリトルモンスター22レインオンザデューン22モルガナイト22ロスヴァイセ22の5頭を紹介しました。

 今回は、それ以外で気になっている馬を4頭紹介します!

牡馬の出資候補

ミスラゴ22

 出資検討会2回目のトップバッターは、同じバヌーシー所属で現4歳の半兄バックスクリーン(父スクリーンヒーロー)が現役で活躍中の、ミスラゴ22です!

 母ミスラゴはアイルランド生まれの競走馬で、現役時代は3000m級の長距離重賞で2着に何度も入ったステイヤーです。その活躍を見初めて社台ファームが肌馬として輸入しました。しかし、日本向きのスピードが足りないのか、2勝以上は現時点でバックスクリーン1頭だけです。率直に言って期待外れと評価されても仕方ない成績ですので、繁殖生活も折り返し地点に差し掛かり、社台が手放したのもやむを得ない判断でしょう。繁殖牝馬セールではミッキーアイルの仔を受胎したまま売却され、新しい牧場で産まれたのがミスラゴ22というわけです。

 ミスラゴ22は、2022年のセレクトセールに出品され、1000万円からスタートしましたが、競る相手が現れず、そのままの価格でバヌーシーが落札しました。このように、市場からはまったくと言っていいほど評価されませんでしたが、母は一度は社台が評価した馬。社台系の牧場で見限られて放出された母から活躍馬が出るというのはよくあることで、最近だとヴェラアズールがジャパンカップを制しています(ヴェラアズール自身は白老ファーム生産だけど)。

 父がミッキーアイルに変わったのは、個人的にかなり好印象です。ミッキーアイルはナムラクレアやメイケイエールといった短距離の重賞馬を輩出しているように、スタミナに寄りすぎた母の代わりに、父からスピードを注入するのが狙いの配合です。ただし、牡馬の活躍馬はダートが多いので、芝馬を期待していると肩透かしを食うかもしれません。

 セリの様子を見ると、母は明らかに胴長のゆったりとしたつくりで、いかにも長距離向きという雰囲気ですが、仔のミスラゴ22は寸胴でも胴長でもない普通な感じで、父が短距離志向のわりには距離がもちそうな印象です。また、当歳にも関わらずお尻がまるっと大きく、走るタイプのミッキーアイルに見えました。

 ミッキーアイルは逃げて重賞を6勝(うちG1を2勝)したように、スピードと勝負根性に優れた馬でした。父の特徴はそのままに、母の欧州的なタフネスと持久力が噛み合えば、ダート1800を逃げて捕まえさせない馬になりそうです。

 ミスラゴ22は、日本ダービーを目指す王道路線に向く血統ではありませんが、税込1100万円という落札価格は、バックスクリーンの成り上がりを目の当たりにしているバヌーシー民からすればお安く、今年募集の中ではかなりお買い得の価格で募集されるはずです。1勝すればほぼ元が取れるのは魅力です!

アイアムカミノマゴ22

 続いては母の名前が特徴的なアイアムカミノマゴ22です!

 母アイアムカミノマゴは、ダートで2勝したあとに芝路線に進み、桜花賞で6着、阪神牝馬Sで優勝と、世代の牝馬トップクラスの実力を示しました。ダートでデビューしたことや、勝ち鞍が1400までというところから、パワーと短距離適性に優れたダンジグやミスプロの強い影響を受けていると思われます。特に阪神牝馬Sの勝ち方は、好位から鋭く伸びて急坂でも止まらない力強いもので、父であるアグネスタキオンを彷彿とさせる末脚でした。

 その産駒はオープンまで上がったダノンフェイスが出世頭で、他には2勝クラスが2頭、1勝クラスが2頭と、そこそこ走る仔を出しています。とはいえ、アイアムカミノマゴ22の税込4840万円という落札価格は、2~3勝しないと回収できない金額で、兄弟の獲得賞金からするとややお高い感があります。

 そして、パワーに長けた母の影響からか、走る仔はのきなみダート馬です。父エピファネイアは芝適性の高い種牡馬ですので、父母の馬場適性にミスマッチ感があります。

 エピファネイア×アグネスタキオンという配合ですので、ウマ娘勢としても身近に感じられます。血統で一番近いのは、母系にミスプロを持っているところも一緒のフェルミスフィアです。芝の1400~1600を得意として、オープンまで上がりました。

 これらを総合すると、アイアムカミノマゴ22は、芝とダートのどちらに出るかはわかりませんが、距離適性はおそらく短距離向きです。エピファネイアは中距離馬ですので、距離適性も少しチグハグな感じです。

 懸念材料を並べてしまいましたが、大きなプラス要素としては、テシオ理論的に月のサイクルが素晴らしいです!月のサイクルというのは、「母の誕生日から種付けに適した期間を算出し、その期間内に種付けされていればスピードアップ!」という考え方で、代を重ねるごとに効果も重複するとされています。

 アイアムカミノマゴ22の月のサイクルは、自身と母の2代に渡って適切な月のサイクルで種付けされており、22年産の中では上位です。もちろん、それだけで走る競走馬になるわけではありませんが、1つでも光るモノを持っているなら前向きに検討しようと思って、今回2番目に紹介しました。

 エピファネイア産駒であれば日本ダービーを目指してほしいところですが、現実的にはどんな条件だろうと、1つでも多く勝ってくれるに越したことはありません。短距離馬と予想しても、馬体や歩様を見て「この馬は走る」と思えたら出資します!

余談(月のサイクル上位)

4世代
 ファイナルドリーム22
 サマーハ22

3世代
 なし

2世代
 アイアムカミノマゴ22
 ラヴインザダーク22

1世代
 リトルモンスター22
 ミスラゴ22

牝馬の出資候補

サマーハ22

 ここからは牝馬になります。セレクトセールで税込7040万円で落札したサマーハ22も注目しています!すぐ上のビダーヤ(父リアルスティール)もバヌーシー所属馬で、16000万円という超高額で募集されました。それと比べるとずいぶん安く感じますが、22年産の中ではトップクラスに高い募集価格になるはずですので、見極めはしっかりしておきたい馬です。

 母サマーハの産駒は、重賞3勝のシャケトラを出世頭に、中央で3勝した仔が4頭もいます。高いレベルで競争能力を伝える名牝といえるでしょう。走る条件は様々で、父の特徴を引き出すタイプの母のようです。サマーハ22は、父ロードカナロアですし、セレクトセールのウォーキング動画を見る限りは胴が短めですので、短距離路線での活躍が見込めます。

 現代日本において、サンデーサイレンスの血を持たない貴重な競走馬となりますが、こと短距離路線においてはプラスに働くと考えられます。例えば、過去10年の高松宮記念では、サンデーを持たない馬が6頭勝利していますし、過去10年のスプリンターズSだと、サンデーを持たない馬の勝利は2頭だけですが、サンデーの非直系というくくりであれば7頭が勝利しています。

 反対に王道路線を調べると、過去10年の日本ダービーですと、サンデーの血を持たずに勝利したのはレイデオロ1頭だけで、他はサンデー直系が7頭、母系にサンデーが入る馬が2頭と、サンデーサイレンスなしに勝つのはあり得ないくらいの状況です。

 このように、サンデーサイレンスが得意とする条件では、当たり前にその血はほしいところですが、短距離路線の場合はなくとも十分に戦っていけます。いやむしろ、サンデーサイレンスがない方が成功するとまで言っていいかもしれません!クラシック戦線に乗って来るなら、桜花賞までなら距離は持つでしょうから、その点でも楽しみがあります。

 母父のシングスピールはジャパンカップを勝っており、サドラーズウェルズ直系ながら、素軽いスピードを伝える日本芝適性の高い種牡馬です。ロードカナロア×シングスピールの配合ですと、シルク所属のブランノワールがミスプロも持ってて一番近く、オープンまで上がって重賞3着の実績を残しています。サマーハ22もこのくらい走って募集価格が回収できます。ハードルは高いです。

 月のサイクルは、余談でさらっと載せましたが4世代に渡って適切な月のサイクルで種付けされており、ファイナルドリーム22と並んで最高評価です。この特性は繁殖入り後も引き継がれるため、仮にサマーハ22自身が走らなくとも、大物を産む可能性が高いと思っています。その意味では、ロスヴァイセ22同様、母優先制度の創設に備えて出資しておくという戦略もアリだと思います。サンデーなしの肌馬ですので、配合の自由度はかなり高いです!

  血統表というカタログスペックを見る限りはかなり好印象で、予算や回収率を考えなければ、この仔に突っ込むのもアリかと思っています。すぐには満口にならないと思っていますので、成長を見ながらゆっくり検討できそうです。

オーサムフェザー22

 今年の募集馬は、社台・ノーザン系の生産馬でお値ごろな馬が少ないです。そんな中、オーサムフェザー22税込4290万円で落札できたというのは、コストパフォーマンス重視の自分のような出資者からするとありがたい話です!

 母オーサムフェザーは7連勝でBCジュヴェナイルフィリーズを勝利し、アメリカの2歳牝馬チャンピオンに輝いた名牝です。その活躍に目をつけたノーザンファームが、ディープインパクトの配合相手に導入しました。代表産駒は今年の3月まで現役で走っていたスーパーフェザーで、重賞勝ちこそなかったもののオープンまで出世し、堅実な走りで1億円を稼ぎました。

 その他ですと2勝した仔が2頭います。打点はそこそこ高く、打率は低めという感じでしょうか。それでもオープン馬を出していますので、期待値からすると妥当な価格かなと思います。

 オーサムフェザーは1度だけキングカメハメハとの仔を産んでいますが(怪我により1戦0勝で引退)、長らくディープインパクトやサンデー系にこだわって配合されていたこともあり、ロベルト系のモーリスをつけるのは初めてになります。これまでの産駒は、ディープをつけても瞬発力でスパッと切れるタイプは出ず、先行抜け出しで押し切るようなタイプばかりですので、似た脚質のモーリスの方が母の良さを引き出すかもしれません。

 母父オーサムオブコースは、自身はこれといった競争成績を残せませんでしたが、その父オーサムアゲインゴーストザッパー(2004年アメリカ年度代表馬でドレフォンギベオンの母父)やジンジャーパンチポタジェの母)といった活躍馬を輩出しました。抜群のスピードと高い前進気勢が特徴と考えられます。

 血統的に近いと言えるのはメモリーエフェクトでしょうか。モーリス×デピュティミニスター系に、リファールとミスプロも入っています。この6月まで中央で走り、芝マイルを主戦場に3勝クラスにまで上がりました。このくらい走ってもらえると回収してお釣りがきます。

 総じてモーリス産駒は晩成傾向にありますが、本格化することで一気に連勝し上位条件を突破する産駒がちらほらいますので、冴えない戦績が続いても、次こそは一変するはず!と信じて応援しがいのある種牡馬です。

自分なら

 前回紹介した4頭(リトルモンスター22・ロスヴァイセ22・モルガナイト22・レインオンザデューン22)は、基本的に予算オーバーかつ早期満口が予想されますので、募集時の馬体や歩様によっぽどピンときて惚れ込まない限りは、スルーしようかなと思っています。

 その意味では、今回紹介した4頭からが、実際に出資の可能性が高い産駒になります。とはいえ、サマーハ22もかなり良さそうではありますが、予算オーバーですので、じっくり吟味する時間がほしいところです。

 というわけで、今回の4頭で気になる順は以下の通り。

 ①ミスラゴ22
 ②オーサムフェザー22
 ③アイアムカミノマゴ22
 ④サマーハ22

 ミスラゴ22はバックスクリーンが走っていることと、牡馬ですし何より安いというのが魅力です。永久就職が決まる1勝さえできれば、元金の回収可能性は各段に上がります。ある意味、バヌーシー的というよりは、ノルマンディーや京サラ的なポジションの馬ですね。ダートマイルあたりを想定するため、募集時はとにかくサイズ(大きい方がいい)とトモの筋肉量を気にしたいと思います。

 オーサムフェザー22ノーザン生産というブランドと、コスパ重視ならこの馬は検討に入れないと!という感じです。物語性や配合の妙という点では、他に魅力的な馬はいて、すでに紹介しているのですが、現実的にはこのくらいの価格の馬を出資上限としたいです。パワーよりも柔らかさが伝わりやすい牝馬なので、芝を走ってほしいですから、脚さばきの柔らかさや、全身の連動性を重視します。晩成を覚悟しますので、募集時の筋肉量は逆に気にしません。

 アイアムカミノマゴ22はエピファネイアの短距離馬という二ッチな競走馬になることを想定していますので、芝で走れる柔らかさ、サイズ(大きい方がいい)、トモの筋肉量、と見るべきポイントは多くなります。

 サマーハ22は予算との戦いになりますので、脚さばきの柔らかさ、全身の連動性、サイズ(大きい方がいい)、トモの筋肉量と、見るべきポイントが多く、しかも採点は辛くせざるを得ません。これらを乗り越えて出資ラインまで到達してくれるようであれば、きっと結果を出してくれるでしょう。

前回分の補足

 募集時に重視するポイントを前回は書いていなかったので、ここで補足しておきます。

 リトルモンスター22は芝中距離の王道路線を目指してほしい馬ですので、脚さばきの柔らかさ、全身の連動性を重視します。ドゥラメンテ産駒は父に似て故障が多いので、歩様におかしなクセがないかはしっかり見ます。母父イントゥーミスチーフでダートに出る可能性もあるため、トモの筋肉量が豊富すぎるようならダート馬かもしれません。

 ロスヴァイセ22は芝中距離向きで晩成傾向と思いますので、脚さばきの柔らかさ、全身の連動性を重視し、トモの筋肉量はそこまで気にしません。

 モルガナイト22はダートも走れそうですが、当面は芝のマイルから中距離のクラシックを目指してほしい馬ですので、脚さばきの柔らかさ、全身の連動性、トモの筋肉量を重視します。

 レインオンザデューン22は芝マイルを想定しますので、脚さばきの柔らかさ、全身の連動性、トモの筋肉量を重視します。こちらもドゥラメンテ産駒なので、歩様におかしなクセがないか見ます。

つづく

 ここまでで名前を挙げなかった馬については、血統表というカタログスペックだけでは正直ピンと来ませんでした。そのためネガティブなトーンになりそうですが「なんでピンと来なかったか」ということを中心に、次回は紹介していきます。

おまけと宣伝

 先日募集が始まったラヴズオンリーユー23の売れ行きが好調で、これを書いているときに残り100口を切りました。もう数時間で満口になります!すげー!

 そのラヴズオンリーユー23ですが、ファイナルドリーム22・サマーハ22同様、4世代に渡って適切な月のサイクルで種付けされています。

 おめでとうございます!この仔はきっと走ります!

 月のサイクルの詳細な調べ方は、「POG23-24シーズン 指名馬10頭」のおまけに書きました。有料で100円ですが、よかったら買ってみてください。

 
 ここまで読んでいただいてありがとうございます。皆さまに、いい仔との出会いがあることをお祈りします!

ʕ•ᴥ•ʔ♥

 このノートを楽しんでいただけましたら、ぜひ「スキ」を押していってください。次回のモチベーションになります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?