POG23-24シーズン 指名馬10頭
はじめに
有料のおまけについて
当ノートは趣味で書いており、無料で充分に楽しんでいただけるよう心掛けていますし、今後もコンテンツそのものを有料にする予定はありません。
ただ、今回のように文章量が膨大になった場合に、おひねり箱がわりにマル秘情報を100円で販売します。
無料部分を読んで興味が生まれましたら、買ってみてください!
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ʕ•ᴥ•ʔ♥
POG22-23ふりかえり
POG22-23シーズンは、クラシックには桜花賞にラヴェル、オークスにラヴェルとイングランドアイズの2頭が出走しました!特にラヴェルは、アルテミスSを勝ち、オークスでは10番人気の低評価を覆す4着と、大健闘してくれました。いぬたい厩舎の稼ぎ頭です!
敢闘したのはドクタードリトルで、POG本ではまったく取り上げられない注目度の低い馬だったのですが、重賞を含む6戦を走り、いぬたい厩舎の中では賞金第2位でした。
JRAの勝ち上がり率が30%ほどと言われる中で、勝ち上がりは10頭中7頭。新馬戦が始まる前に選んで、2倍以上もの成績を上げられたことには満足しています。
しかし、勝ち上がった馬の中から、ルモンドブリエが屈腱炎で引退、エルチェリーナが骨折で長期休養と、2頭も離脱馬が出てしまい、改めてサラブレッドが無事に走ることのありがたさ・難しさを教わる1年でした。
POG23-24開幕
日本競馬の1年は日本ダービーで締めくくられ、6月からは来年のダービーを目指す若駒たちが続々とデビューする新シーズンです。
今年も、POG23-24シーズンの指名馬を10頭選びます。目指すのはG1勝利。できれば日本ダービー/オークスを勝つ馬を指名してみたい!
今年のPOG本は赤本・青本・一口クラブPOGと3冊に増やし、さらにこの1年で聞きかじったテシオ理論も加え、選出しました。
指名ルール
・牡馬5頭、牝馬5頭の計10頭
・種牡馬とBMSの全てでかぶりなし
・調教師かぶりなし
・出資馬は指名禁止(ウィープディライト・ドリームクルーズ)
ドラフト1位
牡馬 ウールデュボヌール
父 キタサンブラック
母父 ハービンジャー
母 サンクボヌール
半姉 ストキャスティーク
調教師 須貝尚介
馬主 G1レーシング
イクイノックス、ソールオリエンスと、初年度から立て続けに牡馬の活躍馬を輩出しているキタサンブラック。POGで指名上位に挙げるなら、ドゥラメンテかキタサンブラックの産駒からでしょう。
ウールデュボヌールの血統的な特徴は、4頭の祖父母すべてからリファールを受け継いでいることです。母父のラインだけは6代前になってしまうので、5代血統表からは見えなくなっていますが、ハービンジャーの奥にちゃんと入っています。数えると、リファールの5×5×6×5(約10.9%)になります。
リファールは、ジャックルマロワ賞(芝1600)とフォレ賞(芝1400)を勝った名マイラーでしたが、父として歴代欧州最強馬と称えられるダンシングブレーヴを輩出したように、中距離における圧倒的な瞬発力を子孫に伝えると考えられます。
残念ながら直系の種牡馬は絶えつつありますが、日本ではディープインパクトやハーツクライがリファールの血を内包しています。彼らの産駒たちが大活躍してきた近年の日本競馬の状況を見るに、今もなおリファールの影響力は大きいと思っています。
キタサンブラックが、逃げ脚質だった自身の能力と裏腹に、産駒に瞬発力を伝えているという謎も、リファールの5×5のクロスを持っているからではないかと疑っています。
であれば、母系にリファールを持ったキタサンブラック産駒は、とんでもない瞬発力を遺伝するのではないか。そんな仮説から探し出したのが、このウールデュボヌールというわけです。
母サンクボヌールは中央で2勝。現役の半姉ストキャスティーク(父ゴールドシップ)も今のところ中央で2勝。近親に重賞馬はいませんが、堅実に走る家系です。そろそろ大物が生まれてきてもおかしくありません。
すでに入厩を済ませていて、坂路で猛時計を出しているという報もあります。めちゃくちゃ楽しみです!
牝馬 リエータメンテ
父 ドゥラメンテ
母父 クロフネ
母 レディスキッパー
半姉 アドマイヤミヤビ
3代母 ウインドインハーヘア
調教師 藤原英昭
馬主 サンデーレーシング
牝馬の1位はもちろんドゥラメンテの仔です!タイトルホルダー・スターズオンアース・リバティアイランドと、毎年クラシック勝ち馬を輩出しており、特にこの2年は牝馬に世代最強クラスを生んでいることから、牝馬で指名することにしました。
リエータメンテの血統で興味深いのは、サンデーサイレンス・トニービン・リファールを内包しています。これはつまり、ハーツクライの血そのものは一滴も入っていないに関わらず、その血統的特徴をなぞっていることになります。つまり、中距離における瞬発力が強化されると考えます。
また、3代母ウインドインハーヘアというのも非常にポイントが高いです。ディープインパクトの母であり、キタサンブラックの2代母であり、レイデオロの3代母でもある彼女は、日本競馬を革新させた立役者の一頭です。その一族からはこれからも活躍馬が出てくることでしょう。
半姉はオークス3着のアドマイヤミヤビ(父ハーツクライ)で、やはりハーツクライの血統的エッセンスを持つ本馬も、同じくらいの活躍を期待してしまいます。
しかも母父クロフネ、母母父デインヒルと、日本で走る血がこれでもかと詰め込まれていて、リエータメンテの血統表だけでご飯3杯いけるくらい美しい構成をしています。
現時点では小柄で奥手っぽいようですが、フットワークの良さを褒められており、才能の開花が楽しみです!
ドラフト2位
牡馬 モスクロッサー
父 ハーツクライ
母父 エルコレドール
母 クリスプ
半兄 ダノンファラオ
調教師 国枝栄
馬主 サンデーレーシング
牡馬の2位は、今年がラストクロップとなる、ハーツクライ産駒です!
モスクロッサーの血統的な特徴は、晩成傾向に出やすい父ハーツクライの特徴を、仕上がりの早さが売りの米国血統を引く母で緩和させているところです。ハーツ産駒の成功パターンでもあります。
母父エルコレドール自体は日本ではなじみの薄い種牡馬ですが、母系にはミスタープロスペクター・デピュティミニスター・ストームキャットと、日本で大成功を収めている血がしっかりと流れています。
ハーツクライのスタミナと瞬発力。米国的な早熟性とスピード持続力。これらが噛み合えば、ドウデュースのような怪物が再び生まれてもおかしくありません。
育成段階では豊富な体力を褒められており、厳しい調教を課してもへこたれない力強さがあるようです。
半兄にジャパンダートダービーを制したダノンファラオ(父アメリカンファラオ)がいて、ダート向きかなと思われているようですが、父ハーツクライであれば、3歳時は王道のクラシック路線を目指してほしいです。
定年間近の国枝調教師に預けられます。モスクロッサーで悲願の日本ダービー獲りといきましょう!
牝馬 ハミング
父 ブリックスアンドモルタル
母父 ディープインパクト
母 ブリッツフィナーレ
半兄 キセキ
調教師 中内田充
馬主 石川達絵
今年産駒がデビューする新種牡馬の中で、1番期待しているのがブリックスアンドモルタルで、キタサンブラック、ドゥラメンテ、ハーツクライといった人気種牡馬に次いで、牝馬の2位で堂々指名です!
ブリックスアンドモルタルの何がいいって、父ジャイアンツコーズウェイが内包するラーイです。ラーイの代表産駒ファンタスティックライトは、当時の欧州最強馬に挙げられるほどの馬で、ジャパンカップにも出走して3着と好走しました。
ラーイの半弟がジャパンカップを勝ったシングスピールです。ローエングリンからロゴタイプへと、現代でも日本で直系種牡馬を繋いでいます。彼らの母グローリアスソングは、タイキシャトルを生んだデヴィルズバッグの全姉でもあります。
ようするにラーイという血は、日本競馬に対応できるスピード能力を子孫に伝えるバックボーンに恵まれています。それを裏付けるように、同じくラーイ持ちのデクラレーションオブウォー産駒たちの快進撃は、記憶に新しいところです。
そんなブリックスアンドモルタルを父とするハミングは、兄キセキ、2代母ロンドンブリッジ、近親グレーターロンドンと、下河辺牧場が誇る名牝の家系に生まれました。
ブリックスアンドモルタルはストームバード(ストームキャットの父)の3×3のクロスを持ち、これが強く出ると一本気な競走馬になりそうなところ、ハミングは母父ディープインパクトですから、日本の芝向けの柔らかさを伝えるという点では理想的な配合です。
キセキと同じ個人の馬主さん所有なので、情報がほとんど入ってこないところがもどかしいですが、社台系のブリックスアンドモルタル産駒を蹴ってまで選んだ馬ですから、きっと大活躍してくれると信じています!
ドラフト3位
牡馬 コルレオニス
父 レイデオロ
母父 ファルブラヴ
母 ヒストリックスター
半姉 ハープスター
調教師 友道康夫
馬主 キャロットファーム
サンデーサイレンスを持たないのにウインドインハーヘアは持っている。ディープインパクトを良く知る競馬ファンとしては頭がバグる血統のレイデオロも期待の新種牡馬です。芝中長距離志向のキンカメ直系としては、最有力だったドゥラメンテが早逝してしまったので、この馬にはがんばってもらわないといけません。
牡馬3位に推したコルレオニスの血統的なポイントとしては、なんといってもハープスターの半弟ということです。ただ、ハープスターは父ディープインパクトですので、父レイデオロに変わったコルレオニスはだいぶ脚質が異なりそうです。
ディープと言えば日本競馬における瞬発力の代名詞で、特に牝馬には切れ味を良く伝えましたが、キンカメ×シンボリクリスエスの構成であるレイデオロは、おそらくパワーと持続力を良く伝え、先行していい脚を長く使う産駒を多く輩出しそうです。
父ディープを彷彿とさせる天才系の追込馬・ハープスターとは対照的に、父レイデオロのコルレオニスは、競馬センスの高い秀才系の好位差し馬になると思います。
心配なのは、ハープスター(桜花賞馬)になるかアークライト(中央未勝利)になるかというところですが、父ディープであるこれらの兄弟より、父キングカメハメハのゴールドティアの方が血統が近く、参考になります。
ゴールドディアは、重賞挑戦こそありませんでしたが、夏デビューで秋に1勝。好位差しの脚質を武器に、POG期間内に2勝を上げました。ハープスターと比べると地味な戦績ですが、現実的な目線では立派な活躍です。
コルレオニスは、堅実な姉ゴールドティアを当面の目標に、しかしできればハープスター級の馬であることを願います!
牝馬 アイレント
父 オルフェーヴル
母父 ネオユニヴァース
母 アルメーリヒ
近親 オーシャンブルー
調教師 四位洋文
馬主 G1レーシング
みんな大好きオルフェーヴル産駒が牝馬の3位です!オルフェーヴルも種牡馬としてだいぶキャリアを重ねてきましたが、いまだにその産駒傾向には掴みどころがなく、それが魅力でもあり不安でもあります。
おおまかには、晩成傾向・長距離志向・たまにダートの鬼、という感じで、正直クラシックを目指すPOG向きではないのですが、なんせパルプンテ種牡馬ですからね。いきなり三冠馬を出しても何も驚くことはありません。
アイレントの母系は、母父ネオユニヴァースにシャーリーハイツとリファールを絡め、隠し味に異系血脈としてドイツのズルムーが入っています。全体的にはダービー距離の2400mを意識した配合で、これが牡馬だったらと思わないこともないですが、大物であれば牝馬だろうが牡馬クラシックに出ればいいだけで。
そしてやはりリファールが入っているのがポイントです。オルフェーヴル自身にも瞬発力はありましたが、なかなか産駒には安定的に伝わりません。そこでリファールが大箱向きの瞬発力を刺激してくれると思っています。
兄弟にこれといって活躍馬はいませんが、叔父に有馬記念でゴールドシップの2着に入ったオーシャンブルーがおり、家系からしてもやはり中長距離でこそという感じです。
すべてはオルフェーヴルの思し召しのままに!
ドラフト4位
牡馬 プルミエプランタン
父 エピファネイア
母父 ダイワメジャー
母 プランタンビジュー
近親 カレンチャン
調教師 音無秀孝
馬主 グリーンファーム
牡馬の4位はプルミエプランタンです。グリーンファームでの募集ということもあってか、ほとんど注目されていませんが、社台ファームで生産され、一族にはカレンチャン・テリオスベル・スプリングソングといった活躍馬がいますので、バックボーンはしっかりしています。
今年のクラシックにおける、父エピファネイアの存在感のなさが不人気の理由でしょうか。この種牡馬はまた大物を出すと思っているのですが。
プルミエプランタンの血統的特徴は、母父ダイワメジャーということで、現役馬ではモリアーナと同配合ということになります。自分がバヌーシーで出資し、今年デビュー予定のドリームクルーズも同じで、以前にドリームクルーズ(パセンジャーシップ21)の紹介をしたときに、その可能性をあれこれと考察しました。
かいつまんでいうと、エピファネイア×ダイワメジャーの特徴としては、仕上がりが早く、芝のマイル向きで、デビューにさえこぎつければ勝ち上がり率50%と平均を上回る期待値、というふうに分析しています。かなりPOG向きの配合だと思います。
芝マイル向きとはいいましたが、プルミエプランタンの母系の奥には、トニービンとニジンスキーがいます。牡馬クラシックに必要な、中距離における瞬発力・スタミナ・成長力を強化してくれるはずで、たんなる早熟マイラーに終わらない可能性を感じています。また、マルゼンスキーの5×4というクロスもあり、全体的になかなか凝った血統です。
名伯楽・音無調教師に預けられます。2025年2月に定年を迎えるため、来年のクラシック挑戦がラストとなります。師の有終の美は、プルミエプランタンが果たしてくれることでしょう!
牝馬 アタラヨ
父 ジャスティファイ
母父 ウォーフロント
母 マジックファウンテン
調教師 松永幹夫
馬主 前田幸大
牝馬の4位に○外を持ってきました。無敗のアメリカ三冠馬ジャスティファイ産駒です!
不思議な語感のアタラヨという名前を与えられたこの牝馬は、とにかく血統構成が凄まじいです。ジャスティファイだけでもストームキャット・ミスプロ・ニジンスキー・デビュティミニスター・エーピーインディを内包しているのに、母系にはダンジグ・サドラーを備え、それら一流種牡馬たちを、ガリレオとシーザスターズを産んだ4代母アーバンシーが底で支えています。
一族には、海外重賞馬があたりまえのようにずらずらと出てくる超良血です。これほどの馬が7000万円ほどで買ってこれるわけですから、日本競馬の経済規模の大きさというのを感じさせます。
完全な推測ですが、この牝馬はノースヒルズの基礎繁殖として、コントレイルのために買ってきたものと思われます。というのも、アタラヨは漢字で「可惜夜」と書き、「明けるのが惜しいほど美しい夜」という意味です。これほどの血統背景を備えた馬ですので、美しいというのはピッタリなのですが、それでも「夜」なんです。つまり、彼女の本領は繁殖に入ってからで、その産駒たちが牧場の「夜明け」となるような意味だと受け取りました。
日本的な要素がまったくない馬だけに、POGで指名するのはリスクが高そうですが、ジャスティファイというと、日本で走っている数少ない産駒の中から、今年はユティタムがPOG期間内に3連勝しており、相当の大物の予感を漂わせています。アメリカ三冠馬の血の覚醒はこれからでしょう。
ダートに出るのは間違いないと思いますが、来年からダート路線が整備されますので、その点では決してマイナスではありません。
ノースヒルズの新時代を創るであろうアタラヨ。その第一歩をまずは競馬場で目にしましょう!
ドラフト5位
牡馬 ルカランフィースト
父 イスラボニータ
母父 マンハッタンカフェ
母 ゴージャスランチ
調教師 鹿戸雄一
馬主 社台レースホース
牡馬のラストは、フジキセキのラインを繋げてほしいと思い、イスラボニータ産駒のルカランフィーストにしました!
フジキセキ、大好きなんです。三冠馬・ナリタブライアンの翌年にデビューして、破竹の快進撃で弥生賞を圧勝。2年連続で三冠馬の誕生か!!と有頂天になっていたところで、皐月賞を直前にして屈腱炎を発症。引退。当時は子供だったので、ショックすぎてそれからしばらく競馬を見れなくなりました。。。
漆黒の馬体に額の星が光るシルエットといい、あまりに速すぎるレースぶりといい、あまりにも早すぎる引退といい、まさに流れ星の軌跡のような競走馬でした。なので、父が出走できなかったクラシック、その一冠目の皐月賞を制したイスラボニータも好きです。
イスラボニータはアメリカンな母の影響で、上級条件で2000m以上をこなせる産駒があまり出ていないため、2400mのダービーを目指すのであれば、配合相手にはスタミナが豊富な牝馬を選ぶ必要があると思いました。
ルカランフィーストの血統的な特徴は、何といっても母父マンハッタンカフェです。このところ、母父としてのマンハッタンカフェの活躍は注目すべきで、今年はタスティエーラが日本ダービーを制しました!!ダート路線ではメイショウハリオが大活躍しています。
菊花賞・有馬記念・春天を勝ったマンハッタンカフェは、サンデー実子の中では、ダンスインザダークと並んでスタミナ豊かな種牡馬であり、産駒にもそのスタミナを惜しみなく遺伝させます。実際、ルカランフィーストの母ゴージャスランチは、2200mの3勝クラスを勝ち上がっています。
また、スタミナ系の種牡馬は、時にスピードを減殺するようなデメリットを抱える馬もいるなかで、マンハッタンカフェは現代競馬に通用するスピードを備えています。
イスラボニータは、産駒が短距離寄りになるほどスピード豊かな種牡馬ですから、マンハッタンカフェはその長所を伸ばしつつ、良質なスタミナを補強してくれる母父だと期待しています。
ルカランフィーストには、祖父フジキセキと父イスラボニータが成しえなかった、日本ダービー制覇の願いを込めています。
牝馬 ナックジュピター
父 ドレフォン
母父 キングカメハメハ
母 アドマイヤキュート
近親 グランプリボス
調教師 杉浦宏昭
馬主 小松欣也
牝馬のラストはドレフォン産駒です!昨年、ドレフォンは皐月賞馬ジオグリフをいきなり輩出しましたが、現三歳世代はなかなかに苦戦。ケンタッキーダービーを目指したコンティノアールが、直前で回避したのも残念でした。
しかし、アメリカのダート短距離を制するスピードを持ちながら、体形自体は胴長で、血統次第で芝馬も出せるドレフォンが、このままフェードアウトするとは思えません。新シーズンは巻き返しの年になると思います。
ナックジュピターは母父キングカメハメハ、母母父サンデーサイレンスと、日本で飽和しきった血統に、ドレフォンという新しい風を吹き込んだ流行りの構成となっています。
正直目新しい部分はありませんが、半兄のスペシャルドラマ(父エピファネイア)がPOG期間に2勝、きょうだいの中央での勝ち上がり率60%(3/5)、叔父のグランプリボスが朝日杯FSとNHKマイルCを勝利と、堅実かつ大物を出しうる家系です。
個人馬主さんとあって情報がほぼなく、完全に血統からの指名となりますが、阪神JF、桜花賞を目指してがんばってほしいです!
惜しくも選外となった馬たち
牡馬
アンフォルメル(ドゥラメンテ×マクフィ)
王道条件での高速決着で!
ナムラミック(デクラレーションオブウォー×ディープインパクト)
空胎明けでこの血統は走る
コヴィーニャ(マインドユアビスケッツ×アグネスタキオン)
ダートの鬼の可能性
牝馬
アンクローシュ(モーリス×キングカメハメハ)
安定して走る血統構成
テラメリタ(ブリックスアンドモルタル×ヴィクトワールピサ)
トニービンリファール持ちのブリモル産駒
イーストウィッチ(ハーツクライ×フランケル)
母が重賞馬の良血
おまけ
テシオ理論かんたん解説
テシオ理論のすべてを解説すると、それだけで膨大な文字数になるため、ここではそのうちのひとつをかんたんに紹介します。
テシオ理論では、産駒のスピードは母系から伝わるとされています。そして、スピードを伝えるためには、種付けを正しい周期で行わないといけません。この周期を、テシオ理論では「月のサイクル」と呼んでいます。
種付けの正しい周期は、その繁殖牝馬の誕生日を基準として、前15日から後45日の60日間です。ただし、これは母と仔の生まれ年の差が奇数年の場合です。逆に、偶数年の場合は、この60日間を避けなければいけません。
ようするに、母の誕生日から種付けに適した期間を算出し、その期間内に種付けされていればスピードアップ!という考え方です。
なお、正しい周期で種付けすることによるスピード強化の効果は、代を経て重複されます。特に、母・祖母・曾祖母の3代に渡って正しい周期で種付けされた若駒は、テシオ理論的には豊かなスピードが約束されています。
もちろん、これだけで走る産駒が決まるわけではありません。実際の指名馬の選出には、血統のバランスやPOG本の取材内容も加味しています。
ラヴズオンリーユー2023
23-24シーズンのPOGには関係ありませんが、ラヴズオンリーユー2023(父エピファネイア)の「月のサイクル」が非常に興味深いので、判定の具体例を兼ねて、以下に紹介します。
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