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小説新潮12月号に『おどろかし 戯場國の怪人』第六話が掲載されています。

 11/22に発売した小説新潮12月号に、『おどろかし 戯場國の怪人』の第六話が掲載されています。

 深井志道軒の狂講は続く。隠岐への流罪に遭った小野篁と、島の漁師である新蔵との間であった、阿古那という女に対する確執。しかし篁は罪を赦され帰京してしまう。その因縁話の途方もなさに、市村座に集まった面々はいずれも半信半疑だが、源内は志道軒の話の裏を取るために調べ物を始める。一方、志道軒はその日を境に姿をくらませてしまった。

 さて、だいぶ時代劇らしからぬ展開になってきましたね。

 連載開始する前から、「最初のうちはまともな時代小説風を装って、気がついたら変なもの読まされている」みたいなのが狙いだったので、まあ予定通りといえば予定通りですが。デビュー当初はこんなのばかりやっていたので、初心に返るような感じですかね。

 この作品、実を言うと、以前に『ねなしぐさ 平賀源内の殺人』を書いている時に、資料として読んだ平賀源内(風来山人)作の『風流志道軒伝』という戯作があまりにぶっ飛んでいて衝撃を受け、自分もこのくらい奔放な作品書きたいと思ったのがきっかけです。この作品のメインキャラの一人に深井志道軒がキャスティングされているのはそのためです。

『風流志道軒伝』は、よく「和製ガリバー旅行記」なんて呼ばれていますね。

『風来山人集』や『平賀源内全集』にも所収されていますが、入手しやすくて読みやすいのはこれかな。

 あと、私の作品である『ねなしぐさ 平賀源内の殺人』はこちら。

 平賀源内は、史実として晩年に人殺しをして獄中死しているのですが、何故に人殺しに至ったかを巡る時代ミステリーです。スーパーナチュラルの要素のない、わりとまともな時代小説です。

 ご興味のある方はこちらもどうぞ。

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