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2024.2.2
たろうくんが見たがってた日本で上映されてる映画の舞台がパリで、映画はみれないけど場所にはいけるからって、エッフェル塔のふもとに住んでるたろうくんの友だちのところに遊びにいった。レストランでステーキタルタルくださいって言ったら店員さんが「生の牛肉だけどいいの?」と聞かれて、いまおもえば生肉たべるほうがめずらしいだろうから聞いてきてくれたんだとおもうけど、そのときはなんでそんなこと聞いてくるのかわからなくて変な感じになっちゃったから、うまく返せたらよかった。パリにはブックオフがあった。セーヌ川の河川敷はコンクリートがななめになってて柵もないから、みんなふちに座って足をのばしてお酒のんだりたばこ吸ったりしてぎらぎらの水面をながめながら話してる。船がとおって、みんなこっち側にむかって手を振ってくるからみんなで手を振りかえす。トイレにいくついでにポンピドゥセンターのテラスにいって、あそこがモンマルトルだとか家はあそこだとかいう話をした。風がつよくてみんなちょっと浮いていた。電車はスリにあうから気をつけてって注意されたそばから狙われた。パリの北のはじっこにあるサン・トゥアンの蚤の市にいくときに、電車おりて駅のホームで地図みようとしてiPhoneいじってたら2人組の男の子のかたほうがぶつかるように近づいてきて、もちまえの反射神経で間一髪かわしてiPhoneにぎっている手を彼と反対側に遠ざけたからあいつらのたくらみは失敗したけど、もしあなたがサッカーやってなかったらダメだったねって笑った。中心のほうでもスリはいるらしいけど気づかなくて、たしかによく見ると電車が空いてるときはみんな開く側の扉のほうにはいなかった。
パリには2回いって、2回ともルーヴルにいった。映画のロケ地めぐりをしたのは2回目の話。1回目は、ロンドンに帰るユーロスターが前日のお昼すぎくらいにいきなりキャンセルになって、たろうくんの友だちにたのんでもう一晩だけ泊めてもらった。予備の服なんて持ってきてないし洗濯もしてないから買いにいった。夏だったからね。時間があればいきたかったけどあきらめたところにいって、そこがけっこうよかったからTシャツを買って、次の日にそれを着て帰った。キャンセル連絡のメールは理由を書くところが[reason]ってなったままで埋め込み文字が機能してなくて、なんでキャンセルになったのかよくわからなかった。ロンドンでも電車はすぐストライキするし、バスもよく行き先が変更になった。働くひとにとってはこっちのほうがいいかもしれないとはおもう。その友だちがロンドンに来たときはうちに泊まってもらって、ギャラリーとか美術館のいきたいところリストが送られてきたからみんなでまわりまくった。2.5日で15件くらいだったからやばいスケジュール。小さいギャラリーはこんな機会がなかったら知らなかったからいけてよかったねって話した。たろうくんとふたりだけだったら古着屋とパブだけのロンドンだったからって。だから2回目にパリにいったときはロケ地をまわって映画の写真とおんなじアングルで写真をとりまくる旅につきあってもらったりした。知らなかったところとか1人だったらいこうとおもわなかったところにいけてよかったって友だちが言ってくれたからよかった。たろうくんは東京にいるお姉ちゃんに映画をみにいってもらって、お姉ちゃんはパリも知ってるから、ここが映るシーンがあったよとか、あれはどこそこだとおもうとか情報をもらってた。結局その映画はふたりが日本に帰ってきたその月が東京で上映されてるぎりぎり最後の期間で、見れたんだよ。

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