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げんきだよ。いまはたろうくんと一緒にいる。たろうくんにはおねえさんがいる。このあいだはおもしろい本のはなしをしていて、そうしていちにちがおわった。そういう間柄、かんけい。たろうくんは背が大きくて、なんだかんだと動き回る。あちらへいったかとおもったら、いなくなっている。スーパーの前にすわっているおじさんに聞く。スーパーへいくけど、なにがほしい?アイスクリーム。なんの味がいいんだろう。聞かなかった。箱に入ったアイスを2つ渡すと、ひとつをくれる。話をして、して、して。なんでもない話。さいきんあついよね。まあ寒いよりはいいよ。その服似合ってるね。友達がくれて。へんな恋人の好みにばかり合わせているから、この服はもうださくなったらしい。もう何回目かわからないけれど、そういうタイプ。ださい服を友達にあげるって。こころの奥底のそこでは、この服かっこいいってわかってる。だからたぶん、恋人と別れたら取り返しにくる。それまでしか着られないから、気に入っているんだよね。服いる?ほしかったらたぶん明日持ってこられるよ。いや、いまはいらないや。いっぱいあるし。でもすごいかっこいい服なら持ってきて。うまくいけばだれかからビールもらっとくから一緒にのもう。じゃあ。たろうはよくしゃべる。しゃべってつかれるとすぐに寝る。寝ても寝られないときは朝まで起きている。うまく寝られないのに寝ようとすることは法律で禁止されている。どうせばれないから、誰も守らない。来週にはひっこしをする。たろうは、暗い部屋を選んだから、起きられなくなったらどうしよう、といった。
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