見出し画像

4

オレンジにアレルギーがあるひとがいることを5年前にはじめてしった。チョコレートがきらいなひとがいることもしったけど、いつもそんな人がいることをわすれて、チョコレートをあげようとして、渡そうとチョコレートを持った瞬間に思い出す。この人はチョコレートが嫌いだった!。 夏はそとでよくビールを飲んだけれど、いまは寒すぎる。まいにち雪が降っていて、つもらない。道が凍りついて、いろんなところで人が転んでいる。
友人のいぬがくるまにひかれてしんだ。事故のあった場所のすぐそばの柵にいぬの写真をくくりつけていて、まえからそれを見るたびになんだろうと思っていた。友人と友人になってから、家に遊びに行く途中で、これわたしのいぬ、ここでひかれた、といわれた。友人のいぬはしぬまえにこどもをうんだ。いぬの遺伝子はこの世に残っているね、といった。ここではそういういいかたはしない、へん。遺伝子ではない、そのいぬがまだ生きている。いぬがいきていても、もう友人とは一緒に暮らしていない。友人のいぬはしんでしまった。友人はどうやってそのくるまを運転していたひとと話したのだろう。怒ったのだろうか。さけんだのだろうか。しずかに近づいていったのだろうか。まがろうとするくるまをものすごいおばあさんが運転している。うしろにけだるくすわっているこども。いぬのことをかんがえてください!

友人がたばこを吸うのをきにするかきいてきた。みんな吸うからだいじょうぶ。しっているでしょう。あなたも吸うんだし。吸ったことがないけれど、肺はもうじゅうぶんにきたない。高校生のときにライブハウスに通いつめすぎた。酒ものまないから、ドリンクチケットを友人にあげた。制服をきているままで、酒もたばこものんでいた。音楽がはじまって、かっこうをつけていたから、まったくうごかなかったし。それでもたのしくはあったみたい。かっこうをつけていたのか、踊り方をしらなかったのか。おばさんがはだしでステージの前で踊り狂っていたから、それとの対比をつくりたかった。すきじゃないバンドをみてもしょうがないから、そのじかんはうどんをたべていたしね。まったくよい客だった。

spreeにくるまが沈んでいるのを見た。友人は、このくるまがいぬを殺したくるまだったらね、という。友人は、いぬを殺したあのくるまをおなじ目にあわせてやる、という。友人は、あのいぬを殺したくるまと同じくるまだ、という。どの冗談がいちばんおもしろい? 友人はなにもいわなかった。spreeにくるまが沈んでいるのはふつうですから。

背の低い女の人がちかづいてきて、宗教の話をした。おもしろくない。ただのよくない日のはなしをされてもね。もっとおもしろいものがたりかとおもったから。すみません、といってもにこにこしていて、これが宗教の力かとおもう。自分がだいじにしていることを断られてわらうことができる? それは禁止したほうがいい。こわすぎる。だから宗教をそんけいしている。ときどき本をくれる。しらないことをおしえてくれる。時間はもらえないから、おもしろくはない。それでも、いっしょにいきることはできるかもしれないけどね。あまりおもしろくないや。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?