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【2020松本山雅】第3節vs甲府(H)プレビュー

トップの画像は2018年7月29日、前回のホーム甲府戦(1ー0)、松本山雅FCホームページより。セルジーニョ選手ゴールシーン(当時のGKも河田晃兵)

1.中央線ダービー

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(写真:松本山雅FCホームページより)

待に待ったホーム開幕戦。
相手は前節ホームで新潟相手に劇的なドローで勝ち点1をもぎ取った、15位ヴァンフォーレ甲府。
過去の対戦成績は4勝1分け1敗と、前節に引き続き反町体制下では相性のいい相手が続く。
聖地アルウィンで再開後初勝利が期待される山雅は前節、ことごとくシュートがバーや白井裕人に阻まれ、怪我人や疲労に悩まされながら何とか勝ち点1を拾った。
魔境J2で再び頂きに立ち、日本最高峰へと飛び立てるかどうかはこの試合にかかっている。


2.メンバー予想

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・松本山雅FC
スタメン予想
GK
村山智彦
DF
田中隼磨
森下怜哉
常田克人
高木利弥
MF
鈴木雄斗
藤田息吹
塚川孝輝
杉本太郎
FW
阪野豊史
セルジーニョ

前節負傷の橋内に変え、交代出場の常田を予想。
個人的には今節も3-1-4-2予想をしたいところだが、前節を見たところ3バックのオプションはそれほど完成したものでは無いのだろうと思われる。
久保田は好調に見えるため、疲労が見えた時間に低めで捌いてもらうのがゲームプランとしては得策か。

サブ予想
圍、浦田、服部、山本、アルヴァロ、久保田、彰人

・ヴァンフォーレ甲府
GK
河田晃兵
DF
小柳達司
今津佑太
新井涼平
内田健太
MF
松田力
野澤英之
山本英臣
泉澤仁
FW
ドゥドゥ
ジュニオールバホス

こちらは4-2-3-1で前節の後半開始時点と同じメンバー。
左サイド泉澤とドゥドゥは入れ替わりながら神出鬼没。
特に泉澤は前節トップ下で先発しながら、途中でドゥドゥとポジションを変え、左サイドで基点となった。
サブには金園英学やハーフナーマイク等強力なFW陣も控えるため、今節もDF陣は苦労を強いられるだろう。

前節の(ヴァンフォーレ甲府-アルビレックス新潟@山梨中銀スタジアム)
ハイライトはこちら↓


3.甲府の攻撃vs山雅の守備

甲府のコンセプトは基本的に山雅と同じ、奪ってから素早く攻めに転じるカウンターサッカー。
しかし、最終ラインには器用な選手が多く、一旦押し込むとゆっくり幅を使って攻めてくる。

自陣からのビルドアップにはそこまでの精度は無いため、山雅としては敵陣深くでしっかりとプレスをかけ、自陣に入る前に回収する。回収に失敗した際にはしっかりと引いてブロックを形成するメリハリを以下に持続できるかが勝負になる。
また、クロスボールで得点チャンスを伺うことが多いため、課題のクロス対応を狙われるだろう。
しっかりとマークマンを離さず、クリア出来なくとも自由にシュートを打たれない体制を作りたい。

甲府の敵陣ポゼッション時のポイントは3つ。以下の点を抑えれば山雅優勢の試合運びになるだろう。

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1.ドゥドゥを捕まえる
ドゥドゥは前線・サイド様々な場所に顔を出し、起点を作りながら常に裏抜けの機会を伺っている。ドゥドゥの動きを封じなければ甲府に自由を与えてしまうだろう。
併せて、バホスのポスト・落ちて受ける動きにはボランチがコースを切って対応したい。

2.泉澤のポジショニング
泉澤は相手の守備陣形に応じて、外に開いたり内側のスペースに絞ってレーンを開けたり、様々な動きでDFを揺さぶってくる。
特に山雅に対してはサイドで起点を作ることが増えるだろう。釣りだされてスペースを与えないよう守備の連携が問われる。

3.オーバーラップ
特に左SBの内田は果敢に泉澤を追い越して攻撃参加してくるため、SHとSBでの受け渡しが必須。
SH(予想では鈴木)がより強度の高い守備を求められる。
CBに機動力の高い新井を起用し、カウンター対策も十分にされているため、SBが安心して上がれる状況があるのも大きい。


4.甲府の守備vs山雅の攻撃

山雅とコンセプトは同じ4-4-2のブロック、中央を締めているものの、やや山雅より横幅が広く、縦パスは通りやすい印象。

タイトルなし

(プレーエリアデータ:Football Labより)
Football Labのデータでもわかる通り、甲府は堅いリトリートを敷いているため、重心が低くなっている。(攻撃面においてはサイド攻撃の回数が多いのも併せて確認できる。)

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山雅としては、セルジーニョを中心に金沢戦と同様の攻撃を展開出来れば、シュートチャンスは多く生まれるだろう。
逆サイドには広大なスペースができているため、詰まったら冷静に回して外へ展開し、スペースを使って崩していきたい。

甲府は前節、新潟が序盤3バックに変更したことで、なかなかプレスを前がかりにしかけることはできていなかったが、SHと2トップが連携し、サイドに追い込みながら奪おうという狙いが見え、前半途中から修正することができていた。
2点目は相手のパスミスを高い位置で拾った守備から生まれており、一瞬の隙を生まない高い集中が求められる。
自陣でボールを運ぶ際は、丁寧にリスク管理をして前線に繋げたい。


5.セットプレー

甲府は前節、アディショナルタイムにロングスローから得点している。
相手には194のハーフナーをはじめ、ラファエル(190)今津・金園(184)新井・バホス(183)、と180㎝以上の選手が多く在籍している。
対する山雅は189㎝の三ッ田が最高、服部(188)常田(187)塚川(184)、米原(184)、鈴木(182)阪野・イズマ・山田(181)とこちらも多いが、ボランチやSHといった運動量が必要なポジションの選手が含まれており、後半になるにつれて分が悪くなっていくだろう。

後半きつくなるにつれ、ファールによる危険度が増していくため、前節のように体力的に自滅するのだけは避けたい。


6.交代プラン

後半途中に久保田を投入することはほぼ確定と見ていいだろう。
また、セットプレー対策から阪野を服部に変えるタイミングは前節よりも早まると思われる。
その他怪我人状況により、隼磨、利弥、藤田、塚川、鈴木は確実に交代不可能と思われるため、セルジーニョの代わりに彰人という交代が3つ目のこうたいとして現実的だろう。

リードした場合は服部をCBに起用する選択肢が増えるため、前線をフレッシュにして裏に抜け出し続ける「行って来いサッカー」は有効になる。連戦がある次週以降に向け、多くの選手を試しておきたい山雅としては好都合になる。
台所事情的には前半で勝負を決めておきたいところだ。

対する甲府は前節5枠の交代をすべて使いきっている。
1枠はGKの負傷によるものだったが、4枚のFWをベンチに置いており、攻撃的カードは1枚残っていたため、更なる選手交代の用意はできていたようだ。
選手交代は試合の流れによって判断が変わるため、次節もこのような交代があるかは不明だが、展開によってはこのような起用があるということを頭に入れておきたい。
その反面、山雅と同様にSBの交代候補がいない布陣になっているため、疲弊が見える場合はサイド攻撃が有効になるだろう。


7.起用のススメ

個人的に前回の試合でベンチ入りせず疑問だったのが、村越凱光

29村越

(写真:松本山雅FCホームページより)

彼は田中隼磨に匹敵する体力と、キレのあるドリブルを持っている。
ベンチに入れておけば、終盤は起点の服部、組み立ての久保田、単騎突撃の村越の3人だけで攻撃を完結させることができ、カウンター返しを食らうリスクを最小限にしながら攻撃できるだろう。
合わせて彰人を投入出来れば、相手の守備を掻き回すユニットとしては申し分ないと言える。


8.最後に

今回の試合は、相手の体力を削りながら自分たちの体力は維持しなければならないという新しい課題に直面している。
中断明け、夏というコンディション状態で、攻守に関わり続けるトータルフットボールを履き違えると悲惨なことになるというのは前節で学習済みだろう。

同じことは繰り返してはいけない。

しかし、半年間待ち望んだ新たな緑の勇者たちがアルウィンでプレーする楽しみに勝るものはない。
私たちはサポーターとして全国から「聖地・アルウィン」へ声援を送ろう。
12人目の戦士として、1年以上ないアルウィンでの勝利を勝ち取ろう。