【2020松本山雅】 11月前半 5連戦雑感

・5連戦雑感

この5連戦毎試合を詳しくレビューすることが難しかったため、雑感ではありますがまとめた記事を出したいと思います。

基本的にいい部分が見えた中での課題提示的な要素が強いので、否定的な意見に見えるかもしれませんが、はっきり言います。

この5連戦の山雅は強かった。

次の5連戦への期待も込めて、軽い気持ちで「なるほど確かになぁ」とか「やっぱりそうだよなぁこれ」みたいな感じで読んでいただけるとありがたいです。

▷レノファ山口戦

20分まで試合を支配。10分以内に2点を取り、逃げ切りに成功したことは大きい。
ただ、20分以降の内容には不安が残ったと考えられる。

元々、試合を優位に支配する為に自分たちが落ち着いて動かす、ということはそこまで得意でない山雅。飲水を挟んでリセットしてきた山口相手に必要以上に受けてしまった感は否めない。

また、起用法にも疑問符がつくことに。

山本龍平はWBないしSBの選手。守備力に不安があるからか、布体制ではSHとして数えられていたようだが、シャドーでの起用は今季初。
左WB、左シャドー、右シャドーと28分間に3つのポジションを点々とさせた挙句インアウトは、本人の責任ではない。
監督コメントでもあるように、相手のパワープレーを踏まえた致し方ない交代であったとは思うが、出来れば二度とこのような交代をせず済むように…と願う他ない。

▷栃木SC戦

大量のシュートを浴び、難しい展開になりながらも粘って勝ち点1。

栃木相手にロングボールに逃げることが多くなってしまったことは反省点として挙げられるだろう。

その他、2試合連続で起用法に疑問符が。
アウグストはボランチ本職だが、山雅ではその要求を満たせず、トップやシャドーで使われている。
特に彼の場合は守備時にポジションを空ける癖があり、最終ラインで1番起用してはいけない選手と言っても過言ではない。
実際投入直後にアウグストが空けたスペースからクロスを打たれ、あわや失点というシーンを作ってしまった。

選手の特性を見る、というレベルの話ではなく、本人としても不得意なポジションで悩んでいる様子もあり、可哀想な采配となってしまった。

▷アビスパ福岡戦

杉本の技ありのシュートで勝利。

相手にモメンタムを握られながらも、決定的な仕事をさせなかったことは大きい。
相性のいい福岡戦で、文句無しの勝利だった。

▷ジェフユナイテッド千葉戦

不用意なファールで与えた2つのフリーキックと、セットプレーの流れから川又に決められ、シーズンダブル。

特に塚川のファウルはPA付近で、上手く貰われた形。その後のFK自体は技ありなものの、セットプレーが強いことは織り込み済みなはずなだけに、もったいない結果となった。

ただ、セルジーニョが2得点で、リード・同点と前回対戦からの成長や意地を見せることが出来たことは今後に向けて好材料となった。

また、見習うべきなのは川又。
山雅の守備も人が変わったとはいえ、クロスに詰めきれず、体を前に入れられというのを1年半経っても同じ相手にやられてしまったことは残念だが、川又のオフ・ザ・ボールの駆け引きはワールドクラス。
阪野や勇太にはぜひ真似して欲しい、素晴らしい動きだった。

▷FC町田ゼルビア戦

決めきれなかった前半や、モメンタムを握られる苦しい時間を耐え、常田の素晴らしいミドルと、鈴木→塚川の完璧な連携で二得点。

細かいところをいえば、WBが裏を狙ったり(空けたスペースで受ければ、幅をとりながら撤退させることが出来る)、CBがもう少し幅を取ったり(プレスを遅らせ、パスコースを作る)という工夫があれば、楽に町田の守備を攻略できた可能性はあるが、結果オーライというところか。

即手をつけなければいけないのは、撤退時に中盤3枚が制限をかけに行った裏のスペース。
失点もそのスペースを使われており、どのように埋めるのかや、プレスバックの意識改善について検討が必要になる。
単純にCBが埋めればいい、中盤が戻ればいいという問題では無いところが難しいが、そこをどう捉えるかは柴田-西ケ谷コンビの手腕が問われるところか。

▷総括

通して考えれば、3勝1分け1敗と好成績。
周りのチームもいい成績を収めているため、見た目の順位としては見えないが、徐々に中位陣との差は縮まっている。
次の岡山は勝ち点差5。
残り8試合で、勝ち点1づつ詰めれると仮定しても、射程圏内は9位のジュビロ磐田。
更に、順位で下にいる群馬と愛媛(最終節)が残っているため、絶対に落とせない。

来季に繋げる勝利を。

(岡山戦から京都戦は諸事情により、個別レビューやまとめレビューを行いません。)