【2020松本山雅】vs町田(7/29)H プレビュー

1.日程的には優位

3連戦の中試合をホームで迎える山雅。
相手は2012年に時を同じくしてJ2昇格を果たした町田。

18年の優勝争い時には2戦2敗、さらに平戸が全3得点中、2得点1アシスト(1点は直接FK)と相性が悪い。
前節はアウェイ大宮で主力を欠きながら善戦、敗れたものの大きく崩れることは無かった。今節は中3日で迎える。

対する町田はホームで栃木と対戦。
90分同じスタイルを志向する相手とハードにやり合い、どちらも変化をつけたセットプレーから2得点。今節は中2日で迎える。


2.松本山雅FCデータトピック

得点7
…3点がクロス

失点6
…4点がセットプレー

1試合平均データ
スローイン数 28.0回(1位)
攻撃回数 122.3回(3位)
PA侵入回数 13.5回(3位)
枠内シュート 5.2回(3位)

タックル数 23.7回(2位)
インターセプト 1.7回(16位)
クリア 18.7回(19位)


3.スタメン予想

・松本山雅FC

画像1

前節から1人変更と予想。
フォーメーションは3-4-2-1。
理由は後述。

・FC町田ゼルビア

画像2

前節から1人変更を予想。
フォーメーションは4-2-4。
町田は過去7試合で、平戸、吉尾、高江、佐野、奥山、深津、水本、小田、秋元と9人を一貫してスタメン起用。
左SHとFWの一角の人選に苦労している様子。


3.町田の攻撃

得点7
…4点がセットプレー

1試合平均データ
攻撃回数 119.5(5位)
PA侵入回数 6.8(21位)
枠内シュート 2.7(20位)
クロス 9.3(22位)
スローイン 27.0(2位)

主なコンセプトは2つ
・コンパクトなところで即時回収
・逆サイド展開

4トップのうち片側3枚が同サイドでロングボールを受け、
高い位置でキープしてから抜け出すor逆サイド展開というのが、町田の基本パターンになる。

データでも分かる通り、攻撃回数が多いもののPAに侵入する回数が少ないことから、ロングボールを収める所でボールを奪われている回数が多い。

また、山雅同様スローインの数が多いため、基本になるのはワイドのスペースを使った組み立てになる。
簡単にいうと似たようなコンセプトを持つ山雅と町田は、狭い所でボールを奪い合うシーンが続くことが想定されるため、
サイドで刈り取り、中央付近のスペースを突きながら逆サイドを狙うカウンターシナリオが理想か。

逆サイドに張るWGとSBへのサイドチェンジを阻むために、ロングボールのセカンドボール回収と、最終ラインへの一定の圧力は欠かせない。
特に、最終ラインを使ったサイドチェンジは早いわけではないため、引かずにプレッシャーをかけることでDF・ボランチは楽になるだろう。

また、サイドチェンジ時に広大なスペースを供給しないためにも3バックという選択が賢明だろう。


5.町田の守備

失点8
…セットプレー、ショートパス、ドリブルからそれぞれ2失点

1試合平均データ
タックル数 24.7(1位)
インターセプト数 2.3(7位)
クリア 24.0(8位)

前後左右にコンパクトな4-4-2のブロックで守る。
データにもあるように、狭い局面で囲って奪う事が理想。
不可能な場合はリトリートして、PA侵入を防ぐ。

山雅としてはまず、大きな展開で4バックが弱い背後への斜めの動きを狙いながら、手前と使い分けてCBの狙いを絞らせない攻撃をするのが理想。
コンセプトなブロックを間延びさせたい。

また、相手のブロックの特徴として、ビルドアップの人数に合わせてWGが一部迎撃するシーンがあり、ボランチが広範囲を守っている。
山雅としてはじっくり揺さぶってから、ボランチの脇のスペースを攻めることでWGの迎撃を弱め、優位かつ安全にボールを保持する時間を増やしたい。


6.セットプレー

言わずもがなの平戸に加え、前節栃木戦で2アシストの吉尾も精度の高いボールを供給するしてくる。
特に前節はコーナーキックから、デジャヴのように平戸から吉尾へショートコーナー、左足のクロスを押し込んで得点している。

また、変化した先にはミドルのある高江と、単純な高さこそ無いものの、セットプレーの強さはJ2トップクラスを誇っている。

攻撃陣はサブ予想の安藤を初め、若く思い切りのいいアタッカーが多く、一瞬後手に回ったタイミングでファールを犯すこと自体が失点に直結する。
そのうえで守備陣にはフェアに潰す冷静さが求められるだろう。



7.選手起用について

山雅としては2試合連続でハードな試合になることは間違いない。
また、次節北九州はポジショナルプレーを志向する超攻撃的なサッカーで、守備では即時回収を狙って猛然とプレスをかけてくる(これ以上は次のプレビューでまた述べることとする)。

そこで、このホームゲームはなるべく体力消費を抑えながら勝つことが求められる。

ボランチでは中美、シャドーでは龍平やアルヴァロといった面々がある程度計算できることから、
前半を0-0で、かつ相手を動かしながら優位に立つ事でマネジメントしていくことが理想か。

特に、同じスタイルを志向している町田にたいし、今まで通りのサッカーをすると、
お互いにダメージを大きく受け、且つ1点を争う非常にリスクのあるゲームになりかねない。

個人的には、丸々とは言わないものの、前節大宮戦の高木監督のゲームプランは参考になると考えている。


8.まとめ

この試合は、移動の負担が前回の新潟→水戸よりも少ない上に、町田は中日が山雅よりも1日少ないことから、
コンディション的に優位に立てているラッキーゲームである。

だからこそ、その優位を試合ではっきりと目に見える形に表し、相手を追い込んで確実に勝ち点3を狙う必要がある。

確実に有利に立てるゲームプランを遂行し、結果に結びつけることが出来るだろうか。
期待したい。


~データ引用~
Football Lab