瑞々しい才能の宝庫!映画『美女缶』
今回はkayserが担当します。
現在、Amazon Primeで配信されている映画『美女缶』。2003年に製作された自主映画なのですが、劇場公開され、フジテレビの『世にも奇妙な物語』でもリメイクされたほど当時、話題となった作品です。筆者にとっても非常に思い入れのある映画なんです。今回は、そんな名作『美女缶』を紹介します。
大学の卒業制作だった!?
『美女缶』は、2003年に製作された自主映画です。しかも監督の筧昌也が大学の卒業制作として作った作品。
poosworks制作となっているのですが、これは筧監督を筆頭に日本大学藝術学部映画学科の有志が集まったもの。メンバーには、『美女缶』で撮影を担当し、映像ディレクターの森克彦、脚本協力の小林雄次など現在、映像業界で活躍する名が並んでいます。
ぴあフィルムフェスティバルほか様々な映画賞を総ナメにし、高い評価を得た作品です。
劇場公開も大成功!からのセルフリメイク
自主映画ながら映画会社の目にとまり、劇場公開された『美女缶』。レイトショーの2週間限定公開でしたが、連日満席となり話題に。
作品を鑑賞した誰もが大絶賛だった『美女缶』は、後にテレビドラマ『世にも奇妙な物語』枠で、筧監督によって、セルフリメイクされます。
その際にキャストは一新され、妻夫木聡が主演となりました。放送後、検索サイトで『美女缶』がトップとなり、サーバーがパンクしたとの噂も。
フジテレビでは、以前、岩井俊二監督作放送後、局への問い合わせが殺到したと語り継がれていますが、その時以来の盛り上がりをみせました。
ものがたり
同棲中の彼女が実家に戻るのをきっかけに、一人暮らしを始める健太郎。隣の部屋から、次々に美女たちが出入りするのを目撃します。
不思議に思った彼はある日、隣の住人が留守中を狙って忍び込むことに。そこには、美女缶なるものが数多く転がっているのでした。
そして、その一つを持ち出してしまいます。缶から出てきたユキと半同棲状態になる健太郎。
付き合っている彼女との関係も微妙なまま、次第にユキと親密になっていきますが……。
『美女缶』の魅力
2022年現在この『美女缶』を観てみると、時代の違いを感じさせる要素はツッコミどころ満載ですが、作品のアイデア、ストーリー、キャストとすべてが素晴らしい完成度の高い作品です。
コメディテイストもありながら、切ない展開に胸が締め付けられるような思い…最後のオチを知っていながら、何度観ても切ない気持ちでいっぱいになります。
主演の藤川俊生やヒロインの吉居亜希子の初々しく、瑞々しい演技は今なお心に残ります。また、あれだけの女のコたちをよくぞ用意した!と自主映画ながら健闘しています。
作中に登場し、監督自らが担当する小道具の遊び心満載なところも『美女缶』という作品の魅力のひとつ。特に、取り扱いビデオとうなじパイは必見です!
まとめ
テレビドラマ版もよくできていますが、短尺ということもあり、やはり映画版が一番だと当時改めて思ったのを記憶しています。筆者にとっては、今なお大切な作品。今また多くの人に観てほしい素敵な映画です。
kayser
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