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10月21月日公開オススメ映画『RRR』『クリエイション・ストーリーズ』『グッド・ナース』

映画ライターの松 弥々子が、今週末、10月21日に公開されるオススメ映画3作品をご紹介します。

RRR


「バーフバリ」シリーズで世界の映画ファンを熱狂の渦に巻き込んだS・S・ラージャマウリ監督。このラージャマウリ監督の最新作で、2022年3月に公開されて以来、既にインドの歴代興行収入3位を記録しているのがこの映画『RRR』です。

この『RRR』の舞台となっているのは、インドがイギリスに統治されていた1920年代。イギリスからやって来た傍若無人な英国領インド帝国総督・スコットとその妻に妹を奪われたビームは、妹を助けるために立ち上がります。そこで、イギリス政府の警察官としてある任務に向かうインド人青年・ラーマと出会うのです。ビームとラーマは、たちまち意気投合するのですが……。

この作品に登場する二人の男、A.ラーマ・ラージュとコムラム・ビームは、共に実在するインド独立の英雄。この2人が実際に出会うことはなかったそうですが、本作では、この2人が実際にあったらどうなるのか……という“if”が描かれています。

ラージャマウリ監督が描く2人の英雄、一騎当千の警官ラーマと、虎をも倒す羊飼い・ビームの物語。これはまさに炎と水のブロマンス。いい意味で熱い、暑過ぎる物語に、心も燃えたつこと必至です。もちろん、インド映画らしい歌とダンスもたっぷり。

インド映画最大の製作費7200万ドル(約97億円!)をかけたこの濃ゆい男たちの物語、ぜひ多くの人に味わっていただきたい! きっと、クセになること請け合いです。

『RRR』(179分/インド/2021年)
原題:RRR
公開:2022年10月21日
配給:ツイン
劇場:全国にて
Official Website:https://rrr-movie.jp/
©︎2021 DVV ENTERTAINMENTS LLP.ALL RIGHTS RESERVED.

クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~

90年代を彩り、現在もミュージックシーンを盛り上げているブリット・ポップ。このブリット・ポップ好きには見逃せない映画が、『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』です。

この作品の主人公は、世界でもっとも成功したインディ・レーベルと言われたクリエイション・レコーズの創設者で、プライマル・スクリーム、ジーザス&メリーチェイン、マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン、オアシスらを見出したアラン・マッギーが主人公です。

このアラン、1960年にスコットランドのグラスゴーで生まれ、ティーンの頃にデヴィッド・ボウイやセックス・ピストルズの洗礼を受けます。自身もバンドを組んでいましたが、自分は演奏よりもマネージメントなどの裏方仕事が向いていると気付くのです。そうして彼は、自分たちが立ち上げたインディ・レーベル「クリエイション・レコーズ」でブリット・ポップ、ブリティッシュ・ロックのスターたちを世に送り出していくのです。

自身を“プレジデント・オブ・ポップ”と称するほど成功を収めた彼ですが、その成功の裏には、結婚生活の破綻や、バンドの浪費による経営の悪化、ドラッグ問題など、さまざまな問題を抱えている様子も描かれています。

このアラン・マッギーを演じるのは、ユエン・ブレムナー。ブリット・ポップの曲がふんだんに使用され、そのサントラやファッションでも一大ブームを巻き起こした1996年の映画『トレインスポッティング』でスパッド役を演じていた彼が、スパッドと同じようにドラッグに溺れるアランを演じるのは、なんとも胸アツ。さらに、ダニー・ボイルが製作総指揮を務め、アーヴィン・ウェルシュが脚本を務めている点も、トレスポファン的には見逃せないポイントと言えるでしょう。

あのスターの誕生、あの名曲の誕生の裏にあった、波乱万丈の物語。90年代、00年代に青春を過ごした人なら、きっと懐かしさで胸がいっぱいになってしまうはずです。

『クリエイション・ストーリーズ~世界の音楽シーンを塗り替えた男~』(110分/イギリス/2020年)
原題:Creation Stories
公開:2022年10月21日
配給:ポニーキャニオン
劇場:新宿シネマカリテほかにて全国公開
Official Website:https://creation-stories.jp/
(C)2020 CREATION STORIES LTD ALL RIGHTS RESERVED

グッド・ナース

最後に紹介するのは、ジェシカ・チャステインとエディ・レッドメインという、実力と人気を兼ね備えた二人の俳優が出演する映画『グッド・ナース』です。

シングルマザーの看護師・エイミーは、ICUの激務に疲れ果てていました。しかし、同僚の看護師・チャーリーがやって来たことにより、彼女の生活は変わっていきます。チャーリーのやさしさにエイミーの心は和らぎ、二人は親友になるのですが、やがて病院内で不審死が相次ぐようになり……。

本作は、チャールズ・グレイバーの小説「The Good Nurse(原題)」をもとにしています。この小説は、推定で400人を殺したと言われる実在の殺人鬼をチャールズ・エドモンド・カレンを描いたもの。シリアルキラーやサイコパスは、一見、人あたりよく魅力的と言われますが、チャールズのやさしさの裏には何が隠れていたのでしょうか。

この作品、10月26日からはNetflixでも配信が開始されますので、映画館に足を運ぶのが難しい方は、Netflixでも見てみてください。

『グッド・ナース』(121分/アメリカ/2022年)
原題:The Good Nurse
公開:2022年10月21日
劇場:シネマート新宿ほか全国にて
Official Website:https://www.goodnurse-jp.com/


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