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『バカ塗りの娘』堀田真由の好演光る!ひたむきに挑戦する1人の若き女性を描く

今回はkayserが紹介します。
2023年9月1日より劇場公開されている『バカ塗りの娘』。8月には、物語の舞台となった青森県での先行公開を果たし、満を持しての全国公開を迎えました。

津軽塗の職人の道を歩む1人の女性を通して、家族の絆や新たな挑戦への可能性を描いています。今回は、映画『バカ塗りの娘』を紹介しつつ、その魅力についてもお届けします!

映画『バカ塗りの娘』とは

タイトルにもある「バカ塗り」って何?と思った方も多いのではないでしょうか。この「バカ塗り」とは、青森の伝統工芸、津軽塗のことをいいます。

津軽塗は、塗っては研いで、塗っては研いでを繰り返していきます。バカみたいに塗って、バカみたいに手間をかける。そこから、通称「バカ塗り」と呼ばれているのです。

ここでいう「バカ」とは、ひたむきに向き合う姿勢のことを指し、最上の誉め言葉。『バカ塗りの娘』という作品は、そんな津軽塗に魅せられ、ひたむきに挑戦する1人の女性が主人公の物語です。

青木美也子は、津軽塗を稼業とする一家の末娘。父・清史郎は兄のユウに家を継がせるつもりでした。ところが、兄は家を出て美容の仕事についてしまいます。

残された妹の美也子は、離婚して家を出た母に代わり、父の面倒から入院している祖父の世話、家計を助けるためのパートと、すべて家のために尽くしていました。

自分のやりたいことをはっきり口にすることのない美也子。しかし、本当にやりたいことは父の後を継いで津軽塗の道に進むことでした。そんなある日、偶然見つけた母校のピアノに、津軽塗を施すことに挑戦する美也子でしたが......。

美也子が自身の夢に挑戦することで、バラバラだった家族の心もひとつに。内気で目立たない妹のまっすぐでひたむきな思いが、青木家の人たちの心を動かします。ひいては、津軽塗の未来にも繋がることになる素敵なお話です。

実力派ぞろいの魅力あるキャスティング

心にそっと寄り添うような魅力ある物語を、映画としてさらに惹き立てているのが、登場人物たちを演じる出演者たち。日本映画界の実力派が勢ぞろいしています。

中でも、主演の堀田真由の好演は目を引くものが。若手俳優でも演技派な彼女は、これまでもさまざまな役を演じてきました。

本作の美也子は、自分に自信がなく内気な性格の女性。その実、内に秘めたものを感じさせる人です。一度こうと決めたら、やり通す強さを持っています。そんな美也子を抑えた演技で丁寧に演じています。

父・清史郎を演じる小林薫は流石の風格が。堀田小林はを使いこなし、あたかもその土地にずっと前から住んでいる住人となりきり、物語の世界観を作り出していました。

その2人とは打って変わって、髪を金髪に染め、同性の恋人を持つユウを演じているのが坂東龍太です。数多くのドラマや映画に出演し、彼もまたさまざまな役を演じています。美也子にとっては優しい兄ですが、確固たる決意を持つ役どころ。そんなユウを演じる坂東の骨のある演技も堪能できます。

ユウの相手役には宮田俊哉、母親役には片岡礼子、近所の吉田のばっちゃを木野花といった実力派が脇を固めることに。これだけ役者がそろえば、面白いことも納得ですね。

ここがみどころ!

この物語のみどころのひとつに、小林薫と堀田真由演じる父と娘が、2人並んで津軽塗をするシーンがあります。カメラを長回ししながら、実際に俳優陣が津軽塗に挑戦しています。本当の親子のようでもあり、職人としての空気も醸し出している貴重なシーンです。

俳優らの努力に感服しつつ、ジャンルは違えども津軽塗と映画という、「モノづくり」に対するこだわりが、ひしひしと伝わってきます。どちらも長い時間をかけて完成させるものです。出来上がった器も映画も非常に心に残る作品となっています。

映画による余波も

劇中で小林薫と堀田真由が実際に塗った器が、先行公開された青森県の劇場に展示されているようです。そこには、ポスターやチラシのビジュアルにもなっている、親子で机を並べているシーンで使用されたあの机も飾られているとのこと。なかなか貴重なセット展示ですよね。

本作の舞台ともなっている青森県弘前市。この市内のさまざまな場所は本編中にも登場しています。青木家の舞台となった民家、ピアノのある小学校、清史郎の工房、結婚式場として登場した旧弘前偕行社などなど。一度は実際に訪れてみたい場所ですね。

また、映画を観て、津軽塗を実際に見てみたい!ほしい!と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?そんな方に朗報です!

『バカ塗り娘』の公開を記念して、小林漆器直販のオンラインショップでは9月末まで全品10%OFFに。この機会に手に入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

津軽塗の美しさや魅力も存分に味わうことのできる作品『バカ塗り娘』津軽塗の魅力を伝えるだけでなく、人と人との繋がりや家族の絆が丁寧に描かれています。ぜひ、劇場に足を運んで津軽塗映画も堪能してみてください!

kayser


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